- ※1.厚生労働省乳及び乳製品の成分規格等に関する省令「第2条20」P.2 https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000515092.pdf
- ※2.小学館日本大百科全書「アイスクリーム」
1. 氷菓子とはどんなお菓子のこと?
氷菓子の読み方は「こおりがし」である。氷菓子とは具体的にどんなものを指すのだろうか。氷菓子の意味について紹介する。
アイスやかき氷など凍らせたお菓子の事
氷菓子を百科事典で検索すると、クリームやミルク、果物の果汁に砂糖を加えて凍らせたものという定義になっている。アイスクリーム、アイスキャンディ、シャーベットなどを指す。大正時代の終わりごろに、東京の夜店で供された氷菓が氷菓子という名の由来という説もある。英語では、氷菓子はアイスキャンディーと解釈されて「popsicle」「ice-lolly」などの名称で呼ばれている。
和菓子には寒氷というお菓子がある
氷菓子に似て非なるものが、日本には存在する。それが寒氷菓子である。「かんごおり」と読む寒氷菓子は、寒天を固めて作る半生菓子のことである。糖化した表面が氷を連想させることから、寒氷の名がある氷菓子ではない。とくに金沢の名店として知られる豆半の寒氷は有名である。
2. 氷菓子の種類一覧
一口に氷菓子といっても、種類によって名称は異なる。日本における現行の法規では、乳成分が入っているものとそうでないもので区別する傾向がある。ここでは氷菓子の種類について説明する。
アイスクリーム
氷菓子のなかでも最もメジャーなタイプ、それがアイスクリームである。厚生省の食品衛生法規によれば、アイスクリームとは「乳を主原料にし凍結したもので乳固成分が3%以上のもの」と定義されている。(※1)また大百科全書によれば、アイスクリームは乳固形分が15%以上、乳脂肪分が8パーセント以上のものである。(※2)アイスクリームにはハードタイプとソフトタイプがある。ソフトタイプの代表はソフトクリームであり、ハードタイプはスティックやカップ、最中の形状で販売されることが多い。
アイスミルク
あまり口にすることのないアイスミルクであるが、こちらも定義がある。アイスミルクは、乳固成分が10%以上で、乳脂成分が3パーセント以上のタイプを指す。よく知られたアイスミルクとしては雪見だいふくがあげられる。
ラクトアイス
ラクトアイスという言葉も一般的にあまり普及はしていないが、身近にはラクトアイスの範疇にある商品はたくさんある。ラクトアイスは乳固形分が3パーセント以上のタイプを指す。明治製菓が販売するロングセラーであるスーパーカップは、ラクトアイスの代表例である。
氷菓
氷菓は氷菓子の別称であるが、日本では乳固形分や乳脂肪を含まない菓子を法規において氷菓と呼んでいる。ミルクの成分を感じるアイスクリームではなく、氷を固めたり粉砕して味をつけたものが氷菓と呼ばれる傾向がある。
3. 世界の氷菓子の種類
アイスクリームや棒アイスなどが巷にあふれている日本では、氷菓子を食べる機会は多い。それでは、世界の国々にも氷菓子はあるのだろうか。美食の国の氷菓子について例を見てみよう。
フランス料理の氷菓子
美食の国代表フランスには、いくつかの氷菓子がある。ソルベやグラニタと呼ばれる氷菓子は、シャリっとした食感が特徴である。日本ではシャーベットとされるデザートと似ているが、かき氷のように粗めに削られたの氷とほどよい溶け具合が魅力的な氷菓子である。コース料理の口直しに供されることも多い。日本だけではなく世界中にある氷菓子、夏のおやつとして大いに楽しんでほしい。
イタリア料理の氷菓子
イタリアの氷菓子といえばジェラートである。イタリア半島には古代から雪を使った氷菓が存在しており、果汁やはちみつを雪に絡めたその氷菓は現在はグラニータとして残っている。レモンやコーヒー風味が人気である。氷菓に牛乳を加えるジェラートは17世紀ごろから普及し、現在も氷菓子のひとつとして世界中で絶大な人気がある。
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韓国の氷菓子
韓国には21世紀に入って登場した氷菓子がある。それがソルビンである。韓国に古来存在したかき氷ときな粉餅を組み合わせて登場したソルビンは、削った氷にきな粉やアーモンドをトッピングしてつくる新感覚のスイーツである。アイスクリームやフルーツを使ったさまざまなソルビンが次々と生まれ、ファンを増やしている。
結論
氷菓子の実体を知らない人も多いかもしれないが、アイスクリームをはじめとする氷菓子はわれわれの食生活の中に根づいている。日本では厚生省の食品衛生法によって、乳脂肪や乳固形分の量によって、氷菓子もいくつかに分類されている。
(参考文献)