1. コーヒー粉の正しい保存方法:常温保存の3つのコツ
コーヒーもほかの食品同様、時間とともに劣化する。焙煎した直後から劣化がはじまるのだ。美味しくコーヒーを飲むためには、保存状態が重要になってくるというわけだ。ここではコーヒー粉の常温保存のコツを解説していこう。
直射日光を避ける
コーヒー粉は、紫外線に非常に弱い。直射日光をあてないことはもちろん、遮光性のある容器やパッケージに入れることが重要である。できれば、開封後は遮光性があり、密封できるキャニスターなどの容器に移すのがベスト。また温度によっても劣化が進む可能性があるので、一定温度の場所に保存したい。
密閉して保存する
コーヒー粉の劣化は、酸化によって促される。とくにコーヒー粉は豆の状態より表面積が大きくなるので、空気に触れる部分が必然的に増えるので注意が必要である。なるべく空気に触れないように意識することが重要だ。このため、購入してきた袋のまま、口を輪ゴムで止めて保存しているというよくあるケースはあまりおすすめはできない。密閉容器あるいはさらに空気が入りにくい密封容器を用意するのがベスト。また湿度が高いことも味わいを損ねる危険性があるので、乾燥剤などを入れるのもいいだろう。
保存期間は一週間が目安
驚くかもしれないが、コーヒー粉は開封後、美味しく飲める期間はたったの数週間だけ。焙煎から数えても二週間経過すると風味や香りが落ちていく傾向にあるそうだ。購入後で考えるとおよそ一週間が目安といえるだろう。その期間内に飲みきれない場合は常温ではなく、ほかの保存方法を採用する必要がありそうだ。
2. コーヒー粉の正しい保存方法:長期なら冷蔵庫や冷凍庫で保存
常温保存に向かない季節や期間内に使えない場合は、冷蔵庫や冷凍庫を活用するとよい。これらを使えば、直射日光や高温による劣化は防ぐことができる。冷蔵庫や冷凍庫で保存する場合は、密封容器に入れると逆に温度が下がりにくくなるため、購入時の袋のほうがベター。しっかりと口を閉じた後、ジップ付きの保存袋に入れると安心だ。このほか冷蔵や冷凍保存における注意点とデメリットを考えてみよう。
冷蔵や冷凍で保存する時の注意点
冷蔵や冷凍保存したコーヒー粉を常温に出すと温度変化で粉が水けを帯び、それが湿度の元となってしまう可能性がある。このため、使用分のコーヒー粉を取り出したら、なるべく早く残りを元通りに片付けること。素早く行うことがポイントである。また、大容量パックのコーヒーを冷凍する場合は、小分けにするのもひとつの手。小さめのアルミバッグに小分けにし、空気をしっかりと抜いて、さらにジップ付きの保存袋に入れると臭いうつりの心配も少ない。
冷蔵や冷凍保存のデメリット
冷蔵や冷凍保存したコーヒー粉は、必然的に温度が低い。このため、コーヒーの香りや風味を存分に抽出できない場合がある。また常温の戻す過程で空気中の湿度を吸ってしまうといったデメリットも。
3. コーヒー粉の正しい保存方法:未開封の場合
未開封であれば、酸素に触れる心配がないので常温での保存が可能だ。ただし、直射日光があたる場所や高温になる場所はNG。パントリーなど風通しのよい場所に保存するといい。1年くらい保つものも存在するが、なるべく早く飲みきるのがベターだろう。
結論
コーヒー粉の保存の基本は光と酸素、湿度にさらさないこと。常温の場合は密封容器に入れ、一週間以内で飲みきるのがおすすめだ。それ以上になる場合は、遮光の袋のまま口をしっかり閉じて、ジップ付きの保存袋に入れて冷蔵庫や冷凍庫で保存するといい。開封後はどうしても日に日に、コーヒーの風味や香りが落ちてしまう。家でコーヒーを美味しく楽しむ秘訣は、なるべく早めに飲みきることといえそうだ。
監修管理栄養士:黒沼祐美
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士、健康運動指導士資格を取得。企業給食管理、食品メーカーでの商品開発、医療機関での栄養指導、健保組合での特定保健指導などを経験。その後、食文化や料理技術を学ぶためイタリアにて1年間料理留学を経験し、2012年より在住。これまでの経験を活かし、現在はオンラインでの特定保健指導や食・栄養関係の記事監修などを行う。