1. しいたけを冷凍保存する方法
冷凍保存すると味や食感が悪くなるのでは、と気になる方もいるだろう。しいたけは冷凍保存しても味や食感が変わることがない。むしろ、しいたけは冷凍した方が、加熱調理した際に旨みがアップし味がしみ込みやすくなるのだ。では、冷凍保存する際、どのような手順で行えばよいのだろうか。しいたけの冷凍保存の仕方を説明しよう。
保存の仕方
準備しておくものは、ラップと密閉できる冷凍用の保存袋のみだ。まずは、購入直後で新鮮な状態のしいたけのかさと軸を切り分けていこう。かさはラップに包まずそのまま保存袋に入れ、軸は石づきを取り除いたらラップで包んで保存袋に入れる。このとき、解凍後どのような料理に使用するのかあらかじめ決まっているのであれば、調理しやすい大きさに切っておくと時短になるのでおすすめだ。保存処理する際は、しいたけを洗ってしまうと風味が落ち、水分が残ったまま冷凍保存すると傷みの原因にもなる。もし気になる汚れがあるのならば、キッチンペーパーで拭いて落とすようにしよう。
また、干ししいたけも冷凍保存がおすすめだ。干ししいたけは水で戻し、調理しやすい大きさに切って冷凍保存すると解凍後すぐ使用できる。
2. しいたけを冷凍して保存できる期間
しいたけなどのきのこ類は、冷凍することで細胞に含まれる水分が膨張し細胞が破壊されるのだが、そのときに旨み成分が発生する。(※1)では、その旨みをうまく生かして美味しく食べられる保存期間はどのくらいなのだろうか。実験結果などを参考に、詳しく解説していこう。
保存期間の目安
しいたけを1か月、3か月、1年、1年1か月、1年3か月に分けて冷凍保存し、解凍後も美味しく食べられる期間を実験した記録がある。解凍後も味や食感、香りが劣らずに食べることができたのは1か月冷凍保存のしいたけであった。(※2)しいたけを冷凍保存した場合、美味しく食べたいのであれば保存期間は1か月までにしておこう。ただし、まったく味が劣化しないわけではないため、2~3週間を目安にできるだけ早めに食べきることをおすすめする。
3. 冷凍しいたけの解凍方法
冷凍保存したしいたけを調理に使う際、どのように解凍すればよいのだろうか。正しい解凍法を説明していく。併せて、美味しく食べられる活用法も紹介しよう。
美味しく使う方法
電子レンジを使って解凍したり常温でしばらく放置したりすると、水分が抜けて身がしぼんでしまい旨みや食感が損なわれてしまうため、解凍処理をせずに使用するのがよい。
冷凍したしいたけは、冷凍庫から出して解凍せずすぐに炒め物やスープ、煮物などに使おう。包丁を入れる場合は、常温で2分ほど放置すればカットできる。かさは煮物に使うのがおすすめだ。味がしっかりとしみ込み旨みも出るため、美味しくいただける。また、食感のある軸は食べやすい大きさにカットし、天ぷらやスープ、炊き込みごはんにも使用するとよいだろう。
もし、冷凍保存のしいたけを調理する際すっぱい味やにおいを感じたら、傷んでいる可能性があるため料理には使用しないようにしよう。
結論
買っておいたしいたけを冷蔵庫に入れたまま忘れて腐らせたことがある方には、ぜひ冷凍保存を試していただきたい。しいたけの美味しさをキープさせつつ、長期保存もできる。また、長期保存ができるだけでなく冷凍にすることで旨みが増すため、料理がより美味しくなるだろう。本記事で紹介した正しい保存方法を参考にしながら、しいたけを長く美味しく味わっていただきたい。
(参考文献)
(※1)
医療法人 徳洲会 福岡徳洲会病院|0819/栄養ニュース/9月号
(※2)
農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター|2030925290.pdf