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はたはた

はたはたの魚に神や雷がつく理由!旬や美味しい食べ方を紹介

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2022年11月13日

はたはた(ハタハタ)は、秋田県や山形県を中心とする東北地方で主に食べられている魚である。漢字では「雷魚」や「鰰」と書き、インパクトの強い名前だ。本記事では、はたはたという魚について、特徴や名前の由来、美味しい食べ方などを紹介していく。

  

1. はたはたという魚の特徴

ハタハタ
はたはたは秋田県の県魚にもなっており、とくに秋田県や山形県を中心に昔から食べられてきた。産卵期や稚魚期を除き深海に生息する、スズキ目カジカ亜目ハタハタ科の海水魚である。

見た目の特徴

体長15~20cm程度の小さな魚で、ウロコや浮袋をもたないのが特徴だ。胸ビレが大きく、腹と背のあたりは出っ張っている。体色は背側が黄褐色、腹側が銀~金色で、背にまだら模様(斑斑)が見られる。
また、オスよりメスのほうが体が大きくなる傾向にあり、ブリコ(卵)をもつ個体は一般的なはたはたより一回りほど大きい。

歴史と由来

はたはたとは北日本での呼び名で、激しい雷を意味する「はたたがみ(霹靂神)」という古語に由来するといわれる。はたはたが漢字で雷魚や鰰、波多波多などと書かれるのは、昔から雷が鳴り海が荒れる時期に獲れる魚だったからだ。そのため、「カミナリウオ」という別名もある。
はたはたの漁獲量は、昭和の末期から平成にかけて激減した時期があった。禁漁や小さな個体のものを獲らないなどの漁獲規制、資源保護策が講じられ、現在は復活している。

2. はたはたは淡白な味の魚

新鮮な魚
はたはたが多く獲れる、雷が鳴り海の荒れる時期とはいつなのだろうか。また、はたはたはどのような味なのか見ていこう。

旬の時期と味わい

はたはたの旬は、漁獲地により異なる。秋田県では11月末~1月、北海道では11~2月頃に旬をむかえるそうだ。この時期に、はたはたが産卵のために深海から沿岸へと移ってくるため、漁獲量が増える。また、ちょうど雪が降る前で、雷が鳴ることが多い時期でもあるのだ。
はたはたは東北だけでなく山陰地方でも獲れる。鳥取県などでは、旬が9月~翌年の5月頃までと長い。冬が旬の東北のはたはたはブリコ(卵)をもつものが多いが、山陰のはたはたは産卵をしない「シロハタ」である。
【クセのない身と濃厚な卵】
はたはたの身は、淡泊でクセのない味わいが特徴だ。あっさりとしているが甘みがあり美味しい。また、はたはたのブリコ(卵)は、プチプチとした食感と粘り気が特徴である。とくに秋田県では、ねっとりとした濃厚な卵をもったブリコをもつはたはたの商品価値が高いそうだ。

3. はたはたのおすすめ魚料理

飯寿司(ハタハタ)
はたはたはうろこがなく、骨もやわらかいため非常に扱いやすく食べやすい魚である。洗ったらそのまま調理し、さまざまな食べ方を楽しもう。

おすすめの食べ方

【塩焼き】
はたはたそのものの味を楽しめるシンプルな料理だ。洗って内臓を取り除いたら、塩をふり1時間ほど置いてから焼く。骨付きで焼いても身離れがよく、甘みを感じられる。
【味噌焼き】
素焼きしたはたはたに、味噌、砂糖、煮きり酒を合わせたものを塗り焼き上げる。淡泊な身と濃厚な味噌がよく合う。ブリコもちのはたはたで作ると美味しい。
【煮付け】
湯通しして表面のぬめりを流したはたはたを好みの味で煮付ける。醤油、砂糖、酒などで煮るのが定番だ。
【酢じめ】
三枚おろしにして腹骨と血合い骨を抜いたはたはたに塩をふり、30分ほど置いて軽く洗ってから生酢や甘酢に漬け込む。生食のため、鮮度のよいはたはたで作ろう。
【フライ】
はたはたはあっさりとした味わいのため、油との相性もよい。ブリコをもたないはたはたで作るのがおすすめ。開いて骨を取り除いてから、塩こしょうをふり衣を付けて揚げよう。
【しょっつる鍋】
しょっつる(塩汁、塩魚汁)は、はたはたなどの魚で作られる魚醤のことだ。秋田県の伝統的な発酵調味料である。しょっつる鍋は、しょっつる、出汁昆布、みりんなどで作ったスープではたはたや野菜を煮る鍋料理だ。魚醤ならではの風味と深い旨みを楽しめる。
【はたはた寿司】
秋田県の郷土料理で、はたはたを米飯、麹、酢で発酵させて作るなれずし。人参とふのりを一緒に漬け込む。まろやかさとさっぱりした味をあわせ持ち、保存食や正月料理として伝えられてきた。
【はたはたの湯上げ】
山形県の郷土料理で、はたはたを鍋で茹でたもの。茹でて身が割れてきたら、器にとり大根おろし、醤油をかけて食べる。オスとメスを1匹ずつ盛り付けるのが正式な盛り付け方といわれる。

結論

はたはたが漢字で雷魚や鰰と書かれるのは、雷が鳴り海が荒れる冬の季節に獲れる魚だからである。秋田県や山形県を中心に食べられてきた魚だが、山陰地方でも獲れる。身は淡泊だがブリコ(卵)は濃厚で、さまざまな食べ方を楽しめる。うろこがなく骨もやわらかく食べやすいため、自宅でも調理してみてはいかがだろう。
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  • 更新日:

    2022年11月13日

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