- ボウルに40℃のお湯(1L)と塩(小さじ2)で作った塩水を用意する
- 数の子を浸けて1時間ほど置く
- はがれてきた薄皮をやさしくこすり落としながら取り除く
- ボウルの塩水を捨てて、真水を入れる
- 数の子を浸けてさらに1時間ほど置く(ときどき味見する)
- 新しい真水と入れ替え、数の子を浸けてさらに1時間ほど置く(ときどき味見する)
- 数の子を味見して、塩の抜け具合を確認する
- キッチンペーパーで数の子の水気をふき取る
- 水(1L)と塩(小さじ1)をボウルに入れ、塩水を作る
- 数の子を浸けて、3~4時間ほど置く
- 同じ濃度の新しい塩水に入れ替える
- 数の子を浸けて、さらに3~4時間ほど置く
- 塩加減を確認し、さらに塩抜きしたい場合は3と4の工程を繰り返す
- 数の子の薄皮を剥き、水気をふき取る
1. 数の子の塩抜きを時短でする方法
一般的な市販の数の子は塩蔵タイプのため、そのままでは塩辛くて食べられない。そこで塩抜きが必要なのだが、基本の方法では丸1日ほどかかってしまう。しかし、早く塩抜きできる方法なら、3時間程度しかかからない。数の子を時短で塩抜きする方法を紹介する。
時間がないときの手順
成功させるポイント
上記のような手順で行えば3時間ほどで完了する数の子の塩抜き。では、時短で行う際に気をつけるべきポイントとは何なのだろうか?
【最初は塩水を使う】
はじめから真水に浸すと、数の子に水が浸透し塩気だけでなく旨みまで抜けてしまう。さらに、水っぽくなる、内部の塩気が抜けない、苦みやえぐみが残るなどのデメリットもある。いきなり真水を使うのではなく、まずは塩を加えたぬるま湯を使おう。
【40℃以下のぬるま湯を使う】
お湯の温度が高すぎると、塩が抜けすぎたり数の子に熱が通り食感が悪くなったりする。また、傷みや身崩れの原因にもなる。40℃を超えないよう、お湯の温度管理にも気を付けよう。
【真水に交換後はこまめに味見をする】
時短の方法では塩が抜けるスピードが速いため、こまめに味見をして塩が抜けすぎないようにする必要がある。塩抜きをしすぎると、旨みがなくなり苦みやえぐみが強くなってしまうため、ほどよい塩加減になるようチェックするとよい。
2. 数の子の塩抜きを時短でするデメリット
時短の塩抜き方法では、基本の方法よりもかなり短い時間で済む点が大きなメリットだ。しかし、いきなり真水を使わないなどのポイントを守って実践しても、基本の方法で塩抜きした数の子と同じクオリティに仕上げることは難しい。時短の方法で塩抜きした数の子には、どうしても下記のような違いが出てしまう。
食感の違い
従来の方法では約24時間かけてゆっくりと塩抜きを行う。それに対し、3時間程度で塩抜きするため数の子のプチプチとした本来の食感は損なわれてしまう。和え物などほかの食材と組み合わせる場合は気になりにくいが、数の子を単独で食べるおせち料理などでは、従来の方法で塩抜きしたほうが美味しく感じられるかもしれない。
3. 数の子の塩抜きを時短でしない方法
最後に、通常の数の子の塩抜き方法をご紹介しよう。丸1日かける基本の塩抜き方法では、ぬるま湯や真水は使わず、最初から最後まで塩水で行う。
通常の手順
成功させるポイント
じっくりと時間をかけて塩抜きを行うと、旨みや食感を損なわずに仕上げることができる。ただし、長時間に渡るためスケジュール管理が必要である。料理をする前日から始めるなど、逆算して塩抜きのタイミングを決めるとよい。また、塩水を入れ替えたあとは、こまめに塩加減をチェックしよう。常温で放置すると数の子が傷んでしまう可能性もあるため、塩抜き中はボウルごと冷蔵庫に入れておくのもポイントだ。
結論
数の子の塩抜きは一般的な方法では1日かかるが、時短の方法では3時間程度で済む。ただし、仕上がりの食感はやや劣るため、和え物などに使う場合に適している。時短の方法では塩を溶かしたぬるま湯を使うのがポイントだ。いきなり真水に浸けるのは、旨みが損なわれ、苦みやえぐみが出てしまうため避けよう。数の子の2種類の塩抜き方法を覚えて、上手に使い分けてみてほしい。
監修管理栄養士:渡邉里英
経歴:大学で栄養学を学び、大学院卒業後、医学関連出版社に就職。管理栄養士としての知識と医学雑誌の編集経験をもとに、オリひと食料理記事の監修に至る。