1. 「キッチンハイター」とは?「ハイター」と何が違う?
まずはハイターとの違いも交えながら、キッチンハイターに関する基本的なところから解説しよう。衣服用のハイターについても紹介するので、ぜひ確認してほしい。
キッチンハイターとは
キッチンハイターとは、花王株式会社が販売している台所用の塩素系漂白剤だ。まな板や食器などの漂白、除菌、消臭に使用する。食器用洗剤で取りきれない、食器などの黒ずみ・シミ・茶シブなどの漂白にも効果的だ。薄めて使う液状のモノと泡状のモノの2種類がある。
ハイターとは
ハイターとは衣類用の塩素系漂白剤で、一般的な洗濯洗剤で落とせない汚れに効果がある。漂白力が強いため白無地衣料専用。黄ばみ・黒ずみの漂白や食べ物・血液によるシミの除去、衣類の除菌にも効果がある。
色柄ものに使える衣類用酸素漂白剤「ワイドハイター」や、衣類の黄変回復用として使用される「ハイドロハイター」もある。それぞれ用途や使用できる衣類が異なるので、違いをチェックしておこう。
色柄ものに使える衣類用酸素漂白剤「ワイドハイター」や、衣類の黄変回復用として使用される「ハイドロハイター」もある。それぞれ用途や使用できる衣類が異なるので、違いをチェックしておこう。
キッチンハイターとハイターは互いに代用できる?
キッチンハイターとハイターはどちらも塩素系漂白剤だが、代用するのは避けたほうがよい。漂白力や除菌力が高い塩素系漂白剤は、慎重に扱う必要がある。台所用のキッチンハイターと衣類用のハイターでは、細かい使用方法や注意事項が異なるので確認が必要だ。間違った使い方をすると危険なので、用途に合わせて使い分けてほしい。
2. キッチンハイターやハイター以外にも種類がある
「ハイター」と名の付く商品は、キッチンハイターとハイター以外にもある。2021年4月23日時点、花王のホームページで確認できたモノと、その特徴を簡単に紹介しよう。
キッチンハイター除菌ヌメリとり
吹きかけて使える泡タイプのキッチンハイターだ。排水口のゴミ受けや三角コーナーの掃除、まな板の除菌にも手軽に使える。
強力カビハイター
カビの根から徹底的に除去できるカビ取り剤。粘着力のある泡が吸着するため、壁やシャワーホース、扉のゴムパッキンなど、垂直な場所にも使いやすい。
強力カビハイター排水口スッキリ
カビやヌメリを落とす排水口専用のハイターだ。水をそそぐと発泡する粉タイプの商品で、排水口や受け皿を触らずに掃除できる。泡タイプタイプのキッチンハイターと併せて使えば、排水口周りがピカピカになるだろう。
除菌洗浄トイレハイター
その名の通りにトイレ掃除に使用。ジェルタイプの液がフチの裏まで密着するため、こすらず黒ずみをスッキリと落とせる。
トイレハイター水ぎわ・水底スッキリ
トイレ掃除に使用する粉タイプのハイターだ。トイレの水たまり部の汚れを、発泡のパワーで除去できる。
パイプハイター高粘度ジェル
洗面所や浴槽、キッチンなどのパイプ掃除におすすめ。高粘度のジェルがパイプの内部に密着するため、髪の毛やヌメリをしっかりと溶かす。
洗たく槽ハイター
洗濯機の洗濯槽の掃除に使用するハイターだ。ためた水にそそぐと発泡して、洗濯槽裏に発生したカビや水垢をスッキリと落とせる。
3. キッチンハイターの成分と濃度
話をキッチンハイターに戻そう。どういった成分が含まれているのか、またそれらの濃度はどれくらいなのかといった部分を簡単に解説する。
キッチンハイターの成分
キッチンハイターの成分は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)、水酸化ナトリウム(アルカリ剤)、界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)だ。次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性で、高い除菌効果をもっている。水酸化ナトリウムには次亜塩素酸ナトリウムの浸透を助ける役割があり、界面活性剤は汚れを落とすのに効果的な成分だ。
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キッチンハイターの濃度
キッチンハイターに含まれる次亜塩素酸ナトリウムの濃度は6%で、目的に合わせて水に薄めて使用する。詳しい分量は商品の裏側に記載してあるので、必ず確認してから使おう。
また、キッチンハイターの主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、時間の経過で分解して濃度が薄まる。とくに直射日光があったたり、温度が高い場所に保管したりすると、分解が速くなるので注意が必要だ。3年以上たったキッチンハイターは濃度が低下して十分な効果が得られないので、使用は避けたほうがよい。
また、キッチンハイターの主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、時間の経過で分解して濃度が薄まる。とくに直射日光があったたり、温度が高い場所に保管したりすると、分解が速くなるので注意が必要だ。3年以上たったキッチンハイターは濃度が低下して十分な効果が得られないので、使用は避けたほうがよい。
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4. キッチンハイターの液体タイプと泡タイプの違いは?
ところでキッチンハイターには液体タイプと泡タイプがある。両者は何が違うのだろうか?特徴を解説するので一緒に確認していこう。
液体タイプのキッチンハイターの特徴
薄めて使用する液体タイプのキッチンハイターだ。水と混ぜてつけ置きに使用する。食器や調理器具、ふきんなど、まとめて漂白や除菌したいときにおすすめだ。
泡タイプのキッチンハイターの特徴
泡タイプのキッチンハイターは吹きかけるだけで使用できる。水で薄めるよりも手軽に使用できるのが特徴。排水口のゴミ受けや三角コーナーなどの掃除に活用できる。
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5. キッチンハイター(液体・泡)が使える場所やモノは?
キッチンハイターはどこにでも使用できるわけではない。使用できない場所やモノ(素材)にうっかり使ってしまうと、思わぬトラブルを招くおそれがあるため正しく理解しておく必要がある。まずは、キッチンハイターが使える場所やモノから見ていこう。
液体タイプのキッチンハイターが使える場所やモノ
- 白物のふきんやおしぼり
- メラミンを除くプラスチック製品
- ナイロン製品
- ステンレス製品
- 人工大理石
- 陶器
- ガラス器
- 木や竹製品
材質を確認した上で、まな板や食器、急須、マグカップ、哺乳瓶、お弁当箱などの消毒に使おう。また、キッチンハイターを水拭きで拭き取る必要があるが、冷蔵庫やドアノブにも使用できる。
泡タイプのキッチンハイターが使える場所やモノ
- メラミンを除くプラスチック製品
- ステンレス製品
- シリコン製品
- ナイロン製品
- 人工大理石
- 陶器
- ガラス器
- 木や竹製品
まな板や包丁、食器などのキッチン用品の除菌や、三角コーナーや排水口のゴミ受けなどの掃除に使える。使用するときは、その他の素材に泡タイプのキッチンハイターが付着しないように注意しよう。
6. キッチンハイター(液体・泡)が使えない場所やモノは?
一方、キッチンハイターが使えない場所やモノ(素材)は以下の通りだ。
液体タイプのキッチンハイターが使えない場所やモノ
- 色柄ものの繊維製品
- ステンレス除く金属製の容器や用具
- メラミン食器
- 漆器
- 天然石の調理器具
- 獣毛のハケ
- 水洗いできない製品や場所
- 食品
色柄ものの布類にキッチンハイターを使用すると、漂白して色が落ちるので使用できない。「塩素系が使えない」という表示があるケースもあるので確認しておこう。材質がわからないときは、目立たないところでチェックしておくと安心だ。
泡タイプのキッチンハイターが使えない場所やモノ
- メラミン食器
- 漆器
- 金属製品(ステンレス除く)
- 天然石の調理器具
- 獣毛のハケ
- 水洗いできない製品や場所
- 食品
液体タイプと同様に「塩素系が使えない」と表示があるモノへの使用は避け、材質が不明なモノは目立たない部分で確認する。キッチンハイターが付着すると色が落ちるので、汚れてもよい衣服を着用するなどの対策をしよう。
7. キッチンハイター(液体・泡)を使う上での注意点
キッチンハイターを使用するにあたっての注意点もある。安全かつ正しく使うためにも必ず確認しておこう。なお本稿では以下2点のみを挙げさせていただいたが、実際にはほかにも注意すべき点がある。あわせて商品パッケージや花王HPも必ずチェックしておいてほしい(※1・※2)。
酸性タイプの製品などと混ぜるのはNG
塩素系のキッチンハイターと、酸性タイプの洗剤と混ぜると毒ガスが発生する。酢など酸性のモノも同様なので注意しよう。生ゴミやアルコールと混ざることで、有害ガスが発生するケースもあるため、危険なモノはすべて遠ざけておくと安心だ。
ゴム手袋を着用し、換気をしながら作業する
キッチンハイターが皮膚に付着すると、痛める可能性が高い。必ずゴム手袋を着用して、皮膚についたら十分に洗い流そう。独特の刺激臭があるので換気も必要だ。気分が悪くなるなど異常を感じたときは、すぐにその場から離れる。目にしみたり咳き込んだりしたら、手を洗ってから洗顔やうがいをしてほしい。
8. 液体タイプのキッチンハイターの使い方
ここからはキッチンハイターの基本的な使い方を紹介していこう。まずは液体タイプからだ。分量はキャップ(1杯約25ml)で正確に量ろう。
ふきん、おしぼりなどの除菌と漂白の仕方
- 水(5L)にキャップ1.2杯のキッチンハイターを混ぜる
- 除菌(消臭)なら2分、漂白(除菌・消臭)なら30分ほどつけ置きする
- キレイな水でしっかりすすぐ
まな板、マグカップ、食器などの除菌と漂白の仕方
- 水(5L)にキャップ2杯のキッチンハイターを混ぜる
- 除菌(消臭)なら2分(木製のまな板は5分以上)、漂白(除菌・消臭)なら30分ほどつけ置きする
- キレイな水でしっかりすすぐ
ドアノブなどのウイルス除去の仕方
- 水(1L)にキャップ0.4杯のキッチンハイターを混ぜる
- 薄めた液に布を染み込ませてドアノブを拭く
- キッチンハイターを薄めた液が落ちるまで水拭きする
冷蔵庫の中を除菌したい場合は、水5Lにキャップ1/2杯を目安にする。布に染み込ませて拭いたら、あとはしっかりと水拭きするだけだ。
9. 泡タイプのキッチンハイターの使い方
泡タイプのキッチンハイターも基本的には同じだが、液体タイプのように水で希釈するのではなく直接スプレーできるため、小範囲にも使いやすく、また置いておく時間も短く済む。基本的な使い方を確認していこう。
除菌や消臭、ウイルス除去の仕方
泡タイプのキッチンハイターを吹きかけて、30秒以上水で洗い流すだけだ。プラスチック製のまな板や排水口のゴミ受けの場合は、30秒ほど放置してからすすぐ。それ以外のモノなら放置時間は2分間くらいだ。液がふれたシンクも合わせて、よく洗い流しておこう。
漂白やヌメリ取りの仕方
漂白やヌメリ取りの場合は、泡タイプのキッチンハイターを吹きかけて5分間ほど放置してから30秒以上洗い流す。除菌や消臭、ウイルス除去のときと同様に、シンクなど周りもしっかりとすすいでほしい。
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10. キッチンハイターで洗濯機の掃除(槽洗浄)もできる?
キッチンハイターを使って洗濯機の掃除(槽洗浄)をすることも可能なのだろうか?。洗濯槽は、内側(目に見える側)がキレイでも裏側には汚れや黒カビがびっしりということがある。洗濯槽専用のクリーナーも市販されているが、キッチンハイターで代用する方法も知っておくと役立つかもしれない。
キッチンハイターで洗濯機の掃除(槽洗浄)をする方法
- 洗濯槽の上まで水をためる
- 水(5L)につきキャップ1杯(約25ml)のキッチンハイターを入れる
- 2~3分ほど洗濯機をまわす
- 2~3時間ほど放置する
- 標準モードで1サイクルまわす
方法を紹介したが、花王ではキッチンハイターを洗濯槽に使用することを推奨していない。ステンレス槽にも使用できず、台所用漂白剤の使用を禁止している洗濯機メーカーもあるので注意。洗たく槽ハイターなど専用の商品を使用するのがおすすめだ。
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11. キッチンハイターの適切な使い方を覚えて正しく除菌しよう!
キッチンハイターは台所用品の除菌や掃除に活躍する。除菌や漂白効果によって、キッチン全体を清潔に保てるだろう。つけ置きなら液体タイプ、サッと使いたいなら泡タイプがおすすめだ。それぞれ使い方が異なるので、紹介した方法をマスターしておこう。
ただし、キッチンハイターが使えない素材もある。色柄ものの繊維製品やメラミン食器などに使うと、色落ちしたり傷んだりするので注意しよう。ゴム手袋を装着する、換気をするなど、キッチンハイターの基本的な注意点と併せて覚えておきたい。
ただし、キッチンハイターが使えない素材もある。色柄ものの繊維製品やメラミン食器などに使うと、色落ちしたり傷んだりするので注意しよう。ゴム手袋を装着する、換気をするなど、キッチンハイターの基本的な注意点と併せて覚えておきたい。
結論
キッチンハイターとは、強力な除菌・漂白効果がある台所用の塩素系漂白剤だ。台所用品やふきんの除菌、排水口のゴミ受けなどの掃除に活躍する。液体タイプと泡タイプの2種類があるので、それぞれの特徴と適した用途を確認しておこう。一方でキッチンハイターの洗濯機への使用は一般的に推奨されていない。トラブルを避けたいなら、専用の総洗浄クリーナーを使ったほうが安心だ。
(参考文献)
※1:花王|製品カタログ|キッチンハイター 小 600ml
https://www.kao.com/jp/products/haiter/4901301017598/
※2:花王|製品カタログ|キッチン泡ハイター ハンディスプレー
https://www.kao.com/jp/products/haiter/4901301733801/