美味しい舞茸の見分け方｜鮮度や賞味期限・天然ものの特徴も解説

舞茸は10月が出荷のピークであるが、1年を通じて入手が簡単なきのこである。鮮度のよい舞茸を見分けるにはどんな点に注意すべきなのか。またより価値があるとされる天然の舞茸にはどんな特徴があるのかも説明する。

鮮度のよい美味しい舞茸の条件はこちらである。

舞茸を購入する際にはこれらの条件を満たしたものを選んでみよう。

現在市場に出回る舞茸の大半は、人工栽培によるものである。舞茸は本来、日本全土のカシ、シイの木の根元に生えるきのこで、その美味から「見つけたら舞い上がるほど嬉しい」というのが名前の由来とされている。天然の舞茸は希少であるが、露地栽培のものとはどこが違うのだろうか。天然舞茸の特徴はその軸にあるとされている。軸の部分が太く重量感があり、食べるとより歯ごたえがあるとされている。傘の部分よりも主役級の美味しさを誇る軸が、本物の天然舞茸の特徴といえるだろう。

舞茸はどのくらい日持ちするきのこなのだろうか。実は舞茸は保存性が高い食材とは言い難く、3日前後で食べきる必要がある。舞茸が傷みはじめたり腐ったりした場合の症状には、どのようなものがあるのか。注意が必要な場合の舞茸の見分け方を解説する。

傘の部分にハリがあるのが鮮度のよい舞茸の特徴であるが、時間がたつと水分が出てくる。水っぽくべちゃっとしてきたら質が落ちてきた証拠であり、この水分は雑菌やカビの原因となる。舞茸はこうした劣化が進む前に食べきってほしい。

上記のように水分が出始めると、舞茸は異臭を放つことが多くなる。通常の芳香とは異なるすっぱい臭いがし始めたら、腐敗が進行している証拠である。

鮮度がよい舞茸は、傘の部分にハリがあり、渇いているのが通常である。一方、鮮度が落ちて水分が出始めると、舞茸の傘の部分を中心にぬめりを感じることがある。舞茸は本来ぬめりを持たないきのこであるため、この症状がある場合は注意が必要である。

腐敗が始まると、舞茸は全体的に変色する。傘の部分は黒っぽくなり、軸の部分も茶色みを帯びてくる。腐敗進行状況にもよるが、舞茸が変色し始めたら臭いや触感にも注意してほしい。

舞茸はもともと菌糸であるため、白っぽいカビのようなものが付着していることもある。新鮮な舞茸であればふき取って食べることも可能であるが、水分によるカビの場合は要注意である。臭いや手触りも参考にして、カビの生えた舞茸は廃棄する必要がある場合もある。

舞茸をはじめとするきのこは、生で食べるとお腹を壊すことがある。また舞茸にはタンパク質分解酵素が含まれているため、生食するとイガイガしたように感じることもある。（※1）

舞茸を調理する場合、生焼けかそうでないかを見分けるにはどんな方法があるのだろうか。生の舞茸の傘の部分は、乾燥してパリッとしている。調理をすることでこの部分が水分を吸収し、しんなりとしてくる。これが火が通った状況の特徴である。傘の裏に充分な水分が行き渡ったら食べごろ、と判断できるのである。

舞茸をはじめとするきのこの鮮度というのはわかりにくい。舞茸の場合はハリや色で鮮度を図り、腐敗が進んだものは食べないよう気をつける必要がある。とくに渇いている状況が通常の舞茸が水分を含むと、さまざまな腐敗の症状を呈するためよく見分けるようにしてほしい。生焼けの舞茸は危険であるため、調理中の舞茸も上手に見分けて、美味しく健康的に舞茸を食べるようにしよう。

経歴：管理栄養士養成施設を卒業後、栄養士資格・管理栄養士資格・栄養教諭資格を取得。学校給食センターでの勤務時に小・中学生に食育を実施した経験を活かし、栄養分野の記事執筆・監修を中心に活動中。