- ボウルに3%濃度の食塩水を作る
- 1の食塩水の1/3量を別のボウルに移し、牡蠣を入れて攪拌しながら洗う
- 牡蠣をザルに移し、水切りする
- 2~3の作業を2回繰り返す
- 最後にしっかりと水切りする
- ※1出典:豊後 孝江「カキの調理と衛生に関する効果的な洗浄方法 の検討 (第1報)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/31/8/31_8_561/_pdf
- ※2出典:食品安全委員会 「カキの調理」 https://www.fsc.go.jp/sozaishyuu/kaki.html
- ※3出典:農林水産省「ノロウイルス(ウイルス) [Norovirus]」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/norovirus.html
1. 牡蠣の調理前の下ごしらえ
牡蠣には汚れが付着していることがあるため、洗ってから調理すると安心だ。しかし、洗い方によっては洗浄効果が出ないだけでなく、鮮度が落ちてしまう場合もある。美味しく安全に牡蠣を食べるために、正しい洗い方をおさえておこう。
正しい洗い方
牡蠣は水道水よりも食塩水で洗ったほうが汚れが落ちやすく、除菌や鮮度保持にも効果的である。手順は下記の通りだ。(※1)
2. 牡蠣の加熱調理の注意点
市販の牡蠣には生食用と加熱用がある。生食用は沖合で育てられたものが多く、出荷前に除菌のため2~3日ほどかけて浄化される。一方、加熱用の牡蠣は浄化という工程が不要のため、収穫後すぐ出荷される。
浄化された生食用の牡蠣は安全に生食できるが、やや水っぽくなる。そのため、生食しない場合は、適切な加熱調理を前提に加熱用の牡蠣を選ぶのがおすすめだ。では、加熱調理時間を含め、どのような点に注意すればよいのだろうか。
必要な温度と時間
牡蠣に付着した細菌やウイルスを殺菌・不活性化させるには、「中心部を85度以上で90秒間」加熱する必要がある(※2)。表面をサッと焼く程度では不十分なのだ。加熱不足の場合、細菌やウイルスによる食中毒のリスクが高くなってしまう(※3)ため注意しよう。ただ加熱するだけではなく、温度と時間をしっかりと意識して調理することが重要である。
3. 牡蠣を加熱調理する料理
牡蠣を加熱調理する料理には、さまざまな種類がある。簡単で美味しい定番料理からアレンジ料理まで、おすすめの牡蠣料理を紹介しよう。
おすすめの料理
蒸し牡蠣
牡蠣そのものの味を楽しめるシンプルな食べ方だ。蒸し器かフライパンに牡蠣を入れ、水と酒をふって、ふたをして加熱する。約9分間を目安にしっかりと蒸すことで、中心部まで火が通る。
牡蠣のバター焼き
フライパンでバターを熱し、牡蠣を入れて両面に焼き色が付くまでじっくり中火で焼く。小麦粉をはたいてから焼くと、よりふっくらと仕上がる。塩こしょうをふって食べよう。
牡蠣フライ
牡蠣に小麦粉、溶き卵、パン粉の順で衣を付けて油で揚げる。油の温度は170~180度、揚げ時間は3分を目安に、牡蠣の大きさによって調整しよう。ソースやタルタルソースが合う。
牡蠣鍋
好みの野菜を煮ておいた鍋に牡蠣を入れ、8~9分ほど煮る。鍋が沸騰した状態で牡蠣を入れたら、温度を下げないためにほかの具材は追加せず煮るのがポイントだ。
牡蠣ごはん
一度煮た牡蠣を、煮汁や出汁、調味料を合わせたものに浸けておいた米にのせて炊く。土鍋で炊くとより美味しいが、炊飯器でもできる。牡蠣を一度煮てから炊飯することで、確実に火が通る。
牡蠣ペースト
酒をふって蒸した牡蠣をフードプロセッサーでペースト状にする。味付けをしてクラッカーやパンにのせて食べたり、ごはんにのせたりしても美味しく、さまざまな料理にもアレンジできて便利だ。冷凍保存しておけば、クラムチャウダーも簡単に作れる。
結論
牡蠣の扱い方を誤ると食中毒のリスクが高まってしまう。安全に食べるためにも、加熱用の牡蠣を調理する際は、必ず中心部を85度以上で90秒間熱することが重要である。また、殻付きの牡蠣を扱う際は汚れが付着していることが多いため、塩水で洗うのも忘れないようにしたい。適切な調理を心がけ、牡蠣を美味しく食べよう。
(参考文献)