- 機械で作られた素麺(ビニール包装):約1年
- 手延べ素麺(木箱入り):約2~3年
- 保存方法:密封できる保存袋に入れるか、ラップで包んだ状態で冷蔵庫に入れる
- 保存期間:2~3日程度
- ポイント:麺がくっついてしまったら、水をかけてほぐしてから食べるとよい
- 保存方法:水気をきった素麺を冷凍用保存袋に入れて、冷凍庫で保存する
- 保存期間:2~3週間程度
- ポイント:麺が潰れやすくなるため、保存の際に空気を抜き過ぎないようにする
- ※出典:農林水産省 子どもの食育 注目しよう!食べ物のこと「消費期限と賞味期限」 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html
1. 素麺の賞味期限と形態
市販の素麺には、乾麺、半生麺、生麺の3つの形態がある。賞味期限は各形態によって大きく異なる。それぞれの特徴と一般的な賞味期限について見ていこう。
乾麺の賞味期限
乾麺は最も多く出回る形態の素麺で、水分含有率が12~13%と低く常温保存が可能だ。コシの強さが特徴だが、作りたての風味は弱い。賞味期限はメーカーや製法によって異なり、一般的には下記の期間が目安である。
手延べ素麺は熟成させることから賞味期限が最も長く、3年半ほどの商品もある。
半生麺の賞味期限
半生麺は乾麺と生麺の中間程度の水分量で、水分含有率は22~23%である。乾麺特有のコシと生麺のもちもち感を併せ持ち、風味も生麺に近い。
ただし賞味期限は2ヵ月程度で、乾麺と比べるとかなり短い。常温保存が可能だが、開封後は冷蔵保存が推奨されている。
生麺の賞味期限
作りたての状態で販売される生麺は、流通量が少ない。弾力や歯切れのよさに優れ、小麦の風味を味わえるのが特徴だ。
賞味期限は、冷蔵保存で最長1ヵ月程度と、3種類の素麺のなかで最も短い。また、賞味期限まで保存せず早めに食べきったほうが、より作りたての味を楽しむことができる。
2. 素麺の賞味期限が切れたら
素麺のパッケージに明記されている賞味期限は、「美味しく食べられる期限」を意味している。「安全に食べられる期限」を示す消費期限とは異なるため、過ぎてしまってもすぐに食べられなくなるわけではない。(※)
ただし、賞味期限が切れて長期間経過したり、保存状態が悪かったりすると、傷んでしまうこともあるため注意が必要だ。賞味期限が切れた素麺は、食べる前に状態をチェックしよう。
食べられるか判断する方法
素麺をチェックして、下記のような異変が見られたら食べずに廃棄しよう。
カビ
開封後の素麺は、湿度の高い場所で保存するとカビが生えやすい。また、冷蔵保存した場合でも、結露の発生によりカビが生えることがある。カビが素麺の一部にでも見られたら、目視できない胞子が全体に広がっている可能性があるため、同じ袋や容器のものはすべて廃棄したほうがよい。
虫
小麦粉などの粉類に発生する小さな虫が、素麺にもつくことがある。よく見られるのは、2~3mmほどの大きさの茶色っぽいシバンムシという甲虫だ。素麺を密閉せずに保存していた場合に侵入してくることが多く、賞味期限前でも発生する可能性がある。
異臭
カビ臭や土のようなにおいがする場合、腐っている可能性が高い。これらの異臭がした場合は廃棄したほうがよい。また、素麺はにおいが移りやすい食品のため、保存している環境によっては嫌なにおいが付着してしまうこともある。におい移りが原因の異臭の場合、傷んでいるわけではない。食べるかどうかは自己判断となる。
風味の劣化した素麺の食べ方
素麺の風味が落ちただけで傷んでいるわけではない場合、工夫次第では美味しく食べられる。ソーメンチャンプルーや温かいにゅうめんなどに調理するのがおすすめだ。
3. 素麺を保存する方法
素麺の賞味期限は、正しい保存方法を前提に設定されている。とくに賞味期限の長い乾麺を長期間上手に保存するには、適切な方法を実践する必要がある。そこで、開封前、開封後、調理後の3パターンに分けて、素麺(乾麺)の保存方法を見ていこう。
開封前の乾麺を保存する方法
開封前の場合、基本的にはそのままの状態で通気性のよい場所に置いておくとよい。ただし、木箱入りのものは密封されていないため、保存容器や袋に入れて密封した状態で保管しよう。
品質を維持するには、高温多湿を避けることが大切だ。また、直射日光やにおい移りのリスクが高い場所も避けよう。
開封後の乾麺を保存する方法
開封した場合は、冷蔵保存することで長持ちさせられる。開封後すぐに密閉できる容器や保存袋に入れ、冷蔵庫で保存しよう。湿気とにおい移りに弱いため、しっかり密封してから保存し、においの強い食品の近くに置かないことが大切だ。
調理後の保存方法
茹でた素麺は、常温保存に向かないため冷蔵か冷凍で保存する。それぞれの方法と保存期間は下記の通りだ。
冷蔵保存
冷凍保存
結論
素麺の賞味期限は乾麺、半生麺、生麺によって大きく異なる。最も賞味期限の長い乾麺の場合、3年以上保存できる商品もある。賞味期限の切れた素麺は、傷んでいないかチェックして異変がなければ食べても差し支えない。品質をできるだけ長く保つためにも、高温多湿な環境やにおい移りしやすい環境を避け、適切な方法で保存しよう。
(参考文献)