1. 納豆の白い粒は食べられる
納豆を開けた瞬間に見かける白い粒は、カビではないかと心配になることがある。しかし実際には白い粒は問題なく食べられるのだ。そんな納豆の白い粒の正体を紹介しよう。
チロシンの結晶
納豆の白い粒の正体はチロシンという物質の結晶で、納豆菌の発酵が進むと現れる。これは、納豆菌により大豆が分解されてできた物で、アミノ酸の結晶でもある。アミノ酸は疲労回復やストレス軽減などの効果が期待できるので、チロシンも決して悪い影響ばかりではなく、食べても問題はない。白い粒であるチロシンは口に入れると納豆とは違うシャリシャリとした食感がする。もともとチロシンは水に溶けにくい性質を持っているので、納豆を混ぜてもしっかりと食感が残ってしまうのだ。また、チロシンが発生するということは、納豆の発酵が進んでいる証拠でもある。
2. 納豆の白い粒と賞味期限
納豆の白い粒はチロシン結晶だと紹介したが、このチロシン結晶は発酵が進んでいる合図でもある。つまり白い粒のある納豆は、賞味期限切れになっていることがあるのだ。そんな白い粒と賞味期限の関係を紹介しよう。
賞味期限の目安
納豆の白い粒の正体であるチロシンは、納豆の発酵が進み、賞味期限が近づいているサインでもある。チロシンは納豆菌の発酵分解が進むことで発生し、さらに湿度が低く冷たいと結晶化するといわれている。つまり冷蔵庫で保存していても発生することがあるのだ。チロシンは食べられるが、納豆が発酵し劣化し始めているサインでもあるので、白い粒を見つけたら、早めに食べるのがいいだろう。
3. 納豆の白い綿状のものの正体
納豆を開けると白い粒だけではなく、白い綿状のものを目にすることがある。この白い綿状のものの正体を詳しく紹介する。
納豆菌の菌膜
納豆の白い綿状のものの正体は、納豆菌の菌膜だ。菌膜は、納豆が正常に発酵している証拠でもあり、安心して食べることができる。この納豆菌の菌膜は、すべてが白色をしているわけではなく、茶色いものや一部だけ白いものなどさまざまだ。また、菌膜のつき方も異なるがすべて安心して食べられる。
結論
納豆を食べる際に見かける白い粒は、納豆菌の発酵が進んだことによりチロシンという物質が結晶化したものだ。白い粒はアミノ酸なので食べても問題ない。しかし発酵が進んでいるということは賞味期限が近づいているサインでもあるので、早めに食べきるようにしたい。
監修管理栄養士:小林里穂
経歴:管理栄養士養成施設を卒業後、栄養士資格・管理栄養士資格・栄養教諭資格を取得。学校給食センターでの勤務時に小・中学生に食育を実施した経験を活かし、栄養分野の記事執筆・監修を中心に活動中。