1. 美味しい里芋の選び方・7つのポイント
美味しい里芋を選ぶためのコツは、基本的に7つある。この点に注意を払い、新鮮で質のよい里芋を手に入れてほしい。ちなみに、里芋が美味しくなる時期は8~12月とされている。秋の里芋ならば、ハズレをつかむ可能性も低くなる。上質な里芋を手に入れて上手に保存すれば、さまざまな料理にして楽しめる。それではその7つのポイントを見ていこう。
1:縞模様が平行できれいな里芋
里芋の皮は、よく見ると縞模様が入っている。この縞模様が平行であることは、里芋の質のよさを知るためのポイントである。平衡の縞模様は、里芋がすくすくと順調に育った証拠なのである。
2:表面にひび割れのない里芋
里芋は、乾燥してくると表面がひび割れてしまう。みずみずしさを保ったままの里芋を選ぶためには、ひび割れていないものを選ぶことである。
3:丸くふっくらしている里芋
よい条件の中で育った里芋は、丸みを帯びふっくらとした形状が特徴である。ぎすぎすとした丸みを感じさせない里芋は、選ばないほうがよい。
4:緑に変色していない里芋
里芋の皮が緑に変色していた場合は、日光によってできた葉緑体という物質である。(※2)毒性はないものの、日焼けしすぎて品質が低下している可能性も否定できない。できるだけ避けるほうがよいだろう。
5:泥付きで湿り気のある里芋
皮付きでもきれいに洗浄されている里芋が多いが、実際には泥付きの里芋のほうが鮮度が高いことが多い。泥付きの里芋は保存が利くというメリットがある。可能ならば、泥付きで湿り気のある里芋を買うのがベターである。
6:断面が新鮮な里芋
茎同士がくっついている里芋は、販売されている状態で断面を見ることができる場合もある。その断面は、より白くみずみずしさをたたえたものが好ましい。茶色や赤色に変色しているものは避けるようにしよう。
7:固くてふかふかしていな里芋
質のよい里芋の特徴は、身が固く重みがあることである。ふわふわと柔らかい感触の里芋は、傷んでいたり古くなっているものが多い。身がしっかりと固い里芋を選ぶのが基本となる。
2. 里芋の大きさ別の特徴と選び方
里芋にはさまざまなサイズがあることを不思議に思っている人もいるかもしれない。これは、里芋の収穫対象が異なるための大きさの相違なのである。里芋の育ち方とともに、この大きさの違いについて説明する。
里芋の親芋の特徴
里芋には、親芋、子芋、孫芋の3種が存在する。親芋とは、里芋の地下茎の真ん中にある大きな塊であり、この周辺に子芋ができ、さらに孫芋が育つ。つまり親芋は里芋のなかでももっとも大きなサイズである。海老芋や八つ頭などのように、どっしりとした大きさと量感がある。
里芋の子芋・孫芋の特徴
子芋は里芋の親芋について成長し、さらに子芋から発生するのが孫芋である。子芋と孫芋は、親芋と比べると丸っこくサイズが小さい。石川早生などがその代表格である。親芋から容易に離すことができる品種が、子芋や孫芋として市場に出回っている。
3. 里芋の品種別の選び方
古くから日本人に愛されてきた里芋は種類が非常に多い。それぞれの里芋にはどんな特徴があるのか、主要な品種についてまとめてみる。
子芋と孫芋の種類
・土垂
関東地方での生産が多く、ねっとりした食感が特徴である。おでんや煮物に使われる。
・石川早生
全国的に栽培される子芋の1種であるが、大阪府泉南市が特産地として知られる。早生の丸型で、良質な味わいで人気がある。茹でて醤油などでシンプルに食べることが多い。
親芋の種類
・海老芋
親芋が多いが、子芋も食べることができる。海老のような形が特徴で、肉質が柔らかい。京料理である芋棒の原料となる。
・八つ頭
里芋の中では高級品で、水分が少ないのが特徴である。その食味のよさから、煮物やお節料理に用いられることが多い。
・セレベス
親芋、子芋ともに食べることができる里芋である。インドネシア原産で、赤色の目が特徴である。
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4. 里芋の種芋の選び方
里芋を家庭菜園で育てたい場合は、苗からではなく種芋を使うことになる。春になると、ホームセンター等に種芋が販売されることもある。種芋を購入する場合も、自宅にある里芋を購入する場合も、ふっくらとした形状を持ち、傷がないものを選ぶようにしよう。初心者でわからないことが多い場合は、種苗専門店等で尋ねてからはじめるとよいだろう。
結論
里芋は、イモ類のなかでも特に日本人になじみ深い食材である。種類も多い里芋、美味しいものを選ぶ際には、形や感触、色や傷の有無などに注意するのがコツである。里芋はいものつきかたからサイズが異なり、品種によって食感も異なる。鮮度のよい美味しい里芋を選ぶだけではなく、料理によく合うタイプを選んでその美味を堪能してほしい。
(参考文献)
※1.小学館日本大百科全書(サトイモ)
※2.いわて平泉農業協同組合「第19話 ~サトイモの緑色と赤の点々の正体~」P.24