目次
- 見た目:凹凸が少なく全体的に丸みを帯び、表面がツルツルしている
- 味:甘みが強く、水分が少なくホクホクとした食感
- おすすめの食べ方:コロッケ、炒め物、蒸し野菜、スイーツ
- 黒皮栗かぼちゃ
- 青皮栗かぼちゃ
- 赤皮栗かぼちゃ
- 白皮栗かぼちゃ
- カロリー:78kcal
- たんぱく質:1.9g
- 脂質:0.3g
- 炭水化物:20.6g(食物繊維3.5g、糖質17.1g)
- カリウム:450mg
- β‐カロテン:3900μg
- ビタミンE:6.3mg
- ビタミンC:43mg
- 形が整っている
- 色にムラがなく
- 手にとるとずっしりと重い
- 皮が硬い
- ヘタの部分が乾いている
- 果肉の色が鮮やかで赤みを帯びている
- 肉厚で種とワタが詰まっている
- 表面がみずみずしい
- ※1出典:独立行政法人農畜産業振興機構 「今月の野菜 かぼちゃ」 https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/0811_yasai1.html
- ※2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」野菜類/(かぼちゃ類)/西洋かぼちゃ/果実/生 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06048_7
- ※3〜※5※7〜※9:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/
- ※6出典:厚生労働省e-ヘルスネット「カロテノイド」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html
1. 西洋かぼちゃとは

日本で栽培されるかぼちゃを大きく分けると、西洋かぼちゃ、日本かぼちゃ、ぺぽかぼちゃの3種類となる。かつては日本かぼちゃが主流だったが、現在は西洋かぼちゃが市場の9割以上を占めている(※1)。西洋かぼちゃとは、どのようなかぼちゃなのだろうか。
特徴と主な品種
西洋かぼちゃの特徴は、下記の通りである。
でこぼこした見た目、あっさりとした味や粘り気が特徴の日本かぼちゃとは、対照的な特徴をもつ。甘く栗のような食感から栗かぼちゃとも呼ばれる西洋かぼちゃは、主に次の4種類が日本で栽培されている。
日本で栽培される西洋かぼちゃは、ほとんどが黒皮栗かぼちゃである。代表的な品種は、「えびす」「みやこ」「味平」などだ。主に北海道産のものが多いが、鹿児島県や茨城県などでも栽培され、地域により品種や旬が異なる。国産の西洋かぼちゃは5~10月頃の温暖な時期に出荷され、11~5月頃は輸入かぼちゃが主流となる。
2. 西洋かぼちゃの栄養素

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(※2)によると、西洋かぼちゃの可食部100gあたりのカロリーと主な栄養素は、下記の通りである。
栄養素と効能
西洋かぼちゃの主な栄養素は炭水化物である。糖質が多く含まれているため、エネルギー源として役立つ。食べ過ぎると余剰エネルギーが脂肪として蓄えられてしまうため注意が必要だが(※3)、適量を摂取すれば下記の栄養素による効果も期待できる。
食物繊維(※4)
体内に吸収されない栄養素で、水溶性と不溶性に分けられる。西洋かぼちゃにはどちらも含まれるが、とくに不溶性食物繊維が多い。主に便の材料となり排便を促す働きをする。また、水溶性食物繊維とともに善玉菌のエサとなり、腸内環境の改善に役立つ。水溶性食物繊維には、食後血糖値の上昇をおさえる効果や、血中コレステロール値を低下させる効果もある。
カリウム(※5)
主に細胞内に存在するミネラルの一種で、細胞外のナトリウムと相互作用する。浸透圧の維持や水分の保持が主な働きである。余分なナトリウムの排泄を促すことから、血圧を下げるのに役立つ。
β‐カロテン(※6、7)
かぼちゃの黄色い色素成分で、強い抗酸化作用をもつ。老化や動脈硬化の予防に効果が期待できる。体内に入るとビタミンAに変換され、目や皮膚の健康維持に役立つほか、抵抗力を強める働きをする。
ビタミンE(※8)
脂溶性ビタミンで抗酸化作用があり、β‐カロテンと同様に過酸化脂質の生成を防ぐ働きをする。血管の健康を維持し、血行の促進にも役立つ。
ビタミンC(※9)
コラーゲンの生成に必要な栄養素で、抗酸化作用もある。毛細血管や軟骨などの健康維持、日焼け防止、ストレスや風邪への抵抗力を高める効果が期待できる。
3. 西洋かぼちゃの選び方と保存方法

西洋かぼちゃを購入する際は、品質のよいものを選びたい。また、最後まで美味しく食べきるには正しい方法で保存することが大切だ。そこで、西洋かぼちゃの選び方のポイントと適切な保存方法を紹介する。
選び方のポイント
美味しい西洋かぼちゃには下記のような特徴がある。
まるごとの場合
カットされている場合
保存の仕方
かぼちゃは長期保存できる野菜で、10℃前後の風通しのよい冷暗所なら常温でも1~2ヵ月ほど保存できる。
カットされている場合
・冷蔵保存
冷蔵庫の野菜室で保存する。種の部分は傷みやすいため取り除いてから、ラップで包むとよい。保存期間の目安は4~5日だ。
・冷凍保存
食べやすい大きさに切って加熱すれば、冷凍保存もできる。冷まして金属製トレーにのせ急速冷凍したものを、密閉容器に入れて保存しよう。保存期間の目安は1~2ヵ月である。
結論
西洋かぼちゃは、現在日本で生産される主なかぼちゃのことである。しっかりとした甘みとホクホクした食感が特徴で、栗かぼちゃとしても親しまれている。糖質が多くエネルギー源となるほか、食物繊維やカリウムを多く含み、抗酸化作用のあるビタミン類も豊富だ。栄養面で優れているだけでなく保存性も高い西洋かぼちゃを、ぜひ食事に取り入れよう。
(参考文献)