1. おさらいしたい洗い方~

まずは正しい洗い方を覚えておこう。ガラスの種類によっては禁止事項も生じるため、ここではグラスや食器に使われることの多い3つのガラスの違いも覚えておいてほしい。
ソーダ石灰ガラス
一般的なガラス。耐熱性はない。
クリスタルガラス
酸化鉛が含まれている。ソーダガラスよりも傷つきやすく、重い。ガラス同士を合わせたときに出る金属音で他のガラスと判別可能。耐熱性はない。最近はバリウムやチタン、石灰などを使った無鉛クリスタルも作られている。江戸切子をはじめとするカッティンググラスや、高級ブランドのものが代表的だ。
耐熱ガラス
別名、ホウ珪酸ガラス。厚くて重いプレス成型品は120℃程度、薄くて軽いブロー成型品は120~150℃まで対応可。買ったときのラベルや、製品自体に表記がある。レンジ用ボウルやケーキ用の焼き型といった調理器具だけでなく、パスタ皿やティーカップのセットなど、テーブルウェアとして使えるものも多い。
手洗い
中性洗剤をしみこませた柔らかいスポンジで洗うのが基本だが、汚れが乾いている時は中性洗剤を溶かしたぬるま湯に30分程浸しておこう。このときスプーンやフォークなどと一緒に入れておくと、傷つくことがあるので避ける。研磨剤入りのクレンザーやタワシなどは絶対に使用しないこと。小さなヒビや力のねじれで割れてしまうこともあるため、優しい力でこする。他の洗い物から油汚れが移ってしまわないよう、ガラス専用のスポンジがあれば尚良い。取っ手付ならばグラスの内側を洗うときも便利だ。洗い終わったら、流水や湯でよくすすぐ。
食洗機
他の物とこすれて傷がついたり庫内の温度差で割れることがある。クリスタルガラスは、専用洗剤が鉛と反応して変色や曇りの原因になることもあるので注意。食洗機対応のガラス以外はオススメしない。どうしても使う場合は、他のグラスや食器類と重ねないようにしよう。
2. ほんの少しの技で違いが出る乾かし方・保管方法~

拭き方・乾かし方
すすぎの仕上げを40℃以上のなるべく熱い湯で行うと、水切れが良い。拭くときは麻や綿100%のケバが出ない柔らかくて清潔なふきんや、メーカーが販売している専用クロスを使う。筆者が某ホテルのレストランで働いていた際、グラスを拭くときには、専用クロスを両手に持ち、片手でグラスの底部を押さえながらもう片方の手で全体を拭き上げるよう教えられた。この方法なら手の脂もつかない。
拭かないで自然乾燥にしても大丈夫だが、水切れが悪いと水滴が留まり、水道水に入っている塩素やカルシウムの跡がついてしまうことがある。ホワイトスポットと呼ばれるこの跡は、ついてすぐならクロスで磨くようにふけば除去できるが、頑固なものはなかなかとれない。
拭かないで自然乾燥にしても大丈夫だが、水切れが悪いと水滴が留まり、水道水に入っている塩素やカルシウムの跡がついてしまうことがある。ホワイトスポットと呼ばれるこの跡は、ついてすぐならクロスで磨くようにふけば除去できるが、頑固なものはなかなかとれない。
保管方法
せっかく丁寧に洗って乾かしたガラス製品なのだから、保管方法にも気を配っていただきたい。ついついやりがちであるが、グラスは積み重ねて収納してはいけない。傷の原因になるだけでなく、はまって取れなくなってしまうことがあるからだ。スタック式のものは大丈夫だが、基本的には互いが接触しないようにしよう。スプーンやフォークといった小物類を入れておくのも良くない。また、伏せて置いておくと湿気で曇ってしまうことがあるため、飲み口は上に向けておくか空気の逃げ道を作っておく。
プレートやデザートボウルなどもできれば重ねないのがベストだが、やむを得ない場合は間に布や紙ナプキンなどをはさんでおくと傷の心配が減る。グラスでもプレート類でも、取り出すときに手があたると倒したり落としたりしてしまうことが考えられるため、ぎゅうぎゅうに入れすぎないようにするのも大切だ。
プレートやデザートボウルなどもできれば重ねないのがベストだが、やむを得ない場合は間に布や紙ナプキンなどをはさんでおくと傷の心配が減る。グラスでもプレート類でも、取り出すときに手があたると倒したり落としたりしてしまうことが考えられるため、ぎゅうぎゅうに入れすぎないようにするのも大切だ。
3. しつこい汚れがついてしまったときの取り除き方~

水アカ(ホワイトスポット)やステイン(茶渋やワイン渋など)、油汚れなら、いつもの洗い方にほんのひと手間加えるだけで、取り除くことが可能だ。家にあるものや店で簡単に手に入るものでできるので、ぜひ気軽に試してみていただきたい。ただし、クリスタルガラスには使えないので注意しよう。
水アカ(ホワイトスポット)
アルカリ性の汚れである水アカは、酸性のレモンや食酢で落とすことができる。スポンジや布巾、ペーパータオルなどに含ませてこするだけで良いのだが、スポンジを使うときは水分によって成分が薄まってしまわないよう、乾いたものを使うようにする。粗塩も付けてやると酸性が強くなってさらに効果的だが、傷つかないように気をつけよう。
ステイン
茶類やコーヒーの汚れだけでなく、赤ワインによるものにも対応できる。ついたばかりの軽いものなら、洗剤を使わずに、アクリル毛糸で作ったアクリルタワシや、重曹をのせたスポンジや柔らかい歯ブラシでこするだけで落とすことができる。重曹は浸け置き洗いにも向いているし、食用タイプなら抵抗なくたっぷり使えるのが嬉しいポイントでもある。アクリルタワシや重曹でも取れない頑固なステインには、薄めた食器用漂白剤を使う。30分以上は浸けておこう。ただし、すすぎを充分に行うことや極力薄い濃度でつかうこと、樹脂や金属といった使用不可素材がついていないかどうかの確認をしっかりするよう気をつけてほしい。
油汚れ
重曹をのせたスポンジや柔らかい歯ブラシでこする。なるべく熱めの湯で洗おう。
結論
ガラス食器のケア方法を、基本である洗い方から紹介してみた。注意事項はいろいろとあるが、一度身についてしまえば簡単なことばかりだったのではないだろうか。結婚祝いや新築祝いなど、何かと記念の際にもらいがちなガラス製品。国内外の旅先で、美しいガラス細工の食器を手に入れることもあるだろう。思い出と一緒に、ぜひとも大切に扱っていきたいものである。