目次
1. スマホが熱いときに考えられる原因

スマホが熱い原因はさまざまだ。ここでは主な原因として4つを解説するので、ご自身がどのケースに当てはまるか確認してほしい。
高温下や熱がこもりやすい場所で使用している
まず挙げられる理由が、スマホを使用している場所の気温だ。真夏日に外でGPSを使用したり、アプリを起動したまま歩いたりしているとき、スマホが熱いと感じた経験はないだろうか。高温下や熱がこもりやすい環境下でスマホを使用していると、端末内部からうまく放熱できなくなり、本体が熱くなることがある。
カバーをつけている
スマホの傷や汚れを防止するためにカバーを付けている人は多いが、これもスマホを熱くする原因のひとつだ。スマホをカバーで覆うと熱が十分に放出されないことがあり、内部に熱がこもってしまう。
充電しながら使用している
スマホの電池が少なくなってきたとき、充電ケーブルにつないだままインターネットを閲覧したり、ゲームをしたりすると発熱の原因となることが多い。
CPUに負荷がかかりすぎている
近年は高画質のグラフィックや大量のボイスデータを使用したコンテンツをスマホで利用する機会が増えている。こうした大容量のアプリを起動する、複数のアプリをバックグラウンドで立ち上げたままにするなどで、スマホ内部にあるCPUに大きな負荷がかかり、発熱や動作速度の低下を招くことがある。
アプリのバージョンが古い
特定のアプリを使っている最中やダウンロードしたあとにスマホが熱くなる場合は、アプリが原因かもしれない。問題のアプリを最新版にバージョンアップするか、アンインストールして様子を見てみよう。
そのほかの要因による一時的な動作不安定
上記の原因以外にも、スマホが一時的な動作不安定に陥っている可能性も考えられる。電源を切ってバッテリーを取り外すなどの対策を行い、様子を見てみるといい。
2. スマホが熱いこととバッテリー(電池)との関係は?

バッテリーが劣化すると、スマホが熱いと感じる原因となることもある。スマホが熱くならないようにするためにも、バッテリーの負荷を軽減する方法を覚えよう。
バッテリーの劣化で熱くなることもある
スマホを購入したばかりの頃はバッテリーも新品なので、頻繁に充電しなくても長時間スマホを使うことができただろう。しかし、使っている期間が長くなるとバッテリーが徐々に消耗し、こまめな充電が必要となる。スマホで採用されているリチウムイオン電池は熱に弱い性質があるため、充電回数が多くなると負担がかかり、バッテリーそのものが熱を持ちやすくなることがある。
スマホの機能で電池消耗を抑える
スマホにインストールされているバッテリーセーバーなど、バッテリーの消耗を抑える機能を活用しよう。使用していない余計なアプリを停止したり、画面の明るさを抑えたりすることで、バッテリーの消耗を抑制できる。同時にCPUへの負荷も軽減されるため、スマホの発熱を抑えられる場合もある。
バッテリーにも寿命がある
スマホのバッテリーには寿命がある。充電後の使用時間が極端に短くなってきたと感じたら、バッテリーの寿命が近づいてきている可能性がある。
バッテリー交換を検討しよう
バッテリーの発熱を改善するもっとも簡単な方法は、新品との交換だ。交換するときには機種ごとに適切な電池の型番を確認し、スマホを購入したメーカーの店頭やオンラインショップで純正のものを手に入れよう。
バッテリーが取り外せないときは?
近年ではスマホとバッテリーが一体となっている機種も多い。この場合は自力でバッテリーを交換することができないので、メーカーに交換を頼むか、スマホの買い替えを検討したい。
3. スマホの熱い状態が続くとどうなる?

スマホが熱い状態のまま放置すると、どのようなリスクがあるのだろうか。次からは熱くなったスマホを使い続ける危険性を解説しよう。
「熱暴走」を起こしてしまう
熱暴走とは、スマホが熱くなり動作が不安定になる状態を指す。熱いスマホを使い続けていると、本体が高温になることで内部のパーツなどが正常に機能しなくなり、熱暴走を起こしてしまう。
バッテリーの劣化が早まってしまう
上でも紹介したように、スマホで採用されているリチウムイオン電池は熱に弱い性質があるため、熱いスマホのまま使っているとバッテリーの劣化が進むおそれもある。
製品寿命が縮んでしまうおそれがある
リチウムイオン電池同様、スマホに使われているパーツの多くは高温の状態で使っていると寿命が短くなりやすい。それによりスマホ自体の寿命が短くなる可能性も高いといえる。
発火、やけどなどのリスクもゼロではない
まれに触れないほどスマホが熱くなる場合もある。手を触れることでやけどしたり、さらに高温になると発火したりなどの事故も起こりうる。
4. スマホが「熱くて重い」のはセーフティ機能による可能性も

スマホが熱いのは、セーフティ機能が作動しているからかもしれない。これはスマホが熱くなった際に自動的に対策できる機能で、最近のスマホには搭載されているケースが多い。
セーフティ機能とは
セーフティ機能とは、スマホが高温になりすぎないように処理速度を落とす、バッテリーへの給電を止めるなどの対策が自動的に行われる機能のことだ。
セーフティ機能が働いたときに見られる症状は?
セーフティ機能が作動すると、スマホに以下のような症状がみられる。一見故障かと思ってしまいそうだが、むしろスマホが高温になりすぎないように正しく機能している状態なので、慌てずスマホを冷却しよう。
- スマホの画面の動きが重くなり、カクカクとした動作になる
- カメラアプリが強制終了になる
- 充電ケーブルを挿しても充電が開始されない
- 自動的に再起動する
5. スマホが熱いときの正しい冷却方法とは?

スマホが熱い状態のまま使い続けるとさまざまなリスクがあるとわかった。スマホが熱いときは、以下のような正しい冷まし方でクールダウンさせよう。
充電を中止する
スマホを充電している場合、いったん充電を中止しよう。これでバッテリーからの発熱を抑えられる。
カバーを外す
もっとも簡単にできる方法が、スマホに装着したカバーを外すことだろう。スマホは本体全体から熱を逃がすという構造になっている機種が多い。放熱を妨げないように余計なものを取り外してしまおう。手で触れて「スマホが熱い」と感じるうちはカバーを再び付けないようにしたい。
アプリを終了する
使用中のアプリを終了させると、スマホのCPUへの負荷を軽減し、発熱を抑えられる場合がある。動作が遅くなってきたり、熱いと感じたりしたときには、アプリをシャットダウンしてみよう。
スマホの電源を切る
上記の方法でも発熱が収まらないときは、スマホの電源を切り、人間と同じようにスマホ本体も休憩させよう。機種ごとの正しい方法で電源を完全に切り、直射日光の当たらない場所にしばらく置いておくと熱さが軽減されるだろう。
扇風機などで風を当てる
熱くなったスマホに扇風機などで冷たい風を当てると、表面から放熱することで冷却を促進できる。素早く熱を取りたい場合は試してみるといい。
6. スマホが熱いときにやってはいけない冷却方法とは?

手っ取り早くスマホを冷却させるためには、冷蔵庫に入れるなどの対処法を試したくなるかもしれないがNGだ。ここではスマホが熱いときにやってはいけない冷却方法を解説する。
冷蔵庫に入れたり保冷剤で冷やしたりするのはNG
スマホが熱いと感じたとき、本体を冷やそうとして保冷材を当てたり冷蔵庫に入れたりしてしまう、という事例がある。しかし、スマホは急激に温度を変化させてしまうと故障しかねない。
冬の寒い日に室外と室内の気温差によって窓が結露するように、スマホも内部と外部の温度差が大きいと内側に水滴が発生してしまう。スマホ内部が湿ってしまった場合は、素人ではどうすることもできない。将来的に内部機器に影響を及ぼしてスマホが動かなくなる、という事態になりかねないので、冷蔵庫や保冷剤で冷ますことは避けよう。
冬の寒い日に室外と室内の気温差によって窓が結露するように、スマホも内部と外部の温度差が大きいと内側に水滴が発生してしまう。スマホ内部が湿ってしまった場合は、素人ではどうすることもできない。将来的に内部機器に影響を及ぼしてスマホが動かなくなる、という事態になりかねないので、冷蔵庫や保冷剤で冷ますことは避けよう。
ただし「常温保冷剤」を使えば冷却は可能
熱いスマホを冷却する際、「常温保冷剤」であれば使用してもいい。常温保冷剤とは、「潜熱」の仕組みによって物質を冷却する保冷剤のことだ。潜熱とは、物質が固体から液体などに状態変化する際に移動する熱エネルギーを指す。
常温保冷剤は固形でも常温だ。そのためスマホに接触させても一気に冷却するのではなく、スマホが一定以上の温度になって初めて常温保冷剤の成分が変化し熱を奪うため、急激に冷やされることはない。つまり結露といったトラブルを招くリスクが低くなるのだ。
常温保冷剤は固形でも常温だ。そのためスマホに接触させても一気に冷却するのではなく、スマホが一定以上の温度になって初めて常温保冷剤の成分が変化し熱を奪うため、急激に冷やされることはない。つまり結露といったトラブルを招くリスクが低くなるのだ。
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7. スマホが熱くなるのを防ぐには?

スマホが熱を持ちすぎないようにするためには、日頃から以下のような使い方を意識したい。
充電をしながら使用しない
充電中のスマホを使うとバッテリーに負荷をかけるため、できるだけ充電しながら使用しないほうがいい。とくに重くて負荷の大きいアプリは開かないでおこう。
高温下で使用したり置いたりしない
直射日光が当たる場所など、 高温下でスマホを使用したり置いたりしないことも大切だ。スマホに原因がなくても温度が上がってしまい、熱暴走の原因となってしまう。
使っていないアプリは終了させる
使用していないアプリをつけっ放しにしていると、CPUに負荷をかけることがある。また、使い終わったアプリを閉じたつもりでもバックグラウンドで動いている場合もあるため、使用後はしっかり終了しよう。
アプリやOSを最新バージョンにアップデートする
アプリやOSの不具合で無駄な処理が発生している場合、発熱の原因にもなる。不具合を解消するためにはアップデートを行い、最新バージョンに更新しておきたい。
ケースを使用しない、または買い替える
ケースがスマホの放熱を妨げる場合もあるため、ケースを使用しないという選択肢もある。また、金属などの放熱効率がよいケースに変えるのも手だ。
省電力モードで使用する
スマホを省電力モードで使用することで、消費電力を抑えてCPUの負荷を減らし、発熱を軽減できる場合もある。
8. スマホが熱いのは何らかのサイン!放置せずに対策を

紹介してきたように、スマホが熱いのはCPUに負荷がかかりすぎている、熱暴走を起こしているなど何らかのサインといえる。放置するとバッテリーの劣化が早まるなどのリスクもあるため、電源を切るなどして対策しよう。
結論
今や私たちの生活に欠かせないスマホだが、本体が熱いまま使い続けているとさまざまなリスクがあり、いざというときに使えなくなるおそれもある。スマホからの発熱は「本体からのSOS」と覚えておき、負荷をかけない使い方を心がけたい。