目次
- 体長30~80cm前後
- 黒い体色
- 目が大きい
- 歯が鋭い
- 黒光りしているもの
- 張りがあるもの
- 大きいサイズのもの
- 刺身
- 炙り
- 煮付け
- 塩焼き
- 鍋
- ムニエル
- 唐揚げ
- ウロコを取る
- 頭を落とすために、胸ビレと腹ビレに包丁を沿わせて切り込みを入れる
- クロムツを逆さにし、反対側からも同様に包丁を入れる
- 腹を上に向け、切り口に包丁を入れて頭を切り落とす
- 腹に包丁を入れ、ワタ(内臓)をキレイに取り出す
- 水洗いし、水気を拭く
- 頭(背側)の切り口から包丁を入れ、背ビレに沿って中骨まで切り開く
- 尾の付け根(腹側)に包丁を入れ、尻ビレに沿って中骨まで切り開く
- 中骨の主骨と腹骨を接合している軟骨を切る
- 半身を持ち上げて包丁を中骨に当て、尾の方に向かって半身を切り離す
1. クロムツの特徴

クロムツは、スズキ目・ムツ科・ムツ属の魚だ。クロムツは近類種のムツと似ており、混同されやすい。では、クロムツの見た目の特徴を詳しく見ていこう。
見た目の特徴や名前の由来
クロムツの見た目の特徴を以下にまとめた。
【クロムツの見た目の特徴】
クロムツは、大きいもので体長1mを超える個体もある。ムツより体高が若干高いのも特徴だ。
「クロムツ」という名前は、ムツより体色が黒いことに由来する。同様に赤いムツは「アカムツ」と呼ばれているが、こちらは「アカムツ」よりも「のどぐろ」という呼称のほうが聞きなじみがあるだろう。「ムツ」とは、「むつっこい(脂っこい)」という言葉が由来。その名の通り、クロムツは脂ののりがよい魚だ。
2. クロムツの旬の時期

クロムツをより美味しく味わうために、旬の時期を把握しておこう。
旬の時期と味について
クロムツは秋から冬が旬だ。岩手県や福島県、相模湾、伊豆半島などの200~500mの深海に生息している。脂がたっぷりのり、まさに絶品だ。春に産卵期を迎えるとクロムツの卵巣が膨らむ。卵巣は「ムツコ」と呼ばれ、関東では煮付けにして食されている。産卵後から夏にかけて脂が少なくなっていき、味も落ちてしまう。そのため、旬を逃さずに味わってもらいたい。
クロムツの身は白身で、脂が口の中でとろけ、濃厚な旨みが楽しめる。加熱しても身が硬くなりにくいのも特徴だ。
3. クロムツの美味しい食べ方

ここまでで、クロムツの特徴や旬、味などについて紹介してきた。美味しいクロムツを選ぶときのポイントや、おすすめの食べ方も見ていこう。
選び方のポイント
クロムツを選ぶ際は、以下のポイントを意識しよう。
【クロムツの選び方のポイント】
クロムツは30cmより小さい若魚だと脂が少ない。クロムツならではの脂ののりを楽しむには、より大きいものを選ぶとよいだろう。
おすすめの食べ方
クロムツは、生でも加熱しても美味しく食べられる。おすすめの食べ方をピックアップしたので、参考にしてほしい。
【クロムツのおすすめの食べ方】
とくにおすすめしたいのが、炙りだ。皮を炙ることでより甘みが引き立ち、皮が焦げた香ばしさが食欲をそそる。クロムツはアレンジの幅が広いので、いろいろな食べ方で楽しんでほしい。
4. クロムツのさばき方

クロムツが手に入ったら、さばくことにチャレンジしてみよう。クロムツの下処理とさばき方を解説する。
下処理とさばき方
まずは下処理のやり方を確認しよう。
【クロムツの下処理】
クロムツのウロコは大きくて柔らかいため、取り除きやすい。その分周囲に飛び散ってしまうので、ビニール袋の中で処理するとよいだろう。頭は三方向から包丁を入れて切り落すのがポイントだ。ワタを取り出すときは木製のササラなどを使うと便利である。
次に、基本的なさばき方を解説する。
【クロムツの2枚おろしのやり方】
クロムツを塩焼きにする場合は、このまま焼けばOKだ。煮魚にする場合は、2枚におろしたクロムツを好みの大きさにぶつ切りにしていく。刺身にするには、腹骨を取り除いたり皮を引いたりと、もうひと手間加えよう。
クロムツのさばき方はほかの魚とあまり変わらず、挑戦しやすい。ただし、鋭い歯を持っているので、歯に触れないように注意が必要だ。
結論
高級魚として名高いクロムツ。口の中に広がる脂の甘みがなんとも絶品で、刺身や炙り、鍋など幅広い料理で堪能できる。今回紹介した下処理やさばき方を参考に、自分で料理してみるのもよいだろう。狙い目は、旬を迎える秋から冬だ。高価であるためあまり食べる機会は多くないかもしれないが、チャンスがあったらぜひ味わってほしい。