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きゅうり

きゅうりの苦い成分!異常な苦味の注意点や取り除き方を解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2023年2月18日

きゅうりを食べたら苦かった、という経験をお持ちの方はいないだろうか。傷んでいると思って廃棄した方もいるかもしれない。これは、きゅうりが持つ特有の苦みで、口にする前に取り除くこともできる成分だ。本記事では、苦いきゅうりに当たったときの対処法を紹介する。

  

1. きゅうりが苦い理由

きゅうり
苦いきゅうりを食べると、古いのか?腐ってるのか?と思う方も多いだろう。傷んだきゅうりの特徴は、やわらかくなって食感が損なわれるほか、ヌメりも出てくる。そのため、苦みがあってもこれらの現象が見られないきゅうりは腐っていないと考えてもよいだろう。
ではなぜ、苦いきゅうりとそうでないきゅうりがあるのか。それは、きゅうりに含まれるある成分が原因によるものだった。ここでは、苦いきゅうりが存在する理由を解説する。

ギ酸とククルビタシン

傷んでいないきゅうりが苦い理由は、きゅうりに含まれる2つの成分が関係しているからだ。まず1つ目の成分は「ギ酸」。きゅうりの緑色の皮下には、水分や栄養分を運ぶ維管束(いかんそく)と呼ばれる管が通っている。切断したきゅうりを口にしたときに感じる強い刺激や苦み・渋みは、きゅうりを切断したことにより、維管束からギ酸が滲出したからである(※1)。
2つ目の成分は「ククルビタシン」。これは、ゴーヤの苦みの元にもなっている成分の1つで、きゅうりのほかスイカやメロンといったウリ科植物の実にも含まれているものだ。ヘタに近い部分に含まれているが含有量はさほど多くなく、通常であればそこまで強い苦みは感じられない。しかし、稀にククルビタシンを多く含むきゅうりがあり、それに当たった場合は強い苦みや渋みを感じるのだ(※2)(※3)。

2. 苦いきゅうりが食中毒の原因に

腹痛
きゅうりが苦い理由は、ギ酸とククルビタシンの影響であるとわかった。このきゅうりの「苦み」、少々であれば問題ないが、感じたことのない強い苦みである場合は注意が必要だ。苦みの強いきゅうりは、健康被害を引き起こす危険性がある。通常では感じたことのないような苦いきゅうりを食べてしまった場合はどうなるのか、その症状を見てみよう。

通常ではない苦み

ウリ科の植物には、きゅうりのほかにかぼちゃ・冬瓜・ズッキーニなどが挙げられる。これらの野菜には、先ほどから登場するククルビタシンという苦みの成分が含まれているのだ。
通常、苦いと感じさせるククルビタシンの含有量は少量である。しかし、中には含有量の多い個体も存在し、それを食べると腹痛・下痢・嘔吐といった食中毒症状を発症することがわかっている(※3)。
自家栽培のきゅうりも注意が必要だ。そのため、農林水産省などでは苦みの有無を確認してから調理するよう呼びかけている。この苦み成分は、加熱処理をしたからといって無毒化するわけではない(※3)。通常ではない苦みを感じた場合、食べるのをやめて廃棄してほしい。
なお、ウリ科の植物でもゴーヤの苦みは別物だ。ゴーヤの苦みは「モモルデシン」と呼ばれるもので、食べてもククルビタシンのような食中毒症状を発症することはない(※3)。

3. きゅうりが苦いときの対処法

きゅうり
苦みの強いきゅうりは別として、少々の苦みであればある方法で取り除くことができる。ここからは、少し苦いかな?と感じるきゅうりについて、その苦みを取る方法を2つ紹介しよう。この食べ方を知っていれば、きゅうりを美味しくいただくことができる。ただし、通常ではない苦みのきゅうりは食中毒を引き起こす可能性があるため、食べるのをやめて廃棄してほしい。

ヘタとこすり合わせる

まず1つ目は、切断したきゅうりのヘタと残ったきゅうりの実、それぞれの切断面をこすり合わせる方法だ。きゅうりに含まれるギ酸は、維管束以外の組織では確認されていない成分である(※2)。そのため、維管束にあるギ酸を除去すれば、きゅうりの苦みを低減させることができるというわけだ。
ヘタと実をこすり合わせたきゅうり・そうでないきゅうりの維管束の滲出液量を調査する研究では、こすり合わせたきゅうりの滲出液量が、そうでないきゅうりの滲出液量より少なかったというデータが得られている(※2)。きゅうりのヘタと実をこすり合わせることで維管束液の排出を促せば、ギ酸に由来するきゅうり特有の苦みを取り除くことができるのだ。
こすり合わせた際に出てくる白色の泡を洗い流せば、苦みの除去は完了。苦いきゅうりも食べやすくなる。

板ずりをする

2つ目は、まな板と塩を用いて苦みを取り除く「板ずり」という方法だ。これは、塩をもみ込んだきゅうりをまな板の上で転がして苦みを低減させる方法である。きゅうりの皮下にある維管束組織を破壊し、維管束液を排出させる点で苦みの低減に有効な方法だ(※2)。
板ずりをするときゅうり表面が滑らかになるほか、色を鮮やかにしたり味なじみをよくしたりするメリットもある。ひと手間かけて下処理すれば、苦いきゅうりも美味しくいただくことが可能だ。

結論

苦いきゅうりについて、その苦み成分や危険性、苦みを取り除く方法を解説した。通常ではない苦みを感じるきゅうりは食中毒を引き起こすリスクがあるため、食べずに廃棄すること。少々の苦みであれば、紹介した方法を実践して美味しくいただいてほしい。
(参考文献)
※1
運営元:公益社団法人日本栄養・食糧学会
該当ページ名:66_255
URL:
※2
運営元:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
該当ページ名:vegeteanews35
URL:
※3
運営元:農林水産省
該当ページ名:ズッキーニに、苦み(えぐ味)が強い物が稀にあるのですが、原因はなんですか。また、食べても問題ないですか。:農林水産省
URL:

監修医師:中澤 佑介先生

経歴:患者さんに近い立場で専門的医療を提供したいという想いから、泌尿器科クリニック(泌尿器科/内科)を開院。2023年5月 金沢駅前にメンズヘルスクリニックを開院予定。 【資格】金沢医科大学 医学博士、日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
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  • 更新日:

    2023年2月18日

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