目次
1. かぶはどんな野菜?

かぶとはどんな野菜であるのかを説明する。
意外!かぶはキャベツや白菜の仲間?
かぶは、アブラナ科アブラナ属の野菜で白菜やキャベツ、菜の花などの仲間である。かぶり(頭)の形に似ていることから、「かぶら」「かぶり」と呼ばれることもある。また春の七草としては「すずな」と呼ばれる。
かぶの旬は春と秋の2回ある?
実はかぶには、旬が2回ある。3月~5月が旬の株は、「春もの」と呼ばれ、肉質がやわらかく、11月~1月の旬のかぶは、「秋もの」と呼ばれ、甘みの増したものが多いのが特徴だ。
かぶの種類は?
大きさによって、大かぶ、中かぶ、小かぶとわけられることがあるほか、色によって白かぶ、赤かぶ、青かぶとわけられることが多い。
またかぶは地方の特産品品種があり、滋賀県の特産である「日野菜(ひのな)かぶ」や、山形県の特産である「温海(あつみ)かぶ」京都の厳冬野菜である「聖護院(しょうごいん)かぶ」は特に有名である。
2. おいしいかぶの選び方とは?

おいしいかぶを選ぶには、根と葉の部分の両方を見ることが必要だ。
まずは根の部分。表面につやがあり、傷がついていないもので形のよいものを選ぼう。ひび割れしていないか確認することも大切だ。一方で、葉は青々としているもので茎が堅くてしっかりしたものを選ぼう
3. かぶにはどのような栄養が含まれている?かぶの栄養と効能

かぶの根と葉(葉っぱ)に多く含まれている栄養素とその働き、含まれている量の違いをみていこう。(可食部100gあたりの比較)
かぶの根と葉に多く含まれている栄養価(※1)
(可食部100gあたりの比較)
β-カロテン
かぶの根:0μg
かぶの葉:2800μg
かぶには、多くのβ-カロテンが含まれている。β-カロテンには、皮膚の健康維持に関与しており、新陳代謝をよくしている働きがある。またβ-カロテンには粘膜を強くする働きもあるため、β-カロテンが不足しているときは風邪をひきやすくなったり、口内炎ができやすくなったりする。(※2)
ビタミンC
かぶの根:19mg
かぶの葉:82mg
かぶには、多くのビタミンCが含まれている。ビタミンCには、高い抗酸化力が認められている。ビタミンCは、メラニン色素の沈着を防ぐことから美肌効果を期待できる。
またビタミンCは、神経伝達物質であるアドレナリンやドーパミンなどの合成に必要である。人はストレスを感じるとアドレナリンを多く分泌するが、アドレナリンの生成にはビタミンCが不可欠であるので、ストレスにさらされる機会が多い人はしっかりとビタミンCを摂取しよう。(※3)
ビタミンK
かぶの根:0μg
かぶの葉:340μg
かぶには、多くのビタミンKが含まれている。ビタミンKは、ビタミンDとともに働いて骨を健康に保つ働きをしている。またビタミンKには、骨からカルシウムが排出していくのを抑制する働きもある。(※4)
葉酸
かぶの根:48μg
かぶの葉:110μg
かぶには、多くの葉酸が含まれている。葉酸は妊娠を考えている人にはとても大事な栄養素である。葉酸委は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを軽減することができるからである。
また月経がある女性にとって葉酸は大切な栄養素だ。葉酸は、赤血球を作るために必要なビタミンであり、貧血の予防に効果があると言われているからである。(※5)
カルシウム
かぶの根:24mg
かぶの葉:250mg
かぶには、多くのカルシウムが含まれている。カルシウムは骨や歯の主な構成成分である。骨粗しょう症の予防にも効果があるといわれている。
またストレスを和らげる効果も認められていることから、イライラしやすい人はカルシウム不足ではないか食生活を見直してみよう。(※6)
カリウム
かぶの根:280mg
かぶの葉:330mg
かぶには、多くのカリウムが含まれている。カリウムには、ナトリウムの排出を促進する作用があるため、高血圧の予防に効果があるといわれている。
またナトリウムの排出を促すことで、むくみを予防したり改善したりする効果も期待される。(※7)
かぶは根よりも葉に栄養がある
上記のことからβ-カロテンやビタミンKは、かぶの葉の部分にしか含まれていないことがわかる。また根には含まれていないが葉には、たんぱく質やビタミンE、ビオチンが含まれていることも特徴的である。(※8)
4. かぶの効果的な食べ方や調理法を紹介

かぶに含まれている栄養を効果的に摂る食べ方や調理法を紹介する。
かぶの根の効果的な食べ方と調理法
かぶの根の部分は、生でも加熱してもおいしく食べることができるが、加熱するときは水に溶けだした栄養素を食べられるようにスープ、味噌汁にするのがおすすめ。
またかぶに含まれるアミラーゼ(※9)は消化を助けてくれる働きがある。アミラーゼは熱に弱いため(※10)胃の調子が悪いときや胃もたれが気になるときは、生で食べるのがおすすめだ。
かぶの葉の効果的な食べ方と調理法
かぶの葉にはアクがあるので、さっと水通しをしておこう。おすすめの食べ方は、食べやすい長さに切って炒める方法。葉に多く含まれているβ-カロテン(ビタミンA)は、油と炒めると吸収率がアップするからだ。(※11)
5. かぶと大根の栄養の違いとは?

かぶと大根はよく似ている野菜である。栄養価の違いはあるのだろうか。
大根の根と葉に多く含まれている栄養価(※1)
(可食部100gあたりの比較)
β-カロテン
大根の根:0μg
大根の葉:3900μg
ビタミンC
大根の根:12mg
大根の葉:53mg
ビタミンK
大根の根:微量
大根の葉:270μg
葉酸
大根の根:34μg
大根の葉:260μg
カルシウム
大根の根:24mg
大根の葉:260mg
カリウム
大根の根:230mg
大根の葉:400mg
大根も根よりも葉に栄養がある
上記のことからβ-カロテンやビタミンKは、大根の葉の部分にしか含まれていないことがわかる。大根もかぶと同様、根よりも葉の方に栄養がある。
可食100gあたりのかぶと大根を比べると、かぶにはビタミンCやビタミンKなどがより多く含まれている。
結論
かぶには、β-カロテンやビタミンC、ビタミンK、葉酸など多くの栄養素が含まれている。またかぶは根よりも葉に栄養がある。根はスープや味噌汁などの汁物にすると水に溶ける栄養素もまるごと摂取できる。葉は食べやすく切って脂を使って炒めるとβ-カロテンの吸収率がよくなる。ぜひ試してみてほしい。
(参考文献)
※1※8※11出典:カゴメ株式会社
※2〜※7出典:株式会社わかさ生活
※9出典:ハウス食品株式会社
該当ページ:作ったときはとろみがありましたが、一晩おくととろみがなくなりました。
※10出典:J.フロント健康保険組合「健診結果の見方」