- ※1:厚生労働省「食物アレルギーの観点から授乳・離乳を支援するポイント」 https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000464805.pdf
1. ゆで卵は冷凍できるがそのままではNG!
卵と冷凍は、なかなか結びつかないところがある。そもそも卵はナマモノにしては賞味期限が長く、汎用性も高いことから、冷凍に至らない=使いきってしまうことも多いのだ。では、ゆで卵はどうだろう?実は、ゆで卵は生卵よりも日持ちが短いといわれている。たくさん作って余ってしまった場合に、どのように冷凍するのが適切かを解説していこう。
ゆで卵の白身は冷凍で不味くなる
ゆで卵をそのまま冷凍すると、黄身は食感も味わいもさほど変わらず食べることができる。しかし、白身はまるで異なる食感になってしまう。これは水分が抜けることによるもので、スカスカでゴムのような歯ごたえになり、美味しいとはいえない状況に。このため、ゆで卵として冷凍することはおすすめしない。
おでんやうずらの卵のゆで卵は冷凍NG
おでんの卵も冷凍することはできるものの、上記と同じように美味しさが半減してしまう。うずらの卵も味が劣化するため、冷凍保存はおすすめしない。
2. ゆで卵の冷凍保存方法
ゆで卵はそのままでは冷凍しないほうが無難である。ただし、少し工夫をすれば冷凍保存も可能だ。ここでは、ゆで卵を上手に冷凍する方法について詳しく解説をしていこう。
ゆで卵の黄身だけ冷凍する
ゆで卵として冷凍するなら、黄身部分だけがおすすめだ。冷凍に適しているのは、固茹でにしたゆで卵だけ。半熟は劣化の可能性が高いので、控えること。ラップで包んでそのまま保存袋に入れて冷凍庫に入れればOK。
フィリングにして冷凍する
白身も一緒に冷凍したい...そんなときは、フィリングやソースにしてから冷凍するのがおすすめだ。たとえば、卵サンドのフィリングやタルタルソースがその例。小分けにして冷凍し、自然解凍すれば少量ずつフィリングやソースを楽しむことができるので、お弁当などにも最適だ。
こちらの場合も必ず固茹でのゆで卵を使って調理すること。白身は前述の通り、パサパサとした食感になってしまうができるだけ細かくカットしたり、つぶすことでさほど気にならなくなる。白身と黄身に分けた状態で細かくするといい。
3. 離乳食用にゆで卵を冷凍する場合の注意点
離乳食はその都度、1から作るととても手間がかかる。このため、小分け冷凍を活用するのがおすすめだ。卵も離乳食に使う場合は、冷凍を活用すると便利である。
ただし卵は、アレルギーのリスクが高い食材である。(※1)赤ちゃんによって、食べはじめる時期を調節する必要がある。さらに白身はとくにアレルギー物質が多いとされているので、まずは黄身から与えるのが基本だ。また離乳食の場合も食中毒の危険を回避するためにも、必ず固茹でにすること。
離乳食用の卵の黄身は、1度にごく少量しか使わないため、つぶしたり、ほぐした状態で冷凍するのがおすすめだ。
4. 冷凍ゆで卵の解凍方法
冷凍ゆで卵は、自然解凍するのがベストだ。電子レンジで解凍するとさらに火が入ることとなり、どうしてもパサパサとした食感になってしまう。冷蔵庫で自然解凍して食べるのがベストだ。
離乳食用の場合は、細かくなった状態なのでおかゆやスープに混ぜるなど、解凍せずにそのまま加熱して使うといい。
5. 冷凍ゆで卵の保存期間
冷凍ゆで卵は一体いつまで日持ちするか?気になる人も多いことであろう。冷凍保存は確かに菌の繁殖を常温や冷蔵よりもおさえることができる。しかし、扉の開閉の回数など、ご家庭によってその状態には違いがあるので、一概には述べられない。
基準としたいのは二週間。これくらいで食べきると劣化をさほど感じないケースが多い。
結論
ゆで卵は生卵よりも日持ちが短い。このため、すぐに食べない場合は上手に冷凍するというのもひとつの手だ。ただし、まるごと冷凍すると白身が美味しく食べられなくなってしまう。黄身だけを冷凍する、フィリングにするなどの工夫が必要だ。また冷凍する場合は、必ず固茹ですることもお忘れなく。
(参考文献)