目次
- ※1〜※4:文部科学省 食品成分データ https://fooddb.mext.go.jp/
- ※5※7:農林水産省 https://www.maff.go.jp/
- ※6※8〜※12:公益財団法人長寿科学復興財団 https://www.tyojyu.or.jp/
1. ナマコはカロリーが低い食材

海鼠(ナマコ)は、ナマコ類に属する棘皮動物を指す言葉である。その種類は1500以上あるといわれているが、一般的には食用になるマナマコを指すことがほとんどだ。ここではナマコ、そしてナマコの内臓の塩辛・このわたのカロリーについて解説をしていこう。
ナマコ100gのカロリー
100gあたり/22kcal
1尾160gあたり/35kcal(※1)
ナマコは低カロリー食材として知られる存在である。刺身や酢の物にして食べることが多く、油分などが加わることがないので、ほぼこのカロリーで食べることができる。
帆立貝
100gあたり/66kcal(※2)
鯖
100gあたり/211kcal(※3)
ほかの魚貝類に比べてもナマコのカロリーの低さは見ての通りだ。
このわたのカロリー
ウニ、からすみと並んで日本の三大珍味に数えられるこのわたは、ナマコの内臓の塩辛である。ナマコのなかでも赤ナマコの内臓で作られるのが一般的である。酒のアテとしては一級品の味わいである。
このわた100gあたり/54kcal
塩辛なので塩分が強く、100g食べることはないので、こちらも低カロリーといえるだろう。
ナマコの酢の物のカロリー
ナマコ料理といえば、酢の物がもっともポピュラーといえるだろう。酢の物なので油分がなく、こちらも非常にヘルシー。
ナマコの酢の物100gあたり/50kcal
ナマコの酢の物1食分(50g)/25kcal
ダイエット中でも安心して食べられるカロリーだ。
2. ナマコはカロリーが低いが体に悪い?

ナマコが、低カロリー食材であることはお分かりいただけただろう。ダイエットに取り入れたい!そんな人もいるかもしれない。しかし一方で、ナマコは体に悪いという噂もある。ここではその真相に迫っていこう。
体に悪いといわれる理由
ナマコが体に悪いといわれる原因は、その味付けにある。ナマコをそのままで食べることは少なく、醤油やポン酢など、何か味付けをすることとなる。その味付けが塩分過多を招く危険性が。とくに塩辛であるこのわたは、注意が必要である。
塩分の摂りすぎは、高血圧をはじめ、さまざまな病気の引き金になりかねない。注意が必要である。(※5)
ナマコを食べると太るって本当?
どんな食品でも摂り過ぎれば、肥満になる。カロリーが低い上、さほどポピュラーな食材ではないので、たらふく食べるほど手に入れるのが難しいため、ナマコを食べて太る可能性は低いといえるだろう。
3. カロリーだけじゃない!ダイエットに嬉しいナマコの栄養素

ナマコはカロリー面から見るとダイエットに向いている食材といえるだろう。しかし、ナマコが注目をあびるのは、低カロリーという一面だけにとどまらない。ここではナマコの秘めたる栄養素について学んでいきたい。
アミノ酸
ナマコに多く含まれているアミノ酸は、タンパク質を構成する有機化合物のひとつで、我々の生命維持に欠かすことのできない存在である。アミノ酸には、必須アミノ酸と非必須アミノ酸が存在する。
タンパク質は筋肉を構成する要素でもある。筋肉が増えると代謝が上がることから、ダイエット向きということができる。(※6)
タウリン
ナマコに含まれているタウリンは、血中のコレステロールや中性脂肪を減らす効果がある。(※7)
ビタミンB12
ナマコにはビタミンB群が豊富に含まれている。ビタミンB群は糖質の代謝を助ける栄養素なので、ダイエットにも欠かすことができない。(※8)
サポニン
ナマコにはサポニンが含まれていることが、最近明らかになり注目を集めている。サポニンは天然の界面活性剤との別名を持つ成分で、抗酸化作用、免疫向上、肥満防止など、さまざまな効果が期待されている。(※9)
ヨウ素
ナマコに含まれるヨウ素は、甲状腺ホルモンの主成分である。甲状腺ホルモンは基礎代謝の促進だけでなく、脂質代謝にも深く関与しているダイエットに効果が期待できる栄養素だ。(※10)
コラーゲン
ナマコはコラーゲンで覆われているという。あのプルプルとした食感は、コラーゲンによるところも大きい。コラーゲンは、体内で一度アミノ酸に分解されるため、食事から摂取してもそのまま吸収されることはない。ただ、バランスのよい食事がダイエットに効果的であるという点からみると、コラーゲンに摂取も必要になるといえるだろう。
マグネシウム
ナマコにはマグネシウムが含まれている。マグネシウムは、骨の合成に欠かすことのできない栄養素であり、カルシウムと拮抗して血圧を下げる効果もある。(※11)
カルシウム
ナマコに含まれるカルシウムは、前述の通りマグネシウムと拮抗して血圧を下げる効果や、骨や歯を丈夫に保つのに欠かすことのできない栄養素である。成人に不足気味の栄養素とされており、一部では脂肪代謝にも関与している可能性が示唆されている。(※12)
結論
ナマコは見た目の印象とは裏腹に、非常に多くの栄養を含む食材である。その上、カロリーも低いのでダイエット向きの食材のひとつといえるだろう。ただし、大量に食べると塩分過多などの危険性も。適度にバランスのよい食事を心がけるというダイエットの基本を念頭に、ナマコを取り入れるといい。
(参考文献)