目次
1. グレとメジナは同じ魚!

グレは東日本ではメジナ、九州ではクロと地域によって呼び名の変わる魚である。鮮魚売り場に並ぶことはほとんどないが、実は美味しいとされ、釣り人の間ではクチブトの別名で親しまれている。ここではまず、グレが一体どんな魚かを解説していこう。
グレの特徴
グレはスズキ目スズキ亜目メジナ科メジナ属の魚である。釣った直後は灰色がかった青緑色だが、死後、時間経過とともに全体的に黒っぽくなる。通年漁獲されるが、冬から産卵期にかかる春先が最も美味しいとされる、いわゆる旬の時期である。大きさは30~40cm前後のものが多い。
チヌと混同されることもあるが、こちらはクロダイのことなので異なる魚である。
グレの味は美味しい?まずい?
グレはメジャーではないものの食べられる魚である。身は淡白な白身で、ほどよく脂が乗っており、弾力のある食感を楽しむことができる。ただし季節によって餌を変えることから、味わいに違いがあるとされている。夏場はカニやエビなど甲殻類、冬場は海藻を食べる。より美味しいとされているのは、海藻を食べている冬から春先にかけてだ。
グレの値段の目安
前述の通り、グレは一般的なスーパーや鮮魚店で見かけることは稀。そのため、手に入れるには自分で釣るか、取扱のある漁港を訪れる必要がある。また少ないながら、通販での扱いもある。
価格はまちまちだが、1尾500g程度で1500~2500円ぐらいのものが多いようだ。
2. グレの美味しい食べ方

新鮮なグレは、とても美味しい魚だといえる。一般的な魚料理であれば、どんな調理法で食べても旨い。ここからはそのなかでもおすすめのグレの食べ方をご紹介していこう。
グレの刺身
鮮度のいいグレは、刺身にするとむちっとした食感と旨みを同時に楽しむことができる。好みの厚さのそぎ切りにするだけでOK。また皮と皮の下にある旨みを存分に味わいたい場合は、皮目をバーナーで炙るといい。皮をしっかりと炙るのが美味しく食べるコツ。
ただし、グレにはアニサキスが潜んでいる可能性もある。一度冷凍したものであれば、死滅している可能性が高いが、生のものは危険度が高め。生食する場合は、目視でしっかり確認するなどの工夫が必要である。
グレの鱗焼き
グレをまるごと焼く場合は、鱗をつけたまま焼くといい。こうすると蒸し焼き状態になり、より旨みが増す。食べるときは、焦げ付いた鱗ごと皮を剥がすといい。
グレの鍋
グレの淡白な味わいは、鍋にもぴったり。とくにおすすめはしゃぶしゃぶ鍋だ。酒と出汁を効かせたつゆの中で、グレを泳がせてポン酢につけて食べるのがおすすめ。
アラがある場合は、アラ鍋にするのもよい。熱湯をかけ、氷水で冷やしながら汚れや血合いを落としてから使うと臭みが出にくい。
グレの煮付け
関西ではグレは煮付けにして食べるのが一般的。グレは身がしっかりしているので、味付けを濃いめにするのがおすすめだ。酒、みりん、砂糖、醤油に生姜を入れるとぐっと味が締まる。
グレの唐揚げ
グレの身は揚げるとぎゅっと締まり、まるで肉のような食感になる。酒と醤油、生姜で下味をつけておいたものに片栗粉をつけて揚げるだけ。市販の唐揚げ粉を使ってもいい。
3. グレの釣り方のコツ

グレは、釣り人に愛される魚の1種でもある。というのも鋭く強い引きがあり、コマセと呼ばれる撒き餌への反応がいいため、ゲーム性を楽しむことができるのである。
グレのフカセ釣り
グレは堤防や磯から竿を下ろして釣るのが一般的。海底にいるグレをコマセで釣りやすいところまで引き上げて、釣る。ポイントは仕掛けを水平方向に流すこと。潮に乗せて流しながら、魚にハリを食べさせるのだ。仕掛けを投げて手前に引きながら釣るルアーや投げ釣りとは異なるところに注目したい。
結論
グレはメジナ、クロと同じ魚で、西日本での呼び方だ。スーパーで見かけることは少ない魚だが、実際に食べてみると淡白な味わい&むっちりとした食感で美味しい。ゲーム性のある釣りが楽しめることから、釣り人からも人気が高い。上記の料理以外にも洋食や中華にも合うので、見かけたら一度食べてみてほしい。