目次
1. 美味しいさつまいもの選び方

18世紀から日本でも栽培が始まったさつまいも。現在はスーパーで1年を通じて購入できる食材である。甘さが特徴のさつまいも、より美味しいものを選びたいのは消費者として当然の欲求だ。美味しいさつまいもの選び方について、詳しく説明する。
さつまいもの形や太さをチェック
日本では現在、食用や加工用のさつまいもがおよそ60種栽培されているといわれている。(※1)そのため、品種によって大きさや形はさまざまである。一般的に、美味しいさつまいもは太めで紡錘形をしている。細いさつまいもは避けるのが無難である。形や太さに気をつけて購入するようにしよう。
さつまいもの皮をチェック
さつまいもの皮もまた、品種によって色が異なる。美味しいさつまいもの皮は、ツヤがあるということがあげられる。また皮の色は全体的にムラがなく、ひどい凹凸がないことも確認してほしい。黒っぽい斑点やヒゲが多いものは避けるようにしよう。
さつまいもの切り口をチェック
サンプルとして、さつまいもをカットして断面図が見える形で販売されている場合は、美味しいさつまいもを選ぶチャンスである。糖度が高めのさつまいもは、切り口にみつようなものがしみ出ている。さつまいもの断面に黒っぽいみつのようなものが見えたら、それは甘みがある証拠と覚えておこう。
2. 甘いのは?さつまいもの品種の特徴と選び方

さつまいもの食感は、ホクホクしたものやねっとりと甘いものなど、種類によって違う。人気のさつまいもには、どんな特徴があるのか。それぞれの特徴を知れば、選び方もおのずから身につく。主要品種の特徴をまとめてみる。
安納芋
ねっとりと甘いさつまいもの代表として、近年とくに人気が高まっている安納芋。オレンジ色の果肉が特徴で、焼きいもとしてシンプルに食べるのに向いている。皮の色は地味な薄い褐色の安納芋、かごしま伝統野菜に認定されている。
紅あずま
1984年に品種登録された紅あずまは、食用としてもっとも生産量が多い品種である。ホクホクとした食感を持つさつまいもの代表である紅あずまは、濃赤紫の皮の色が特徴である。果肉は黄みを帯び、甘みが強い。焼きいものほか、天ぷらやお菓子の材料として幅広く使用されている。
シルクスイート
名前が麗しいさつまいもシルクスイートは、2012年にカネコ種苗によって開発された品種である。その名にふさわしく、シルクのようななめらかな食感を特徴とする果肉はクリーム色である。キレイな紡錘形をしたシルクスイート、皮の色は濃い紫色である。しっとりとした肉質は、スイートポテトや干し芋に向いているといわれている。もちろん焼き芋にしても美味しい。貯蔵性に優れる点もメリットである。
紅はるか
2010年に登場した紅はるかは、凹凸の少ない少し長めの形状をしている。姿の美しさでも定評があるさつまいもである。30日以上貯蔵することで引き出される、まったりとした甘さはスイーツそのものと礼賛される。さつまいも本来のホクホクとした食感も併せ持つ紅はるかは、干し芋サラダにして食べると美味しい。
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3. 料理に合わせたさつまいもの選び方

品種が多くそれぞれの特徴が明確なさつまいもは、料理の向き不向きがある。さつまいもを使った代表的な料理を例に、さつまいもの選び方を紹介する。
焼き芋におすすめのさつまいも
さつまいもといえば焼き芋を思い浮かべるほど、その縁は深い。さつまいもの品種の多くは、食感や甘さこそ違うが焼き芋に向いている。紅あずま、鳴門金時、安納芋、紅はるかなど、ホクホクとねっとりの食感を楽しみつつ、焼き芋を頬張ってほしい。
天ぷらにおすすめのさつまいも
天ぷらもまた、さつまいも料理の定番のひとつである。独特の甘さが天ぷらによって引き立つ美味しいさつまいもは、鳴門金時や紅はるか、紅あずまなどである。水分は少なめのさつまいもが、天ぷらには向いているだろう。
煮物におすすめのさつまいも
煮物にする場合のさつまいもの選び方は、千差万別である。ホクホクとした食感の鳴門金時を好む人もいれば、甘さが強く柔らかい安納芋を好む人もいるだろう。仕上がりの食感の嗜好によって、サツマイモを選んでほしい。
スイートポテトにおすすめのさつまいも
さつまいもの甘さはスイーツにももってこいである。スイートポテトはまさにその美味しさを凝縮したお菓子である。スイートポテトのためのさつまいもの選び方は、ホクホクとしたタイプ、しっとりとしたタイプ、ねっとりの食感を持つ品種、いずれも問題ない。鳴門金時や紅あずま、シルクスイートは、とくに美味しく作ることができる。
チップスにおすすめのさつまいも
さつまいもチップスは、通常のポテトチップとは異なる甘さが好ましい。紅あずまや鳴門金時など、流通量が多いさつまいものほか、色に特徴があるパープルスイートロードもチップスにしてみると楽しいかもしれない。
結論
日本人の舌に馴染んだ甘さを持つさつまいも。美味しいさつまいもの選び方は、さつまいもの形状や色にヒントがある。紡錘形の美しさ、皮の色つや、ふっくらとした丸みなどに注目し、美味しいさつまいもを選んでほしい。品種が多いさつまいもは、個人の嗜好や調理法によっても選び方がことなる。状況にあったさつまいもを選んで、美味しく食べてほしい。
(参考文献)
※出典1:農林水産省「サツマイモの品種はどれくらいあるのですか。」