1. みかんが腐る時の状態
甘くて美味しいみかん。購入したら最後まで美味しく食べたいものだが、カビたり、腐ってしまったりする場合も少なくない。みかんは腐るとどのような状態になるのだろう?ここではみかんが腐ったときの見分け方を解説していきたい。
カビが発生
みかんの腐敗でもっとも代表的なものがカビだ。緑色や白色のカビが生えているみかんを一度は見たことがあるだろう。みかんに発生するのは主に青カビで、ひとつにカビが生えると徐々に周りを侵食していく。某ドラマの名言にもなった「腐ったみかん」とはこのことである。持ち上げるとカビがふわっと舞うこともある。
皮がドロドロになる
見た目にはカビていなくても、表面がブヨブヨと柔らかい状態になっている場合は腐っている、またはカビに汚染されている可能性が高い。剥いたあとの内皮がドロドロになっている場合も食べない方が安心だ。
においや味の異常
見た目には普通でも、異臭を放っている場合は、腐っているまたはカビ菌に汚染されている可能性があるので注意が必要だ。さらにいつもとは異なる味がしている場合も食べるのをすぐにやめること。
2. みかんが腐る原因
みかんが腐っていたり、カビが生えていたりする状況を見たことがある人も多いことだろう。なぜみかんは腐りやすいのか?ここではみかんが腐る原因を紐解いていこう。
カビが好む環境になっている
カビは胞子から増える性質をもつ生き物である。菌が増えて袋状になってはじめて、人間の目に映るようになる。そんなカビが好む環境は温度、湿度、栄養が揃っているところだ。みかんは箱で買ってそのまま保存するとまさにカビが好む条件に合致してしまう。とくに箱の底の方は通気性が悪く、湿気が溜まりやすい。
傷つきやすい
みかんは柔らかく、水分量がそもそも多いフルーツだ。このため、傷がつきやすい。箱で買ってそのまま保存すると、幾重にも積み重なったみかんが下のみかんを潰しかねない。傷がつき、水分が流出すると細菌やカビ菌がこぞって集まってくる。その結果腐ってしまうのだ。
エチレンガスが発生する
エチレンガスとは、野菜やフルーツが出す植物ホルモンの一種だ。リンゴが赤くなる、バナナが柔らかくなるなど、成長に欠かすことのできないホルモンでもある。みかんはエチレンガスとは関係なく熟していくが、腐るとなると別。大量のエチレンガスを発生させる。この大量のエチレンガスが、周囲のみかんを腐敗へと追いやる可能性があるのだ。
3. みかんが腐るのを防ぐ方法
みかんは柔らかく、保存環境によっては腐りやすい性質を持っている。このため、工夫をしないとどんどん腐ってしまう危険性があることはお分かりいただけただろう。一体どのように保存すれば、みかんは腐りにくいのだろう?ここではみかんが腐るのを防ぐ保存方法を解説していきたい。
カビが生えたものは捨てる
ひとつのみかんにカビが生えるとどんどんと周りを侵食して、あっという間にすべてのみかんが腐るといった事態を引き起こしかねない。カビが生えたみかんや腐ったみかんを見つけたら、まずそれを取り除くこと。カビ菌が飛び散らないよう袋などに入れて捨てるのが正解だ。目には見えなくてもカビ菌がついていることも考えられるので、表面を拭き、なるべく早く食べきることをおすすめする。
新聞紙をクッションにする
前述の通り、箱買いしたみかんの場合は重みでみかんが潰されてしまう危険性が。さらに通気性が悪いので、底部分は湿気が溜まりやすい。これを軽減させるのが新聞紙だ。箱買いした場合は、一度みかんを全部を出して、腐敗がないか確認。箱の底に新聞紙を敷いて、みかんを並べ、重ねるときは丸めた新聞紙をクッション代わりにしていくといい。
ヘタを下にして保存する
柔らかいみかんのなかで、もっとも硬い部分がヘタだ。このため、ヘタを下にして置くことで果肉にかかる負担を軽減することができる。保存に適している温度は5~10℃。この温度帯であれば、常温が適切だ。暖房などで部屋が非常に温まっている場合は、直射日光の当たらないベランダや玄関などがおすすめだ。
結論
みかんは、手で皮が剥けることからもわかるように柔らかいフルーツである。このため、傷つきやすく、結果として腐りやすい。さらに段ボールで箱買いしたものをそのままにしたり、購入してきたビニール袋に入れたままにしたりすると湿気が溜まりやすく、カビが生えることも多い。旬の時期、美味しくみかんを食べきるためにも腐ることがないよう適切な方法で保存をしたいものである。
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。