目次
1. カジカとはどんな魚?

カジカという名前は渓流に生息するカジカガエルに由来している。昔の人々はカジカは鳴くと思っており、その鳴き声がカジカガエルに似ているとされた。そのため、カジカという名前がついた。カジカは日本古来の種で、英名では「Japanese sculpin」となっている。ちなみに、カジカは漢字で「鰍」または「河鹿」と書く。前者は秋に旬を迎えることから、後者は鹿肉のような味わいを楽しめることから来ている。
カジカの特徴
カジカは顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目カジカ科カジカ属に属する魚だ。主に淡水に生息する淡水魚だが、なかには海水に下るものもいる。頭部が大きく、体色は褐色系だ。20cmほどの大きさの魚だが口が大きく、かつ唇も厚いため見た目はいかつく見える。日本では北海道南部より南の地域に生息している。ちなみに、メスのほうがオスよりも大きい。
カジカの味わい
カジカの旬は秋~春と長い。カジカの産卵期は3~6月で、これ以降は痩せてしまうため味も落ちる。カジカは白身魚で、クセのない淡白な味わいを楽しめる。カジカのような川魚は生臭いといわれることが多いが、カジカは味の評価が高く、アユやイワナよりも美味しいといわれている。
カジカの種類
カジカは非常に種類が多い魚として知られている。世界では300種類ほど、国内だけでも90種類ほどのカジカが確認されている。国内ではハナカジカやカンキョウカジカ、ケムシカジカなどがよく知られている。
2. カジカ料理とは?おすすめの食べ方

数ある川魚のなかでも、とくに美味しいといわれているカジカ。しかし、残念ながら市場に流通することがあまりないため、運よく手に入れられてもどうやって食べたらよいか分からないだろう。ここでは、おすすめのカジカ料理を紹介する。
カジカ鍋
カジカ鍋は北海道の郷土料理の1つだ。あまりの美味しさに鍋底を箸でつついて鍋を壊しそうになることから「鍋殺し」とも呼ばれている。たっぷりと野菜とカジカを煮込んだ鍋は食べごたえがあり、寒い冬には芯から身体を温めてくれる。味付けは味噌で、カジカから出る出汁とも相性バツグンだ。美味しいカジカ鍋を作るポイントは、じっくりと煮てコクを出すことだ。カジカから美味しい出汁がとれることはもちろん、皮に含まれるゼラチン質も堪能できる。
カジカ汁
カジカの出汁を楽しむなら、カジカ汁もおすすめだ。カジカは石川県では「ゴリ」と呼ばれており、カジカを使った料理はゴリ料理として親しまれている。カジカ汁はゴリ汁とも呼ばれ、親しまれている。カジカの頭部や骨からはよい出汁がとれるため、カジカを余すところなく活用できる。カジカのふっくらとした身と出汁が絶品の味わいを生み出す。ちなみに、カジカの身は軽く炙ってから汁の具にするとまた違った味わいを楽しめる。
カジカの唐揚げ
小さいカジカならまるごと唐揚げにするのもおすすめだ。カリッとした衣がふんわりとした身を引き立ててくれる。カジカは淡白な味わいが特徴だが、唐揚げにすればボリュームたっぷりで食べごたえがある。どうしてもカジカの見た目が気になる人は捌いて唐揚げにすれば、問題なく楽しめる。
3. カジカの飼育方法

カジカは比較的小さい魚であるため、自宅での飼育ができる。カジカは専用の水槽で飼うようにしよう。カジカは雑食性なので、一緒の水槽に小魚を入れると捕食する恐れがあるからだ。
カジカの飼育で注意してほしいのが水温だ。カジカは広い地域で生息しているため、丈夫そうなイメージがあるが、実は水温が高いと耐えられない。適した水温は20~25℃なので、高温になりやすい夏場はクーラーやファンを使用して水温を下げるようにしよう。カジカは肉食だが、人工飼料でも問題ない。1日2回、2~3分で食べられる量を与えるようにしよう。
4. カジカの釣り方

カジカはキレイな河川の上流部に生息しており、アユやイワナ釣りで知られている場所で釣ることができる。カジカは泳ぎが得意ではないため、川底にへばりついていたり、岩陰に隠れていたりする。そのため、箱眼鏡(水中を見る道具)を使えばカジカがエサに食いつく瞬間も見ることができる。子どもも一緒に楽しめるためレジャーとしておすすめだ。
使う道具は1m前後の竿と釣り針(糸付き)、おもり(ガン玉)、エサの4つだ。エサはミミズや虫などでよいが、抵抗がある人はイクラを使ってもよい。カジカを釣る際は仕掛けをゆっくりと水に入れるのがポイントだ。大きい音を出すとカジカが逃げてしまうからだ。なかなかエサに食いつかないときは竿を少し動かしてエサの存在をアピールしてみよう。
ちなみに、カジカ釣りが禁止されている河川もあるため、釣りに行く際は必ずチェックしておこう。
結論
頭部が大きく、体色も暗いため一見すると不気味なカジカだが、食べると美味しい魚として知られている。北海道南部より南の地域に生息しているため、古くから日本人に親しまれている魚だ。そのため、カジカ鍋やゴリ汁といった郷土料理に登場することも多い。市場に流通することはあまりないため、気になる人はぜひ自分で釣って食べてみよう。