1. 見た目以上に汚れが付着

例えば野菜を切った後、パンを切った後ならサッと水洗いするか手で払えば使えてしまう。それはあくまで日頃の除菌がしっかり出来ていれば、の話だ。過去の汚れが蓄積していることを忘れないで欲しい。
まな板に除菌が必要な理由
まな板は直接食材を乗せる。それだけでも衛生面に気遣いたい理由となるが、まな板には包丁作業がつきものだ。包丁による見えない傷が縦横無尽についているし、使う人のクセによって同じ場所ばかり集中的に傷がつく。この傷に細菌が染み込む形で、繁殖に好条件なため急増殖してしまうのだ。特に魚や肉のたんぱく質は悪玉菌の大好物なので注意が必要だ。
素材別特徴
同じまな板でも素材によってメリットとデメリットが違う。木製は重たく、乾燥させないとカビや変色がおこる等のデメリットはあるが、ちょっとしたコツでカバーできるのをご存知だろうか。食材を切る前に必ず水でサッと湿らせると、食材がまな板にくっつき切りやすくなる上臭いや色もプラスチック製より付きにくくなるのだ。包丁の刃当たりも柔らかく、表面の傷も削り直しに出せる。プラスチック製は汚れがサッと落としやすく、手入れが楽なのが特徴である。水で湿らせることなくパンやお菓子を切ることが出来、乾燥も早い。ただ、包丁の刃当たりが強く手が疲れやすい。最近は樹脂製のまな板もあり、包丁の当たりは木に近いし傷もつきにくく人気のようだ。ただしゴムが滑ったり、吸水性が一切ないことには注意しよう。
2. 毎日の手入れで清潔に保つ

汚れが蓄積するまな板は使用するたび最低限の手入れをし、週に1回はしっかり除菌することをおすすめする。
まずは汚れ落とし
大まかな汚れはサッと水で流し、特に魚や肉の切れ端はきちんと落とす。除菌効果のある台所用洗剤や粗塩など粒状の物をまぶして、木製ならタワシで擦る。木製以外はスポンジを使おう。すすぎも念入りに行う。
除菌する
各素材に合った方法で除菌する。詳しい方法は後述するが、耐熱や変色を考えないとまな板を傷めてしまう。
乾燥
水気を拭き取って十分乾燥させる。とはいえ夜まで頻繁に使う場合はその日の最後にしっかり乾燥させることを意識しよう。拭き取るタオルが清潔であることも必須である。保管は風通しがいいところがベストだ。
3. まな板の除菌方法

使うたび洗い、一日の最後に除菌するのが清潔を保つコツだ。
洗剤を使わない方法
熱湯をかける、という方法は簡単かつ確実に除菌が出来、包丁なども一緒に行えるため大変便利である。この場合、木製なら問題ないが、プラスチック製は必ず耐熱温度を確かめよう。もし耐熱性なら70~80度のお湯で十分効果がある。シンクに85度のお湯を溜めてまな板をつければ、ノロウイルスでも1分で死滅する。熱湯をかける時はタンパク質が凝固してこびりつかないよう、あらかじめ中性洗剤でよく洗っておこう。その他の方法として、乾燥も期待できる日光消毒や、重曹をまぶして酢をスプレーしてからタワシで擦る方法もある。
アルコールスプレー
あらかじめ洗って拭いたまな板にアルコールスプレーや市販の除菌スプレーを吹き付けてもう一度拭く方法。調理前も気軽に行える。
除菌洗剤や漂白剤の塗布
台所用除菌洗剤や塩素系漂白剤をまんべんなくまな板にかける。その上からラップをぴったりと貼り、5分ほど放置しよう。中性洗剤は原液をかけ、ゴムベラなどで塗布すると便利だ。ただし漂白剤を使う除菌は木製に行うと変色や素材を傷める恐れがあるため、木製は熱湯で対処しよう。洗剤が残らないようにすすぎと乾燥は徹底する。
結論
まな板の除菌は素材によって違いがあるため、自宅のまな板に合った方法で確実に除菌しよう。細かな傷に入り込んだ汚れには、まな板掃除専用のタワシを用意するといい。慣れると簡単に行うことが出来るので、一日の終わりに習慣づけて大切な家族を食中毒から守ろう。