目次
- ※1.集英社 情報・知識imidas「消費期限/賞味期限[食生活]」
- ※2.厚生労働省「加工食品の表示に関する共通Q&A」 https://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/pdf/qa_i.pdf
- ※3.生活協同組合連合会コープ北陸事業連合「「ホクトのまいたけ」の賞味期限を知りたい」 https://www.coop-hokuriku.net/qa/5065
1. 舞茸に賞味期限が書かれていない理由

1970年代から人工栽培が始まった舞茸。味のよさや手軽さが受けて、いまではわれわれの食生活に浸透している。その舞茸、購入時のパッケージにはなぜ賞味期限が記載されていないのか。その理由から見てみよう。
記載の義務がない
賞味期限は、製造日を含めて6日から3年以内に消費すべき製品に明記することになっている。(※1)つまり、殺菌や加工によって腐敗する懸念のない商品にのみ賞味期限があるのである。(※1)舞茸は生ものであるため、賞味期限の表示義務はない。いっぽう、消費期限は5日以内に消費すべき製品に表示が義務付けられているが(※1)、厚生労働省は生野菜に関しては消費期限の表示は必要なしとしている。(※2)舞茸も生野菜と同じ扱いになる。このため、消費期限および賞味期限、いずれの表示義務もないのである。
2. 舞茸の賞味期限はどれくらい?

美味しく安全に食べるための指標となる消費期限や賞味期限がない舞茸、それでは実際にどのくらい保存が可能なのだろうか。舞茸の保存可能期間について説明する。
日持ちする目安
舞茸の日持ちは、生野菜と同じと考えてよい。つまり、購入した舞茸は冷蔵庫で保存し、3日ほどで消費するのが基本である。保存期間は最大でも1週間と覚えておこう。(※3)また、使い切れない場合は冷凍保存することもできる。その場合は1か月ほど保存が可能となる。
3. 舞茸の賞味期限切れの見分け方

賞味期限が記載されていない舞茸、傷んで食べてはいけない状態も知っておく必要がある。
賞味期限が切れた状態の舞茸について見ていこう。
傷んできた状態とは
舞茸が傷みだすと、表面にぬめりが発生したり白いカビが生えたりする。また、身に締まりがなくなり触っただけで崩れたり、酸っぱさを感じる異臭がある場合も要注意である。通常とは異なる色に変わっていたり、舞茸から水分がにじみ出たりしている場合も腐敗が進行していると考えてよい。視覚や嗅覚、触感においていつもの舞茸と違う場合は、賞味期限切れとみなして廃棄するようにしよう。
ここで賞味期限と消費期限の相違についておさらいをしておこう。(※1)
・賞味期限
JAS法による義務。製造日も含めて6日~3年以内に消費すべき加工品に明記されている。加工や消毒によって食中毒の懸念がないため、味と栄養を保証する期間を示している。
・消費期限
食品衛生法による義務。製造日も含めて5日以内に消費するべき商品に明記されている。総菜や豆腐などがその対象である。この期限内に消費しないと健康に害を与える可能性がある。
つまり舞茸の場合は、賞味期限というより消費期限というのがふさわしいといえる。
4. 舞茸の賞味期限を延ばす方法

生野菜同様に早めの消費が望ましい舞茸であるが、美味しさを保持しつつより長く保存するためのコツはあるのだろうか。舞茸の賞味期限を延ばすための保存方法を見てみよう。
保存方法について
舞茸は生野菜と同様、冷蔵保存が基本である。冷蔵庫に入れる際には、水分はしっかりと除去することが長持ちのコツとなる。1回で使い切れない場合には、ビニール袋に入れたりラップでくるんだりして保存する。いずれにしても早めの消費を心がけよう。冷凍保存をする場合は、解凍後の調理の手間を考えて適当な大きさに裂き、専用の保存袋に入れる。冷凍保存をした舞茸の保存期間は3週間ほどである。調理時には凍ったまま使用可能である。また天日干しなど乾燥した舞茸ならば、常温で保存できる。乾燥舞茸は湿度や温度に注意しながら保管し、早めに食べきるのがベターである。
結論
歯ごたえのよさや処理の手軽さで人気の舞茸。舞茸には賞味期限が存在しない。生野菜と同じ扱いであるため、冷蔵保存をしてなるべく早く食べるのがおすすめである。できれば3日以内、最長でも1週間以内に消費するのが望ましい。舞茸にぬめりや異臭がある場合には、腐敗が進んでいる可能性もある。正しい保存方法で舞茸の美味しさと鮮度を維持しつつ、舞茸を味わってほしい。
(参考文献)