1. 手島さんのトマトづくり

手島さんのトマト栽培へのこだわりの1つが、「葉かき」という生育途中で不要な葉を取り除く作業です。トマトは光を好む野菜で、程よく実にも太陽光が当たった方が美味しいトマトになるため、葉が実にかかって太陽光がさえぎられないよう工夫しているそうですよ。
もう1つのこだわりが、土壌の水分を調節すること。実はトマトは水分をしっかり与えるのではなく、制限してストレスを与えることでギュッと濃縮された味わいになるのだそう。
トマトづくり1年目は、研修も受けずに独学でチャレンジしたこともあり、失敗に終わったそうです。しかしその後も試行錯誤を重ね、現在の方法にたどり着いたのだとか。その方法とは、根付かせるときだけ水を与え、その後は極力水をあたえないで育てるというもの。トマトは小さい時に性質が決まるそうで、定植前の苗を育てる期間が重要なのだとか。一般的には鉢いっぱいに水を与えて3日おくのを繰り返すそうですが、手島さんはおちょこ1杯分しか水を与えず、乾燥した状態と湿った状態を繰り返すのだそう。そうすることで根が乾燥に強くなり、水を与えなくなっても栽培が可能なのだそうです。手島さんは定植後に無潅水(むかんすい)で栽培することがこだわりだと話されていました。
2. 「赤もぎ」と「青もぎ」

トマトを収穫するタイミングには、青い状態で収穫する青もぎと、赤くなってから収穫する赤もぎがあることを教えていただきました。 トマトは販路によって、採るタイミングが分かれるそう。市場に卸してから店頭に並ぶ場合は、収穫から店頭に並ぶまでに時間がかかるため青もぎをします。すると店頭に並ぶまでにちょうど赤く色づきます。また固い状態で収穫するため、輸送の際も傷つきにくいなどのメリットもあるそうです。
直接お客さまに販売したり、直接スーパーに納品したりする場合には、収穫してから比較的短い時間で店頭に並ぶため熟してから収穫する赤もぎをするそう。青もぎに比べて果肉が柔らかいため、箱詰めなどを丁寧に行う必要があり大変ではありますが、栄養を多く蓄え、美味しい状態で届けることが可能になるそうです。
3. 赤もぎと青もぎを見分けるポイント

せっかくなら美味しい赤もぎのトマトを選びたいですよね。そこで手島さんにトマトが赤もぎか青もぎかを見分ける目利きの方法について教えていただきました。
そのポイントは「へた」だそう。青もぎのトマトは、スーパーに並ぶころには収穫から時間が経っているため、へたがふにゃふにゃになっているんだとか。またその間に水分も抜けてしまい、みずみずしさが失われるそう。赤もぎのトマトは収穫の翌日など、採ってから時間があまり経っていないため、へたがピンと張っているそうです。
結論
手島さんのトマト栽培へのこだわりや、トマトのヘタを見て美味しさを見分ける方法を教えていただきました。ぜひ今回紹介した方法を参考に、美味しいトマトを選んでみてください!
今回ご協力いただいた農家さん
手島農園 手島孝明さん

埼玉県桶川市で江戸時代から続く農家の18代目として1974年に生まれる。
1998年に株式会社明治に入社し、営業・マーケティングの業務を経験した後、2011年4月より家業を継ぎ、自社ブランドの「男気トマト」を立ち上げる。
1998年に株式会社明治に入社し、営業・マーケティングの業務を経験した後、2011年4月より家業を継ぎ、自社ブランドの「男気トマト」を立ち上げる。
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