1. りんごとバナナの相性はいい
「りんごとバナナは相性がいい」といわれる理由はどこにあるのか。それぞれの味の特徴や栄養素について詳しくみていこう。
味の特徴と栄養素
1年中スーパーでみかけるりんごは、8月~10月が収穫時期で旬の時期は秋から冬にかけてだ。りんごの特徴は、シャキッとした歯ごたえと、甘みと酸味の絶妙なバランス。品種によって色や大きさ、味もさまざまである。イギリスのことわざに「1日1個のりんごは医者を遠ざける」というものがあり、それほどまでにりんごは栄養満点の果物なのだ。
りんごには、カリウムをはじめ、食物繊維やビタミンC、りんご酸やクエン酸などの有機酸が豊富に含まれている。りんご酸やクエン酸は、運動後に溜まる乳酸を分解してエネルギーに変える働きがあり、疲労蓄積の抑制に効果的だ。(※1)
一方、バナナには、ビタミンB1が豊富に含まれている。ビタミンB1が不足するとエネルギー代謝が滞り、疲労物質である乳酸が蓄積しやすくなるのだ。(※2)
りんごとバナナは疲労の回復を早める効果があるので、相性がいいといえるだろう。
また両者ともに、ビタミンB1のほかにも、ミネラルや食物繊維などが多く含まれている。そのため、美肌効果や便秘解消などさまざまな効果が期待できる。(※3)
2. りんごとバナナの1日の摂取量
りんごとバナナは1日にどのくらいを目安に摂取したらいいか、ご存じだろうか。両者はクエン酸やビタミンB1など、多様な栄養素が豊富に含まれているため、積極的に摂ってほしい果物だ。りんごとバナナは相性もいいので、一緒に摂ることをおすすめする。
1日の摂取量
農林水産省が定めている「毎日くだもの200g運動」では、果物を1日1人200g以上食べることを推奨している。しかし、「平成28年国民健康・栄養調査」では、1日あたりの平均果物摂取量は98.9gで、20代~40代では50g~60gである。(※4)
毎日果物を摂取していないのであれば、スーパーで手軽に手に入れることができる、りんごやバナナから試してみてはいかがだろうか。
りんごであればおおよそ3/4個。バナナであればおおよそ2本が200gに相当する。健康な人の場合、1日200gを意識して、りんごやバナナをふくめたさまざまな果物を摂取するのがおすすめだ。りんごやバナナはヨーグルトに入れても相性がいいだろう。
栄養指導を受けている場合は注意
腎機能が悪く栄養指導を受けている人は、果物の摂りすぎに注意してほしい。果物にはカリウムが多く含まれているからである。腎機能が低下すると余分なカリウムを排出する力が衰えるので、不整脈などの危険性があるからだ。(※5)
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日あたりのカリウム摂取目標は、男性3,000mg以上、女性2,600 mg以上である。(※6)りんご1個には約394mg、バナナ1本には約454mgのカリウムが含まれている。医師の指示に従って、美味しくりんごやバナナを食べてほしい。
3. りんごとバナナの相性のいい保存方法
りんごとバナナの相性バツグンの保存方法について紹介する。
保存の仕方
りんごは植物ホルモンであるエチレンを発するため、一緒に保存すると果物の成熟を促す働きがある。(※7)スーパーで、まだ熟れていないバナナを購入した場合は、りんごと一緒に置いておくと食べ頃になるだろう。バナナ以外にも、りんごのエチレンガスを利用して、熟れていないほかの果物を一緒に保存すると成熟するので試してみてほしい。
結論
りんごとバナナは相性がいいので、一緒に摂ったり保存したりするといいだろう。1日のなかでフルーツを食べる習慣が全くない人は、手軽に手に入れることができるりんごやバナナからはじめてみてはいかがだろうか。栄養面がばっちりなだけではなく、りんごには果物の成熟を促す作用があるのも見逃せない。
(参考文献)
(※1)(※2)
運営元:株式会社わかさ生活
(※3)
運営元:大正製薬ホールディングス株式会社
該当ページ名:乾燥肌によい食べ物はある?美肌を目指す食事術
(※4)
運営元:農林水産省
該当ページ名:毎日くだもの200グラム運動
(※5)
運営元:厚生労働省
該当ページ名:カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)
(※6)
運営元:厚生労働省
該当ページ名:00_5_名簿_cs6_0110追加.indd
(※7)
運営元:東京農業大学
該当ページ名:東京農業大学 知的好奇心へのアドベンチャー