目次
- 白桃系:果肉が硬く、大玉で白い
- 白鳳系:果肉が柔らかく、皮の赤みが強い
- 特徴:大玉で甘みが強く酸味が少ない。果肉は硬いが果汁を多く含む。「白桃」と「白鳳」の交配により育成された品種のため、両方の特徴を兼ね備えている。
- 主な産地:福島、長野、山梨
- 旬の目安:7月末~8月末
- 特徴:大玉で甘みが強い。あかつきよりもやや硬めな果肉で、果汁が多い。柔らかくなっても強い甘みが抜けない。あかつきの自然交雑でできた実生から選抜された品種である。
- 主な産地:福島、山形
- 旬の目安:8月中旬~下旬
- 特徴:250?300gほどの大玉で、桃の王様ともいわれる有名な品種だ。甘みが強く酸味が少ない。歯ごたえもしっかりとしていて、日持ちがするため贈答品としても人気が高い。
- 主な産地:長野、山梨、山形
- 旬の目安:8月~9月上旬
- 特徴:皮も実も美しい黄色をしている。硬いが果汁も多く含み、甘みが強い。濃厚な味わいで香りもよい。川中島白桃から偶然生まれた品種である。
- 主な産地:長野、山梨、福島
- 旬の目安:8月中旬~9月中旬
- 特徴:硬い桃のなかでもとくに硬いため、「おどろくほど硬い桃」から名付けられた。追熟しても柔らかくならないため、日持ちがする。果汁はほとんどなく、りんごや柿のような食感である。
- 主な産地:山形、長野
- 旬の目安:7月末~8月下旬
- 特徴:大きめの果実で、強い甘みとさわやかさがあり、滑らかな口当たりを楽しめる。あかつきと川中島白桃の交配種で、それぞれの特徴を受け継いでいる。2000年に品種登録された。
- 主な産地:山梨、長野
- 旬の目安:8月中旬~下旬
- 色:枝側の部分が白くなり、緑色が抜けている
- 質感:表面の産毛が寝てしっとりとしている
- 感触:枝側の部分(最後に熟す部分)を触ると軽く弾力がある
- 香り:甘い香りがする
- 山形県寒河江市:品種おまかせ約2kg(寄付金額10000円)
- 福島県伊達市:おどろき約2kg(寄付金額10000円)
- 岡山県瀬戸内市:黄金桃約1.3kg(寄付金額12000円)
- ※1出典:全国有機農法連絡会「硬い桃を産地直送 通販」 https://www.zyr.co.jp/syun/kataimomo.html
- ※2出典:川中島白桃専門店果物市場「長野県産 川中島白桃」 https://www.kawanakajima-hakuto.com/?p=289
- ※3出典:渡辺農園「固い桃の商品一覧」 https://watanabenouen.jp/peach/hard/
1. 桃には熟しても硬い品種がある

硬い桃には必ずしも追熟が必要とは限らない。熟しても硬い品種の場合は、硬いまま食べることができる。桃には白桃系と黄桃系があるが、白桃を品種改良して生まれたのが白鳳だ。白っぽい桃は、白桃系と白鳳系に大きく分類される。
硬い桃の品種は白桃系
白桃系の品種は、白鳳系と比較して果肉が硬いものが多い。それぞれの特徴は下記の通りだ。
硬い桃の旬は8月下旬から9月上旬
柔らかい桃(白鳳系)の旬が7月上旬~下旬であるのに対し、硬い桃(白桃系)は8月下旬から9月上旬に最も多く出回る。産地や品種によっても異なるが、硬い桃は残暑の時期に旬のピークを迎える点が、柔らかい桃とは異なる。
2. 硬い桃の主な品種

硬い桃のなかでも、美味しいといわれる代表的な品種を紹介する。いずれも硬くて甘い桃だが、品種により特徴が異なる。
あかつき
まどか
川中島白桃
黄金桃
おどろき
なつっこ
3. 硬い桃のおすすめの食べ方

硬い桃を美味しく食べるために、食べ方のポイントをおさえておこう。元々硬い品種の場合と、未熟な桃の場合で適切な食べ方は異なる。それぞれ詳しく見ていこう。
硬いまま食べられる桃の場合
硬いままが美味しい桃の場合、追熟は不要だ。もぎたてが最も美味しいといわれているため、購入後できるだけ早く食べたほうがよい。食べる2?3時間前から冷蔵庫で軽く冷やしておくと、甘みが引き立つ。生食のほか、ジャムやコンポートに加工しても美味しい。
切り方、皮の剥き方
皮付きのまま8等分の切り込みを入れ、一切れずつひねりながら外す。その後、一切れずつ皮を剥くとよい。もぎたての場合は洗えば皮ごと食べられる。
保存方法、日持ち
乾燥に弱いため、新聞紙で包みポリ袋に入れる。直射日光の当たらない涼しい場所で常温保存しよう。1週間ほど日持ちするが、2?3日経つと柔らかくなってくる品種も多い。硬い桃が好みの場合は早めに食べたほうがよい。桃を冷蔵保存すると、甘みが落ち傷みやすくなる。冷蔵庫に入れるのは、食べる直前のみにしよう。
柔らかいのが美味しい桃の場合
未熟な桃の場合、硬い状態で食べると甘みがなく、酸っぱいだけで美味しくない。そのため、食べる前に追熟する必要がある。
追熟方法
硬い品種の保存方法と同様に、新聞紙とポリ袋で桃を包んで常温で置いておく。2?3日後を目安に食べごろとなるが、熟成が進み過ぎると傷んでしまうため、こまめに状態をチェックしよう。
食べごろの見分け方
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4. 硬い桃の購入方法

全国的に出回る桃は柔らかい品種が多く、もぎたてが美味しい硬い桃はどこでも簡単に入手できるわけではない。産地の近くなら直売所で購入できるが、難しい場合は通販やふるさと納税の利用がおすすめだ。(※下記で紹介する情報は、いずれも2022年2月時点のもの)
通販で購入
硬い桃は複数のネットショップで取り扱われている。予約販売を行っている店舗が多いため、旬を迎える前にチェックしてみよう。たとえば下記のような業者・店舗が通販を行っている。
全国有機農法連絡会(※1)
山形県産の硬い桃を硬いままの状態で届けるために、もぎたてを低温保管しクール便で届けるという方法を採用している。川中島白桃など追熟すると柔らかくなる品種も硬い状態で受け取れる。まどか、あかつきなどの品種も取り扱っている。
川中島白桃専門店果物市場(※2)
桃の王様といわれる川中島白桃を中心に、なつっこや黄金桃など硬い桃に特化した長野県の店舗だ。時期によってさまざまな品種の桃の通販を行っている。
渡辺農園(※3)
硬い桃や柔らかい桃、さまざまな品種を生産販売する福島県の農園だ。1kg(3~5玉)から販売するため、少人数の場合やお試しで購入したい場合にもおすすめである。
ふるさと納税で入手
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付をすることで、返礼品としてその土地の特産品などを受け取れるシステムだ。硬い桃を返礼品として取り扱う自治体は、主な産地の山形県や山梨県、長野県、福島県などに複数ある。たとえば、2022年には下記のような自治体が硬い桃を返礼品として取り扱っている。
結論
全国的には柔らかい桃が主流のため、硬い桃は熟れていないと思われがちだ。未熟な桃は常温保存すれば自然と追熟できる。しかし、硬くて甘い桃も多く存在する。追熟が必要な桃と異なり、できるだけ早く食べたほうが美味しい。産地以外では入手しにくいが、通販やふるさと納税を利用すれば自宅にいながら受け取れる。ぜひ硬い桃の美味しさを体験してみよう。
(参考文献)