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水中の白いモレイウナギ

海のギャング・ウツボの味は実は美味しい!おすすめ料理と捌き方

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤井千晃(ふじいちあき)

鉛筆アイコン 2022年7月 1日

食物連鎖の上位として不動の地位を誇ることから、海のギャングとも呼ばれる「ウツボ」。水族館などで目にしたことがある方も多いであろうウツボ、実は食べられるのをご存じだろうか?今回の記事では、ウツボの基本知識や食べ方、飼うための方法まで幅広くまとめていく。ウツボについて詳しく知っておきたい方は参考にしてほしい。

  

1. ウツボとはどんな生物?

モレイウナギ
ウツボは漢字で書くと魚へんに右側は「単」の旧字体を示す。英語では「moray」や「moray eel」などと称されている。名前の由来は腰や肩などにかけて矢を持ち運ぶ入れ物である靭(うつぼ)に形が似ているという説や、空洞を指す言葉である「うつほら」のような岩穴に潜む習性から名付けられた説などがあるようだ。

ウツボの特徴

グロテスクともいえるようなどう猛な見た目と鋭い歯をもつウツボは、「硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区カライワシ下区ウナギ目ウツボ亜目ウツボ科ウツボ亜科ウツボ属」に分類される海水魚だ。暖かい海域に生息しており、名前の由来ともなった細長く筒状の身体は、長いもので4mにもなる。魚や甲殻類を食べ、自らの住む海域での天敵はほとんどいない。
皮膚呼吸ができるため、陸に上がってもしばらくは活動ができる。見た目に反して意外と臆病な性格の持ち主で、攻撃などを加えない限り襲ってくることはない。しかし、歯やあごは、指などが噛み千切られてしまうほど強力だ。

ウツボは食べる地域もある

なかなか恐ろしい見た目をしているウツボだが、実は高知県や徳島県、伊豆半島や紀伊半島など一部の地域ではウツボを食用としている。その味は見た目とは異なりあっさりと淡白で、食通をもうならせるほど美味しいといわれているのだ。ただし骨が多く調理は難しいとされるため、捌くのは少し労力がいる。

ウツボの種類

ウツボの種類は世界中で200種類程度確認されている。中には毒をもつ種類もおり、日本でも南西諸島辺りに住む「ドクウツボ」は、下痢や嘔吐、麻痺などを引き起こすシガテラ毒を含んでいるため、やみくもにウツボを食べることはさけよう。(※1)

2. どんな料理がある?ウツボの食べ方

ヒラメのお刺身
次に、ウツボを美味しく食べるための料理について見ていこう。

ウツボの刺身

ウツボ本来の美味しさを味わいたい方におすすめなのが、ウツボの刺身だ。ほんのりと甘く旨みがあり、弾力があるのが特徴。新鮮なものであれば、身だけでなく頭にあるコブや肝、皮もすべて美味しく食べられる。

ウツボのたたき

ウツボ料理の王道ともいえるのが、うつぼのたたきだ。3枚に下ろしたウツボの皮目をあぶり、骨抜きをしたあとに薄く切って、ネギなど好みの野菜や薬味、ポン酢で食べる。ゼラチン質をもつ皮の食感のよさと身の甘みにポン酢が合わさり、病みつきになる美味しさだ。

ウツボの唐揚げ

たたきと同様3枚に下ろしたウツボに片栗粉をまぶしてカリッと揚げる。香ばしさと皮目のねっとりとした食感、身の甘さを感じられる料理だ。骨も気にせず食べられ、まるでスナック感覚で手が止まらなくなるだろう。

ウツボの煮つけ

こちらもウツボ料理の定番といわれる煮つけ。家庭では、刺身やたたきで使わなかった骨つきの身を煮ることが多いようだ。適当に切った身を湯通しし、ぬめりを流してから甘辛く煮る。ごはんに合い、皮目の旨さが際立つ。

3. ウツボの下処理と捌き方

魚を捌く
ウツボが売られているのを見る機会は多くないだろうが、海近辺や新鮮な魚を取り扱う魚屋などでは1匹まるごと手に入ることもある。ここではウツボの下処理や捌き方についてまとめて見ていこう。
まずは、ゴム手袋を着用してウツボを覆うぬめりを落とす下処理が必要だ。かなり強いぬめりなので、たわしを使ってゴシゴシと力強くこすってキレイに洗い落としていく。ウツボに触るときには、鋭い歯に触れてケガをしないよう気をつけよう。こするのが面倒という場合には、塩をもみこむだけでもぬめりをかなり取り除くことができる。
ここからは捌く工程に入る。ウツボはゴムのような皮なので、よく切れる包丁を使うとよい。
1.ウツボの頭を包丁で落とす
軍手やゴム手袋をすると滑らず調理を進めやすいだろう。
2.お腹を割く
落とした頭の方向から尻尾に向かって包丁を入れていこう。内臓まで割くと臭みの原因となってしまうため、内臓に触れないよう慎重な作業が必要だ。
3.背びれを取る
頭のほうから背びれの片側に包丁を入れ、付け根にある骨に沿って尻尾まで捌く。片側が終わったら逆側の背びれから包丁を入れ、背びれと付け根にある骨を取り除こう。
4.半身を切り取る
中骨に沿って少しずつ包丁を入れていく。骨が硬いため、注意して捌く必要がある。
5.半身から中骨を取る
頭から尻尾まで中骨周辺に包丁を少しずつ入れたあと、中骨と半身の間に包丁を入れて切り取ろう。
ウツボは骨が多い魚であるため、捌き終わったあと刺身やたたきにする場合には骨抜きが必要になる。そいだり、ピンセットのような骨抜きを使用したりしてしっかりと時間をかけて骨抜きをしよう。

4. ウツボがかわいい!飼育方法

ウツボ
ウツボは一見恐ろしい見た目だが、一方でまるく小さな目やぽっかりと空いた口をかわいいとする声もあるようだ。その証拠にデフォルメされたかわいらしいウツボのぬいぐるみなども多数販売されている。またカップルになると1ヶ月以上一緒に過ごすなど、求愛に関する行動でも注目を集めた。そんなウツボ、実はペットとして飼うことができる種類もいるのだ。実際に飼っている方のなかには、草に絡まったり口についたエサがとれず右往左往したりといった微笑ましいウツボの様子を、イラストで発信している方も。ちなみに実際にウツボを飼育するときは、以下のものが必要になる。
  • 大きめの水槽(小型のウツボであれば60cm、通常の大きさのウツボであれば180cm規格以上)
  • 水槽のふた
  • 土管などの隠れる場所
  • 底砂(あれば)
  • 水槽用ヒーター(冬場)
  • エサとなるエビや小魚
水温は1年じゅう25~30℃の間で保つようにするとよい。水槽は、ろ過能力が安定しているオーバーフロー水槽がおすすめだ。エサはオキアミや小魚、冷凍エビなど数種類を用意して、1~3日に1回・食べる量だけ、ローテーションで与えるようにしよう。

結論

ウツボは、その見た目からは想像できない美味しさをもつ魚であることがわかった。「自分で捌くのは難しいけれど食べてみたい」という方は、郷土料理として提供している飲食店などに足を運ぶとよいだろう。またウツボの顔に愛きょうを感じた方は、飼育することを検討してみてはいかがだろうか?
(参考文献)
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  • 更新日:

    2022年7月 1日

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