1. はまぐりの砂抜き
では早速、はまぐりの砂抜きのやり方とポイントを紹介する。スーパーで売っているはまぐりは砂抜き不要のものもあるが、気になる方は再度砂抜きをしておくとより美味しく食べられるだろう。
やり方とポイント
はまぐりの砂抜きは、ボウルに3%濃度の塩水を作り、そこにはまぐりを浸けておくのが基本的なやり方だ。貝同士が重なっているとうまく砂を吐ききれない場合があるので、大きめのボウル、またはバットを使用するのがポイントである。
ボウルやバットの上にはふわっとアルミホイルをかぶせておき、はまぐりが好む暗い環境を作ってあげよう。こうすることで、はまぐりが砂を吐きやすくなる。塩水に浸けておく時間は2~5時間。冷暗所に置いておくのがおすすめだが、夏にはまぐりの砂抜きを行う場合は腐らせないよう冷蔵庫に入れておこう。時間が経ったら軽く水気を取り、殻と殻をこすり合わせるようにしてはまぐりの汚れを取れば砂抜き完了だ。
砂が完全に抜けているか心配な方は、調理する前日から一晩かけて砂抜きをすると安心だろう。その際、酸素不足によりはまぐりが弱ってしまうため、塩水は5時間を目安に取り換えよう。
また、潮干狩りで採ったはまぐりは含んでいる砂の量が多い可能性があるため、砂抜きに半日程度時間をかけるとよい。
2. はまぐりの砂抜きを時短で行う方法
はまぐりを調理に使用したいのに、砂抜きを忘れたときや購入してすぐ使いたい場合は、50度のお湯を使い時短で砂を吐かせることも可能だ。詳しいやり方とポイントを見ていこう。
やり方とポイント
はまぐりの時短の砂抜きは、「50度洗い」という方法。はまぐりを並べたバットに45~50度のお湯をかぶる程度注ぎ、5分ほど置くだけ。このやり方は、50度ほどの熱いお湯をかけることによってはまぐりにショックを与え、身の表面についた砂が押し出されるカラクリ。
ポイントは、45~50度の温度設定を守ること。50度以上のお湯で砂抜きをすると、はまぐりの美味しい出汁まで抜けてしまうので注意してほしい。しかし、いくら温度設定を守っても、熱いお湯にはまぐりを浸けると死んでしまう可能性があることを頭に入れておこう。時間が十分に取れる場合は、塩水でじっくり砂抜きをするのがおすすめである。
3. はまぐりの砂抜きをした後は
はまぐりを美味しく食べるためには、砂抜き以外にも重要な工程がある。砂を吐いたはまぐりは、体内に塩水を含んでいる状態だ。このまま調理すると、はまぐりが持つ塩分が料理の味に影響を与えるため、調理前には塩抜きもしておこう。
塩抜きの方法
はまぐりの塩抜き方法はとても簡単だ。やり方は、砂抜きをして洗ったはまぐりを再度ボウルやバットに並べて放置するだけ。その際、砂抜きのときと同じく、はまぐりの上にはアルミホイルをかぶせておこう。そのまま1時間置いたら塩抜き完了だ。砂だけでなく、塩水も吐かせておくことで、はまぐり本来の味になる。
はまぐりをより美味しく食べるためには、砂抜きだけでなく塩抜きまでしておくのがポイント。調理前にしっかり処理をすることで素材本来の味が引き出され、はまぐりが持つ旨みを料理に最大限発揮できるだろう。
結論
はまぐりの砂抜きのやり方を紹介した。時短で砂抜きをする方法もあるが、基本的には塩水で時間をかけて砂抜きする方法がおすすめだ。塩水で砂抜きをしてもはまぐりが開かない場合は、塩分濃度は間違っていないか、暗くしてあるかを確認しよう。スーパーなどではまぐりを購入した際は、ここで紹介した砂抜きや塩抜きを実践して、美味しいはまぐりを味わってほしい。
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。