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牡蠣

牡蠣の効能とは!身体に嬉しい栄養素と効果的に摂る方法

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2022年6月 7日

牡蠣は栄養豊富な食品として知られるが、具体的にはどのような栄養素が含まれるのだろうか。本記事では、牡蠣に含まれている栄養成分やそれらの効能について、詳しく紹介する。効果的な食べ方や注意点もおさえながら、牡蠣の栄養を上手に利用しよう。

  

1. 牡蠣の効能と栄養素

生牡蠣
牡蠣に含まれる栄養成分のうち、とくに健康効果の期待できるものを挙げる。それぞれの特徴や効能について見ていこう。

グリコーゲン

グリコーゲンとは、牡蠣のほかウニやホタテ、動物の肝や筋肉にも含まれる成分である。多数のブドウ糖がつながった多糖類で、エネルギー源として重要な役割を果たす。
エネルギー源であるグリコーゲンの摂取により、主に疲労回復効果が期待できる。また、脳を活性化させ集中力を高める効果、血糖値の低下による動悸や震えを予防する効果など、さまざまな効能がある。

亜鉛(※3)

亜鉛はミネラルの一種で、さまざまな種類の酵素たんぱく質を構成する栄養素である。体内でのたんぱく質の再合成やDNA合成に関与し、新しい細胞を作る組織や器官において働くため、発育にも欠かせない。また、活性酸素を除去する酵素をつくる成分でもある。
亜鉛は、人体の順調な発育に役立ち成長障害の予防にもなる。また、味蕾細胞や免疫反応においても作用するため、味覚障害やさまざまな疾病の予防にも効果が期待できる。
亜鉛の含有量は、牡蠣の可食部100gあたり14.0mg(※4)で、食品のなかでもトップクラスの多さだ。ただし、過剰摂取すると貧血や胃の不調などを起こすことがあるため、1日あたりの耐容上限量が設定されている。成人男性で45mg、成人女性で35mg(いずれも30~64歳の場合)が上限とされているため、牡蠣の食べ過ぎには気を付けよう。

タウリン(※5)

タウリンとは、たんぱく質が分解される過程で生成されるアミノ酸様化合物である。牡蠣などの貝類や軟体動物(イカやタコ)などに多く含まれる成分で、人間の臓器や組織にも含まれている。
期待できる主な効能は、コレステロールの減少、心臓や肝臓の機能向上、視力回復、高血圧予防、インスリンの分泌促進などである。

DHAやEPA(※6)

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸、IPAとも呼ばれる)は魚の脂などに多く含まれる不飽和脂肪酸で、体内で合成できない必須脂肪酸である。
主な効能としては、LDLコレステロールの低下作用や、動脈硬化や血栓の予防などが期待できる。
牡蠣の可食部100gあたりには、DHAが180mg、EPAが230mg含まれる(※4)。

鉄分(※7)

鉄は主に血液中のヘモグロビンを構成するミネラルとして働き、血中で酸素運搬を行う。牡蠣に含まれる鉄は、動物性食品に含まれるヘム鉄のため吸収されやすい。鉄の摂取は貧血予防に役立つが、あわせてたんぱく質やビタミンB12、葉酸も摂取する必要がある。
牡蠣は、可食部100gあたりに2.1mgの鉄を含んでいる。また、たんぱく質は6.9g、ビタミンB12は23.0μg、葉酸は39μg含まれる。(※4)

ビタミンB群

牡蠣はビタミンB群のすべての種類を含んでいる。先述のビタミンB12のほかの含有量は、たとえばB1が0.07mg、B2が0.14mgである。(※4)

ビタミンB12(※8)

葉酸とともに貧血予防に役立つほか、たんぱく質や核酸の生合成に関与する。また、アミノ酸や脂肪酸の代謝にも関わる栄養素だ。

ビタミンB1(※9)

主にブドウ糖をエネルギーに変える働きを助ける栄養素だ。エネルギー産生を促すため、適量の摂取により疲労回復効果が期待できる。

ビタミンB2(※10)

エネルギー産生を促す作用があり、補酵素として糖質やたんぱく質、脂質の代謝に関与する。また、発育促進や細胞再生にも役立つ栄養素だ。皮膚や粘膜の健康維持にも関与するため、口内炎や皮膚炎の予防に効果的である。

2. 牡蠣の栄養素を効率よく摂る方法

牡蠣鍋
牡蠣に含まれる豊富な栄養成分により、さまざまな効能が期待される(※1~10)。しかし、なかには水溶性の成分もあり、調理の仕方によっては摂取量が減少してしまう可能性がある。

おすすめの調理方法

とくに、ビタミンB群やタウリンは水溶性の成分である(8~10、11)。水溶性の栄養成分の場合、牡蠣を茹でると茹で汁に流出してしまうのだ。そのため、栄養摂取を目的に牡蠣を食べるなら、生食(生食用に限る)か、炒める、蒸すなどの調理方法がおすすめである。また、茹で汁や煮汁ごと食べられるスープや鍋に調理してもよいだろう。

3. 牡蠣の食中毒と予防策

生牡蠣とビール
牡蠣は身体によいが、注意すべき食品でもある。食中毒を引き起こすリスクがあるからだ。牡蠣などの二枚貝は、ノロウイルスに汚染されている可能性が高いのである(※12)。ちなみに、生食用として販売されているものには、厳しい規格基準が設定されている。

食べる際の注意点

ノロウイルスが体内に入ると、嘔吐や激しい下痢、腹痛などを起こす。ただし、十分に加熱(食品の中心部が85~90℃以上で90秒間以上)することでノロウイルスの感染は防げるといわれている。食中毒を避けるためにも、牡蠣を食べる際は次の注意点を守ろう。(※12)
  • 牡蠣を生食する場合は、必ず生食用のものを選ぶ
  • 加熱用の牡蠣を食べる際は、十分に加熱する
  • 生の牡蠣を触った手や調理器具はよく洗浄する(調理器具は熱湯消毒も効果的)
  • 体調がすぐれないときは、牡蠣の生食を避ける

結論

牡蠣にはグリコーゲンや亜鉛、タウリン、ビタミンB群をはじめとするさまざまな栄養成分が含まれている。期待できる効能も、疲労回復やコレステロール減少、貧血予防など多岐にわたる。水溶性の成分も摂取するには、生食や水を使わない調理法、茹で汁ごと食べる料理がおすすめだ。食中毒のリスクを避けるために食べ方には気を付けながら、牡蠣を健康維持に役立てよう。
(参考文献)
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  • 更新日:

    2022年6月 7日

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