- まな板に柵を乗せる。右利きの場合、魚の繊維が右上から左下へと向かう方向に置く
- 柵の繊維に対し、包丁の背を90度になるようにする
- 包丁を手前に引くように右側から柵を切る
- 包丁を寝かせるようにして切った刺身は右に寄せておく
- 魚の柵を右側を上にして斜めにまな板の上に置く
- 魚の左端から切るために、左手で身を押さえ、包丁の刃を斜めに入れる
- 薄く削ぐように切るイメージで柵をカットしていく
- イカの胴体部分と足を切り離す
- 胴体部分の内部、外側の汚れをよく洗って落とす
- 形を整えた胴の部分を横にしてまな板の上に乗せる
- 右側から5mm幅でカットする
- 茹でダコを横にしてまな板の上に乗せる
- 右側から等間隔で引き切りにする
- ホタテ貝から貝柱を取り出す
- 繊維の線が縦になるようにまな板の上に置き、その線に沿うように均等に切る
1. 刺身の切り方の重要なポイント
生の魚は繊細な食材である。切り方が間違っていると、見た目も食感も格段に落ちてしまう。それでは刺身はどのように切るとキレイに見え、さらに美味しく食べることができるのか。
刺身の切り方は引き切り
刺身の切り方は、基本的に引き切りである。引き切りとは、包丁を手前に引くように動かして切る方法である。
包丁の根元からスタートする
自宅で切る刺身がぐちゃっとしがちなのは、包丁の先を使うのが原因である。キレイに切るためには包丁の根元部分を使ってみよう。家庭用の短身の包丁でもキレイに切ることができる。
繊維に直角に包丁を入れる
柵を見ると白い筋が通っている。刺身に切る場合には、この筋と直角に交差する感覚で包丁の刃を入れる。繊維を断ち切るように切ることで、刺身が食べやすくなるのである。
2. 基本の刺身の切り方
刺身を切るには主に2つの方法がある。その種類と、その切り方がどんな魚に向いているのかを説明する。
平造り:サーモンやマグロ・ぶり
平造りとは、魚の柵に直角に包丁の刃を当てて切る方法である。身が硬めの魚は薄く、柔らかい魚は厚めに切るのが一般的である。マグロ、サーモン、ぶりは平造りに向いている魚といえるだろう。
平作りの手順
ここで、平造りの手順を解説する。
そぎ切り:鯛やヒラメ・アジ
刺身のためのもうひとつの切り方が、そぎ切りである。そぎ切りの特徴は、包丁の刃を斜めに入れて切るところにある。身が締まった白身魚、たとえば鯛やヒラメを刺身にする場合にこの方法を用いることが多い。断面が広いため、カルパッチョなどの料理にはそぎ切りが向いている。
そぎ切りの手順
そぎ切りの手順は、こちらを参考にしてほしい。
初めは慣れないかもしれないが、魚の身にあまり触りすぎないよう、手際よく行うのがコツである。
3. 魚以外の刺身の切り方
刺身にして美味しいのは甲殻類や貝類も同じである。魚以外の海の幸を刺身にする場合は、どんな切り方が適切なのだろうか。食べる頻度が高い魚介類の切り方を説明する。
イカの刺身の切り方
イカは刺身にするとより甘みを感じることができる食材である。生のイカはどのような切り方で刺身にするのだろうか。
この方法で柔らかく甘いイカの刺身が食べられるが、アニサキスには十分注意して処理をしてほしい。(※1)
タコの刺身の切り方
タコの刺身は、生ではなく茹でたものをを使うのが通常である。
ホタテの刺身の切り方
ホタテは貝柱の部分を刺し身にする。独特の甘さは格別である。貝柱をより美味しく楽しむための切り方はこちらである。
ホタテに関しては、繊維に添って切るほうがプリッとした食感を楽しめる。
結論
刺身は外食で食べたり、すでにカットされているものを購入したりすることが多い。しかし柵で売っているものを自宅で切るのも新鮮である。柵を刺身にするには、切り方は魚の種類によって異なる。コツさえ覚えれば、家庭用の包丁でもじゅうぶんにキレイに刺身として切ることができる。切った刺身は美しく盛って、食卓の主役にしてほしい。
(参考文献)
※1.厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。