1. 鰹節はタンパク質が豊富な食材
料理にひとふりするだけで手軽に風味をアップできる鰹節。そんな鰹節に豊富に含まれるタンパク質量について紹介しよう。鰹節ひとパックあたりのタンパク質量も紹介するので、食事に効果的に取り入れるために役立ててほしい。
鰹節100gのタンパク質量
炭水化物、脂質とともに人体にとって重要なエネルギー源であるタンパク質。(※1)鰹節に含まれるタンパク質量は、100gあたり約77g(※2)と、8割に迫る量となっている。これは鶏もも肉に含まれるタンパク質のおよそ4倍(※3)、ゆで卵のおよそ6倍(※4)にあたる量だ。
鰹節ひとパックのタンパク質量
家庭でよく利用される鰹節パックひとつ分には、どのくらいのタンパク質が含まれているだろうか。一般的な鰹節パックの内容量である2~4gあたりに含まれるタンパク質量は以下のとおり。(※2)
2gの鰹節パック...タンパク質量 約1.54g
3gの鰹節パック...タンパク質量 約2.31g
4gの鰹節パック...タンパク質量 約3.08g
鰹節を一度に100g食べることは難しいが、鰹節パックを料理にサッとふりかければタンパク質を手軽にプラスできる。上記のタンパク質量を参考に、さまざまなメニューに取り入れてみよう。
2. 鰹節のだしのタンパク質量は少ない
鰹節のだしのタンパク質量は、100gあたり0.5g(※5)となっており、鰹節よりも大幅に減ることがわかっている。しかし、みそ汁に鰹節からとっただしを使用している方も多いだろう。みそに含まれるタンパク質の量は100gあたり12.5g(※6)。みそ汁とともに鰹節のだしをいただくことで、タンパク質量アップが図れるだろう。
3. 高タンパク質の鰹節は筋トレやダイエットにおすすめ
タンパク質が豊富に含まれる鰹節(※2)は、健康的な身体作りやスタイルアップへのサポートが期待できる食材として、アスリートの食生活にも推奨されている。ここでは筋トレやダイエットをしている方にうれしい、鰹節の持つ栄養の効果について紹介していこう。
必須アミノ酸がバランスよく含まれる
タンパク質を構成するアミノ酸(※7)がバランスよく含まれている鰹節(※2)。数十種類のアミノ酸のうち、体内で作ることができないイソロイシン、ロイシンなど9種類のことを必須アミノ酸という(※7)。これらをバランスよく摂ることで、筋肉痛の軽減効果が期待できる。鰹節で効率よく必須アミノ酸を摂取し、身体作りに役立てることが可能(※8)だ。
食欲を抑える
アミノ酸の一種であるヒスチジンも鰹節に多く含まれており、(※9)筋トレやダイエットへのサポート効果があるとされている。ヒスチジンは、脳内で食欲を抑える作用がある神経ヒスタミンという成分に変化する。(※10,11)食べすぎを防止して身体を絞りたい方にうれしい効果といえるだろう。
中性脂肪燃焼をサポート
ヒスチジンから合成される神経ヒスタミンは、食欲抑制を促すほか、交感神経系を介して内臓脂肪の分解促進に役立つことが分かっている。(※11) 内臓周囲につきやすい中性脂肪を燃焼させる効果も期待できるだろう。
新陳代謝を促す
鰹節の旨み成分であるイノシン酸には、細胞を活性化し新陳代謝を促す作用がある。(※12) 若々しい身体づくりをサポートしてくれるだろう。
4. タンパク質だけじゃない!鰹節の栄養素と効果
鰹節に含まれるタンパク質量や効能について紹介してきたが、ここからはタンパク質以外の栄養成分もチェックしていこう。生のカツオを何度も燻すことで完成する、発酵食品の鰹節。丈夫な身体づくりをサポートするなどの身体にうれしい成分が豊富だ。
ミネラル
鰹節には、身体の機能維持に役立つ栄養素であるミネラル(※2)も含まれている。骨や歯を形成するカルシウム(※13)、塩分の摂りすぎを調節するカリウム(※14)や貧血予防に役立つ鉄(※15)などはミネラルの代表的な成分。体内で合成できないミネラルは日々の食事からの摂取が必要だが、鰹節を料理に使えばタンパク質とともに手軽に取り入れられるだろう。
ビタミン類
健康維持や活力づくりをサポートするビタミン(※2)も鰹節に含まれる栄養素のひとつ。とくにナイアシンが豊富で(※2)、アルコールの代謝に役立つといわれている。(※16)水溶性のビタミンであるナイアシン(※16)を摂取するためには、鰹節を煮た際に出る煮汁もいただくのがおすすめだ。
結論
鰹節にはタンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラルといった身体によい栄養がたっぷり含まれている。そのうえ食欲を抑える効果もあるので、ダイエット中の方にもおすすめだ。つい鰹節パックを余らせてしまうという方も、さまざまな料理にひとふりするだけで食べられるので、ぜひ活用して健康に気遣った毎日を送ろう。
(参考文献)
(※1)(※7)(※14)(※15)
運営元:厚生労働省
(※2)〜(※6)
運営元:文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
(※8)(※11)
運営元:JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)
(※9)
運営元:前川TSH研究所・兵庫県立大学環境人間学部
該当ページ名:P-07
(※10)
運営元: 松戸市医師会
該当ページ名:あなたの健康(肥満は食事の仕方から見直そう)|松戸のホームドクター 松戸市医師会
(※12)
運営元:西馬込あくつ耳鼻咽喉科
該当ページ名:うまみ成分に隠されたダシの効果 西馬込あくつ耳鼻咽喉科 |東京都大田区の耳鼻科・栄養外来
(※13)
運営元:公益財団法人長寿科学振興財団
該当ページ名:カルシウムの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
(※16)
運営元:公益社団法人日本薬学会
該当ページ名:日本薬学会 環境・衛生部会ホームページ