1. おにぎりの消費期限
まずはそもそもおにぎりの消費期限が一体どのくらいなのかについて、まとめてみていこう。
コンビニおにぎりの消費期限
昨年、大手コンビニチェーンのセブンイレブンジャパンが、これまでのおにぎりの消費期限(18時間)を36~48時間、およそ1日半~2日に延ばすことを発表した。これは食品ロス削減の一手で、あわせて製造方法や配送温度の見直しも行われたという。
スーパーや大手コンビニなど、おにぎりが置かれている店で確認してみると、作られてから2日以内の消費期限が記載されている。
手作りおにぎりの消費期限
コンビニのおにぎりと比較すると消費期限が圧倒的に短いのが手作りおにぎりだ。コンビニのおにぎりは厳しい衛生環境チェックをクリアした場所で作られている。これに対し、家庭のおにぎりはコンビニほど衛生環境に気を遣っているわけではない。このため、消費期限が短くなるのだ。
適切な環境で保存されているという条件をクリアしていても、手作りおにぎりの消費期限は半日ほどになる。
2. 消費期限切れのコンビニおにぎりは食べられる?
食べるタイミングを逃して、消費期限が切れてしまった...そんなこともあるだろう。実際に、消費期限が切れたおにぎりは食べることができないのだろうか?ここではその裏側を探っていく。
そもそも消費期限とは
消費期限とは、傷みやすい食品につけられる表示である。期限を過ぎたら食べないほうがいいというのが基本である。対して賞味期限は美味しく食べることができる期限のことで、期限を過ぎたからすぐ食べられなくなるというものではない。
消費期限はおにぎりをはじめ、お弁当、サンドウィッチ、惣菜、生のケーキなど傷みやすい食品につけられ、賞味期限は加工食品などにつけられる。
販売される加工品には消費期限か賞味期限、どちらか一方のみの表示が義務付けられている。(※1)またこれらの期限は、表示された保存方法をきちんと守って保存されており、なおかつ未開封の場合に適応される期限であることも覚えておきたい。
コンビニの消費期限や販売期間は短めに設定
そもそも安全性を考慮して、コンビニのおにぎりは消費期限が短めに設定されている。さらに、消費期限が切れる数時間前に棚から撤去するのが基本である。消費期限が切れたものは販売できないようにバーコードが読み込めないなど、システム上も工夫をされていることが多い。
消費期限切れ翌日なら食べられることが多い
前述の通り、コンビニのおにぎりの消費期限には猶予があるため、消費期限が切れてもすぐ食べられなくなるわけではない。菌が繁殖しにくい冷蔵保存なら、翌日くらいまでは食べられるケースが多い。
ただし、消費期限は期限を過ぎたら食べない方がいい期限であることが大前提なので、これで体調を崩したとて、責任をとってくれる人はいない。また、場合によっては腐っていることもあるので、消費期限切れから何日という日時だけでなく、しっかりと目や手、臭いを確認してから食べることも重要だ。
常温保存で大丈夫?
食品が食べられなくなる=腐敗は、細菌の繁殖によって引き起こされる。このため、細菌ができるだけ繁殖しないような環境を整えることが重要である。細菌が繁殖しやすい20~40℃は、まさに常温、室温だ。(※2)
おにぎりの品質表示には、直射日光および高温多湿を避けて保存するよう記載されている。このことから考えると消費期限内でかつ、一定の状況下であれば常温保存も可能である。しかし、消費期限を過ぎたものの常温保存はおすすめできない。
また、夏場はとくに高温多湿になりがちなので、消費期限内でも冷蔵保存が安心である。さらに、ツナマヨやいくらなど、腐敗しやすい具材を使用しているものは、さらなる注意が必要である。
3. 消費期限切れで食べられないおにぎりの見分け方
消費期限切れのおにぎりは、食べないことが大前提である。ただし、翌日くらいであれば食べれることも多い。食べる際には、以下の注意点をしっかりと確認することが重要だ。
見た目
おにぎりが腐敗すると米がねばねばとすることがある。糸を引いている場合は要注意だ。またカビが生えている場合も食べてはならない。
味
おにぎりが腐敗すると酸っぱい味わいに変化する。いつも以上の粘りを感じた場合も腐敗の可能性があるので、食べないこと。
臭い
カビ臭かったり、いつもとは異なる臭いがする場合も腐敗が進んでいる可能性が高い。この場合も食べないようにしよう。
4. 手作りおにぎりの消費期限を延ばすコツ
手には多くの細菌がついている。このため、手で握ったおにぎりはどうしても腐敗しやすい。梅雨時のお弁当などは、とくに消費期限を延ばす工夫をするといい。
ラップで握る
手で握らないとそれだけでも、細菌の付着を防ぐことができる。おにぎりの型を使ったり、ラップを活用して握る工夫をするといい。
傷みにくい具材を選ぶ
火を通していない生物は、どうしても腐敗が進みやすい。またマヨネーズも同様だ。昆布や梅干し、しっかりと焼いた鮭などは、比較的安心だ。
結論
おにぎりの消費期限は、手作りよりはコンビニの方が長い。またコンビニのおにぎりは消費期限が短めに設定されているので、切れたからといってすぐに食べられなくなるものではないようだ。ただし、「消費期限を過ぎたものを食べることは推奨されていない」というのが大前提なので、できるだけ消費期限内にいただくことが重要である。
(参考文献)
※1※2:厚生労働省