- 両側から胸鰭と腹鰭に沿って包丁を入れる
- 腹を上にして包丁を入れて頭を落とす
- 腹を割って内臓を取り出し、キレイに洗う
- 背鰭に両側からV字に切り込みを入れる
- 背鰭の端を包丁で押さえ、身を引っ張って背鰭を小骨ごと外す
- 同様に腹鰭をはずす
- 背鰭側、腹側、両方から包丁を入れて身をはなし、2枚おろしにする
- ※1:島根県水産試験場「とびっくす」 https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/suisan/shinkou/umi_sakana/tobics/index.data/tobics001.pdf
- ※2:厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html
1. オオモンハタとはどんな魚?
オオモンハタはスズキ目ハタ科マハタ属の魚だ。マハタの仲間ということができる。特徴的なルックスから、その名が付けられ、漢字では大紋羽田、英語ではAreolate grouperと呼ばれている。ここではまず、オオモンハタの基礎知識を身につけていこう。
オオモンハタの特徴
オオモンハタは、ハタのなかでも小型に分類される魚だ。体長は30cm前後、1kg前後のものが一般的である。全体的に褐色の斑紋で覆われているところが特徴で、この見た目から大紋の名がついたといわれている。国内で広く漁獲されるが、西日本が中心。ハタ類なので背鰭や尾鰭に棘がある。
高知県ではイギス、鹿児島県ではゴマアラの名前で親しまれている。
オオモンハタの味
オオモンハタは、ハタの中では脂が少なく、さっぱりとした味。新鮮なものは、もっちりとした食感が楽しめるので刺身にもおすすめだ。ほかのハタ系の魚同様、少し寝かせた方が味がよくなるとされているが、これは漁船で脳〆、神経〆、血抜きなどを適切な処理を行った場合にのみ、できること。すなわち、プロの技ということになる。知識のないまま行うのは危険が高いので、避けた方がよさそうだ。
オオモンハタとキジハタは同じ魚?
オオモンハタとキジハタは別物である。
キジハタはオレンジ色の斑紋が浮き上がる魚で、九州地方ではアコウの名称で親しまれている。こちらもオオモンハタ同様、市場にはあまり出回らないが美味しい高級魚である。
2. オオモンハタの値段の目安
オオモンハタが市場に出回ることは非常に少ない。このため、価格の目安をとらえることは難しいが、総じて40cm・1kgくらいの大きさで3000~4000円くらい。普段食べるシャケやサバに比べると高級魚であることがわかる。ただ同じハタの仲間であるクエやマハタに比べると手に入れやすい価格といえるだろう。
3. オオモンハタを料理しよう
もし、運よくオオモンハタを手に入れることができたときに焦らぬよう、ここでは捌き方や食べるときの注意点についてまとめていきたい。
オオモンハタの捌き方
オオモンハタは、鱗が深くに埋まっていることがあるのでその場合は、皮ごとそぎ切りにしてもいいだろう。ハタなどの根魚は骨が硬いので、一般的なおろし方では歯が立たない。手を切らないよう注意しながら行おう。
寄生虫や食中毒の注意
オオモンハタをはじめ、ハタ類にも寄生虫がつくことがある。
イカリムシ
体表につく寄生虫で、黒いヒモのように見える。食べられないわけではないが見た目が悪くなることから、価格下落の一因になっている。頭部を錨のように体表に食い込ませて寄生するのが特徴だ。(※1)
アニサキス
近年、食中毒被害の中心になりつつあるのがアニサキスだ。ハタ類にも寄生することがある。アニサキスは線虫の一種で、幼虫が魚の内臓に寄生する。その魚が死ぬと徐々に筋肉に移動し、それを人間が食べるとひどい腹痛や嘔吐など、食中毒を引き起こすこととなる。新鮮な魚を選び、目視で取り除く。-20℃で24時間以上冷凍するなど、細心の注意を払う必要がある。(※2)
4. オオモンハタのおすすめの食べ方
オオモンハタは、高級魚ハタの中では比較的手に入れやすい魚である。ここではおすすめの食べ方について言及していこう。
オオモンハタの刺身
身が崩れやすいのが難点だが、オオモンハタは刺身にするとその美味しさがよく味わえる。弾力があり、噛むたびに甘みと旨みを味わうことができる。湯引きや皮を焼霜造りにしても旨い。
オオモンハタの煮付け
オオモンハタは煮付けにしても旨い。とくに頭を煮付けにするのがおすすめだ。ゼラチン質の皮は、クセになる美味しさだ。
オオモンハタのポアレ
オオモンハタは、洋食にも向いている。旨みのある身とプリプリの皮の両方を味わえるよう、皮付きで調理するのがおすすめ。
5. オオモンハタの釣り方
近年、ハタの中でもコツを掴めば釣れると人気を集めているのがオオモンハタだ。オオモンハタを狙えるのは、水温が上がる夏。岩礁帯に生息しており、陸釣りでも船釣りでも釣れることがある。仕掛けはルアー釣りでも餌釣りでもOK。雰囲気としてはシーバス釣りと似ているという人も。
結論
オオモンハタは、ハタのなかではリーズナブルに楽しむことができる魚である。ハタ特有の旨みをしっかりと味わうことができるので、見かけた際はぜひトライしてみて欲しい。近年は釣り人にも人気があるので、釣りをする人は狙ってみるのもおすすめ。寄生虫に注意をして美味しくいただきたい。
(参考文献)