目次
- 玉ねぎ:生では硬くて辛みやにおいが強い。加熱すると辛みが抜け甘みが出る
- 新玉ねぎ:肉質が柔らかく水分が多い。辛みやにおいが弱く甘みがあり、生食に向く
1. 新玉ねぎと玉ねぎの違い

日本で生産される玉ねぎは、通年流通している。主に北海道産のものは、春に種をまき秋に収穫される。佐賀県や兵庫県、愛知県、千葉県など温暖な地域で栽培されるものは、秋に種をまき春?初夏に収穫期をむかえる。
新玉ねぎは、春に収穫される早採り玉ねぎのことを指す。しかし、春?初夏が旬の玉ねぎがすべて新玉ねぎとして出荷されるわけではない。新玉ねぎと一般的な玉ねぎとの違いは旬ではなく、出荷前のある工程の有無が関係しているのだ。
出荷までの工程
一般的な玉ねぎは、収穫後1ヵ月ほど乾燥させてから出荷される。そのため、外皮が茶色っぽく硬くなり、日持ちがよくなる。一方、新玉ねぎは早採りしたものがすぐ出荷される。そのため、外皮は薄い黄色や白っぽい色をしていて、柔らかいのが特徴だ。このように、出荷前の乾燥の有無が、新玉ねぎと玉ねぎの大きな違いなのである。
2. 新玉ねぎと玉ねぎの品種の違い

玉ねぎは外皮の色により、黄玉ねぎ、赤玉ねぎ、白玉ねぎの3種類に大きく分けられている。新玉ねぎと玉ねぎでは、品種にも違いがあるのだろうか。
品種の違いについて
貯蔵性の高い一般的な玉ねぎは、主に黄玉ねぎである。黄玉ねぎにはさまざまな品種があり、主要品種は産地により異なる。いずれも、ほとんどが「イエローダンバース」という明治時代に導入された品種から分化したものとされる。甲高種が一般的だが、肥大期間が短い扁平種もある。見た目が異なるだけで、味に違いはない。赤玉ねぎ(紫玉ねぎ)では、アーリーレッドなどが代表的な品種だ。
一方、新玉ねぎには、白玉ねぎの球の肥大が早い極早生品種や早生品種が用いられる。また、葉を残したまま出荷される葉付き玉ねぎもある。
3. 新玉ねぎと玉ねぎの味の違い

約1ヵ月間乾燥させた玉ねぎと、収穫後すぐに出荷する新玉ねぎでは、見た目だけでなく味や香り、食感にも違いが出る。それぞれの主な特徴や、相性のよい料理について見ていこう。
味の特徴
玉ねぎは加熱したほうが美味しいため、肉じゃがやカレーなどの煮込み料理や炒め物に向く。新玉ねぎは生のままスライスしてサラダなどで食べると美味しい。火が通りやすく煮ると崩れやすいため、サッと炒める程度がよい。生食や短時間の加熱調理には新玉ねぎ、長時間の加熱調理には玉ねぎというように、使い分けるのがおすすめだ。
4. 新玉ねぎと玉ねぎの保存方法の違い

新玉ねぎは玉ねぎと性質が異なるため、保存の仕方にも違いがある。一般的な玉ねぎの場合は、通気性のよい冷暗所なら常温保存が可能だ。しかし、新玉ねぎは冷蔵保存が基本となる。新玉ねぎは水分が多く玉ねぎほど日持ちしないため、早めに食べきろう。保存の仕方は下記の通りである。
保存の仕方
新玉ねぎを保存する場合は、ビニール袋に入れてから冷蔵庫で保管する。保存期間は長くて1週間となり、2~3日以内に食べきるのが望ましい。
結論
新玉ねぎと玉ねぎの最大の違いは、出荷前の乾燥の有無である。1ヵ月程度乾燥させてから出荷される玉ねぎと比べて、収穫後すぐ出荷される新玉ねぎは水分が多く、柔らかいのが特徴だ。辛みやにおいが弱く生食に向くため、加熱調理に向く玉ねぎと使い分けるとよいだろう。新玉ねぎは保存性が低いため、冷蔵保存のうえ傷まないうちに早めに食べきろう。