- カレイに対して包丁を立てるようにし、尾から頭に向かってこすりながら鱗とぬめりを取り除く。
- 片側が終わったら、反対側も同様に行う。
- 両側の鱗とぬめりを取ったら、水洗いして水気をふき取る。
- 頭を左側に向けて置き、エラの形に沿って胸ヒレから切れ目を入れる。
- 今度は頭を右側に向けて置き、4に入れた切れ目からくの字になるように切れ目を入れる。
- するとカレイの頭が取れる。このときに内臓も一緒に出てくるので、破れないように丁寧に引っ張り出そう。
- 残った内臓や血合いを手で取り出し、中をキレイに水洗いする。
- まずは表側(背中側)から。カレイの尾を上側にして置き、尾から頭まで背ビレに沿って切れ目を入れる。
- カレイを上下逆さまにして、背ビレに沿って今度は頭から尾に向かって切れ目を入れる。
- 真ん中にある中骨に沿って尾から頭まで切れ目を入れる。カレイの身は締まりが悪いため、切りにくい。ケガをしないように注意しながら切れ目を入れていこう。
- 頭を上側に置き、中骨に沿って尾に向かって身を切り取っていく。
- 上下逆さまにし、尾を上側にして置く。同様に中骨に沿って、頭の方に向かって身を切り取っていこう。ここまでの工程で、表側(背中側)の身の切り取りは完了だ。
- 続いて、カレイを裏側(腹側)にし、頭を上にして置く。
- 背ビレに沿って右側に切れ目を入れて、上下逆さまにし反対側にも切れ目を入れる。
- 両側に切れ目を入れたら、中骨に沿って中心部分に切れ目を入れよう。
- 表側(背中側)と同様に、包丁の先を使い中骨に沿って何度も線を引くようにして身を切り取っていく。
- 両側の身を切り取れば、カレイの5枚おろしの完成だ。
- まずは、えんがわを切り取る。包丁の先を使い、少し身が残るようにしながら行うことがポイント。慎重になりすぎず包丁を滑らすように切り取ると、身が崩れにくくキレイな刺身になるので試してみてほしい。
- 皮をすこしはがして、その皮を指で押さえながら身と皮の間に包丁を入れる。
- 包丁の角度を変えずに、上下に動かして丁寧に皮を切り取ろう。えんがわにも皮が付いているので、忘れず取っておく。
- 身の中心部にある小骨や腹骨を削ぎ取り、好みの大きさに切ればカレイの刺身のできあがり。
1. カレイはお刺身で食べられる?
カレイを刺身で食べたことがある方は少ないのではないだろうか。カレイの刺身をスーパーや魚屋などで販売しているのも、ほとんど見たことがないだろう。そこでまずは、カレイは刺身で食べることができるのかどうかを解説していこう。
カレイは刺身でも食べられる
あまり出回っていないが、カレイは生の刺身でも食べることができる。ただし、一般的にあまりカレイの刺身を見かけないのには理由があるのだ。
味はヒラメの刺身より味が落ちる
カレイによく似た見た目のヒラメは、刺身やお寿司でもよく見かける。カレイはそんなヒラメに比べると味が落ちるのだ。まず、カレイはヒラメに比べて運動量が少ないため、身に締まりのない柔らかい肉質となっている。すると、刺身で食べたときにヒラメはコリコリとした食感になるのに対して、カレイはフニャフニャとした歯触りの悪い食感になるのだ。また、カレイの刺身は非常に淡泊な味で、ヒラメよりも味が薄い。こういった理由から、カレイの刺身は食べることはできるが、あまり出回っていないのだ。
カレイの刺身は寝かせると美味しい
魚は釣ったばかりの新鮮なものよりも、寝かせて熟成させることによりタンパク質が旨み成分に変わるため美味しくなる。これは、カレイの刺身を食べるときも同じだ。ただし、熟成させるときに内臓や血が残っていると細菌が繁殖しやすくなってしまうため、新鮮なうちにきちんと締めて、全身に悪い血が回る前に血抜きをすることが重要。カレイのような白身魚は数日寝かせても大丈夫なので、2、3日~長ければ5日ほど、好みに合わせて熟成させよう。
また、カレイの刺身をすぐに食べきれない場合は昆布締めにするのもおすすめ。昆布締めしたカレイの刺身は、昆布の風味で旨みが増し、ほどよい粘りと弾力が出る。さらに昆布が刺身の水分を吸うので、日持ちさせることができるのだ。
また、淡泊な味のカレイの刺身は、カルパッチョにしても美味しく味わえるだろう。好みのレシピを見つけて、カレイの刺身を味わってほしい。
下処理すれば臭みは気にならない
カレイは、魚特有の臭みが強い魚だ。この臭みは内臓や皮に原因があるので、下処理をしっかりと行おう。下処理さえきちんとすれば、臭みは気にならなくなる。
2. カレイの刺身は寄生虫アニサキスの危険がある
カレイの刺身を食べるときには、魚介類に寄生するアニサキスという寄生虫がついている可能性があるので注意が必要だ。アニサキスが寄生している魚介類を生の刺身で食べてしまうと、「急性胃アニサキス症 」や「急性腸アニサキス症」といった腹痛・下痢・嘔吐などを引き起こす症状を生じてしまう(※1)。アニサキスは鮮度が悪いカレイに寄生しやすいので、刺身として食べるときは鮮度のよいカレイを使うようにしよう。また、カレイを締める前に内臓を取り除くことや、マイナス20℃以下で24時間以上冷凍することがアニサキス寄生の対策になる。
3. 刺身向きのカレイの種類
実はカレイは、食用だけでも30種類以上ある。一口にカレイといっても、種類によって味や特徴、向いている食べ方はそれぞれ違うのだ。そこで、刺身向きのカレイの種類を紹介しよう。
「カラスカレイ」は、スーパーでもよく見かける種類のひとつだ。名前の通り、見た目はカラスのように真っ黒。やや細長いひし形に近い形をしている。脂が非常に強く身が柔らかいのが特徴で、ムニエルや焼き魚にして食べるのがおすすめ。
夏の魚で、活魚は超高級魚とされている「イシガレイ」は、身体の表面に鱗のないカレイだ。脂がのっており、旨みが強くほどよく弾力があるのが特徴。活魚であれば、刺身にして食べるのがおすすめの種類だ。
また、ほかのカレイと比べて厚みがあることが特徴の「マコガレイ」は、夏になると脂がのり、とくに美味しくなるといわれている。マコガレイの身は淡泊でクセがなく、柔らかいため刺身に向いているのだ。あっさりとした中にも甘みがあり、絶品だといわれている。
4. カレイの刺身の作り方
最後に、カレイの下処理とさばき方、刺身の切り方について解説していこう。
カレイの下処理方法
このとき、タオルなどで頭の部分を押さえながら行うと、処理しやすい。また、金タワシを使うとより簡単でキレイに鱗とぬめりが取れるのでおすすめ。
カレイの内臓部分には寄生虫のアニサキスがいる可能性があるので、目視でしっかりと確認しながら丁寧に下処理を行うことが大切だ。
カレイのさばき方
このとき、包丁の先端部分を中骨に沿って、何度も線を入れるように少しずつ切り取ろう。
カレイの刺身の切り方
結論
鮮度が高いカレイは、刺身にしても美味しく食べることができる。下処理やさばき方も、正しい手順で行えば意外と簡単にできるだろう。カレイや刺身が好きという方は、今回の記事を参考に、ぜひカレイの刺身に挑戦してみてほしい。
(参考文献)
※1出典:運営元:厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」