目次
- ※1参照:厚生労働省 「ノロウイルスに関するQ&A」 品川 邦汎 先生(岩手大学農学部教授) 武田 直和 先生(国立感染症研究所ウイルス第二部第一室長) 西尾 治 先生(前国立感染症研究所感染症情報センター第六室長) 宮村 達男 先生(国立感染症研究所) 山本 茂貴 先生(国立医薬品食品衛生研究所食品管理部長) https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1205-5g.pdf
1. 牡蠣をレンジで調理する方法

調理が難しいと思われがちな牡蠣だが、レンジを使って簡単に美味しい蒸し牡蠣が作れるのをご存じだろうか。ここでは、殻付きの生牡蠣のレンジを使った調理の手順やポイントを解説していこう。
調理のポイント
牡蠣の汚れが気になる場合は、流水で軽く洗い流してからよく水気をきっておく。大きめの皿に牡蠣の丸みがあるほうを下向きに置く。ラップをして500wのレンジで1個あたり約3分を目安に加熱しよう。加熱後の容器や牡蠣はかなり熱くなっているので、火傷しないように注意しよう。蒸しあがった牡蠣は熱いため軍手などをして、専用のナイフで殻を外していく。殻の口が開いたところにナイフを入れて、貝柱を切ってから上殻を外す。蒸し牡蠣はすぐに冷めてしまうので、醤油やレモンなど好みの調味料をかけて早めに食べるのがおすすめだ。
2. 牡蠣の冷凍をレンジで調理する方法

殻付きの生牡蠣のレンジでの調理方法が分かったところで、今度は冷凍した牡蠣をレンジで調理する方法を紹介していこう。
調理のポイント
生牡蠣と同じく汚れが気になる場合は、流水で軽く洗い流してから水気をよくきる。大きめの皿に、牡蠣の丸みのあるほうを下に向けラップをする。冷凍した牡蠣の場合は、生牡蠣よりも時間がかかるため、大きさを見て調整するのがよいだろう。目安としては殻の大きさが10cm前後で約4~4分半、15cm前後で7~7分半程度だ。あくまでも目安なので、専用のナイフで殻を外した際にまだ冷たい場合は、再度加熱するようにしよう。
3. 牡蠣のレンジ調理の注意点

生牡蠣と冷凍牡蠣のレンジでの調理方法が分かったところで、今度はレンジで調理する際の注意点を解説していこう。
爆発させないコツ
牡蠣をレンジで調理する際に、加熱しすぎると身が爆発する可能性がある。爆発させないためのコツは、一気に加熱するのではなく様子を見ながら少しずつ加熱することである。また、加熱しすぎで身が縮むことがあるので、適切な加熱時間を心がけるようにしよう。
食中毒について
牡蠣をレンジで調理する際は、食中毒にならないようにしっかりと加熱する必要がある。生牡蠣などの2枚貝は、海水と一緒に餌となるプランクトンを吸い込む。その際に、食中毒の主な原因となるノロウイルスなども身体に取り込んで蓄積するため、生牡蠣を食べるとあたる可能性があるのだ。生牡蠣は殻から出した際にまな板などの調理器具を汚染する可能性があるため、使用した調理器具は熱湯で煮沸消毒をしたほうがよい。ノロウイルスは食品の中心が85℃以上で1分間加熱すれば感染しないといわれているので、十分に加熱して食べるようにしよう。(※1)
結論
牡蠣は調理が難しいと思われがちだが、レンジを使えば簡単に調理ができる。しかし、牡蠣はよく加熱しないと食中毒になる可能性があるので注意が必要だ。生牡蠣と冷凍牡蠣とでは加熱時間が異なるため、様子をみながらしっかりと中心まで熱が通っているか確認するのが重要である。この記事を読んで、牡蠣をレンジで調理する際の参考にしてみてほしい。
(参考文献)
監修管理栄養士:黒沼祐美
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士、健康運動指導士資格を取得。企業給食管理、食品メーカーでの商品開発、医療機関での栄養指導、健保組合での特定保健指導などを経験。その後、食文化や料理技術を学ぶためイタリアにて1年間料理留学を経験し、2012年より在住。これまでの経験を活かし、現在はオンラインでの特定保健指導や食・栄養関係の記事監修などを行う。