1. 酸性洗剤とは?
まずは酸性洗剤の基礎知識を解説しよう。洗剤の種類やpH(ペーハー)など、知っておきたい知識をまとめた。
「酸性」の性質を持つ洗剤
酸性洗剤は「酸性」の性質をもった洗剤だ。酸で汚れを除去するほか、アルカリ性の汚れに対して威力を発揮する。逆に酸性の汚れには効果が弱いので注意が必要だ。
洗剤には「酸性」「中性」「アルカリ性」がある
洗剤の種類は「酸性」「中性」「アルカリ性」に分かれる。酸性洗剤はアルカリ性の汚れに、アルカリ性の洗剤は酸性の汚れに効果的だ。反対の性質がある汚れを中和すれば効率よく落とせる。どちらでもない中性洗剤は洗浄力が穏やかなので、素材を傷める心配が少ない。
pH(ペーハー)について
理科の実験でリトマス試験紙で酸性度を表す「pH」を学んだ記憶を持つ方も多いだろう。pHは14段階に設定されており、pH7を中性として0に近くなるほど酸性度が高くなる。pH3未満が酸性洗剤、pH3以上6未満が弱酸性洗剤なので、選ぶときの目安になるだろう。
2. 酸性洗剤はキッチンの水垢やトイレの尿石汚れに効果的
酸性洗剤を使いこなすには、どのような汚れに効果的なのか知る必要がある。効率よく掃除するためにチェックしておこう。
酸性洗剤で落とせる汚れ
・水垢
・尿石(尿汚れ)
・石鹸カス
・錆
水垢や石鹸カスはアルカリ性の汚れだ。お風呂場や洗面所、キッチンの汚れ落としに酸性洗剤は活躍する。また、酸性洗剤は尿石や尿汚れにも効果的なので、トイレ掃除にもおすすめだ。
・尿石(尿汚れ)
・石鹸カス
・錆
水垢や石鹸カスはアルカリ性の汚れだ。お風呂場や洗面所、キッチンの汚れ落としに酸性洗剤は活躍する。また、酸性洗剤は尿石や尿汚れにも効果的なので、トイレ掃除にもおすすめだ。
3. 酸性洗剤で落とせない汚れは?
酸性洗剤で落としにくい汚れもあるので注意が必要だ。落とせない汚れの種類を確認して、アルカリ性洗剤と使い分けてほしい。
酸性洗剤で落とせない汚れ
・油脂
・タンパク質(手垢や皮脂)
・炭水化物
このような酸性の汚れは酸性洗剤では落とせない。触ったときベタベタしているのが特徴だ。キッチンの油汚れやリビングの皮脂汚れには、酸性洗剤ではなくアルカリ性洗剤を使おう。
・タンパク質(手垢や皮脂)
・炭水化物
このような酸性の汚れは酸性洗剤では落とせない。触ったときベタベタしているのが特徴だ。キッチンの油汚れやリビングの皮脂汚れには、酸性洗剤ではなくアルカリ性洗剤を使おう。
4. 酸性洗剤の効果的な使い方
酸性洗剤の基本的な使い方を紹介する。トイレとキッチンに分けて効果的な掃除方法を紹介しよう。
トイレ(便器)のフチには「回しかけ」が効く
トイレはフチに尿石などの汚れがたまりやすいので、回しかけが有効だ。回しかけする酸性洗剤は、粘度が高いものを選ぼう。サラッとした酸性洗剤では汚れに長くとどまっていられない。かけてから2~3分ほど待ち、ブラシでこすれば汚れがキレイに落ちる。ただし、トイレを傷める可能性があるので長時間の放置は厳禁だ。
キッチンや浴室の鏡の頑固な水垢は「放置」で浮かせる
酸性洗剤は、こびりついた水垢や石鹸カスを溶かしながらキレイにしていく。放置時間を長くするとガンコな汚れにも対応することができる。その後はスポンジやブラシでこすったあとに水で流そう。プラスチック製品など、一部の素材は傷む可能性があるので、目立たないところで試してから使ってほしい。
5. 酸性洗剤の選び方
洗剤には酸性洗剤のほかにもいろいろなタイプがある。選ぶときにチェックしてほしいポイントをまとめた。
汚れの種類や用途に応じて選び分ける
酸性洗剤のほかに中性やアルカリ性に分かれる。アルカリ性の汚れには酸性洗剤、酸性の汚れにはアルカリ性洗剤というように、落としたい汚れを中和できる洗剤を選んでほしい。トイレの尿石やお風呂場の水垢はアルカリ性の汚れなので、酸性洗剤がおすすめだ。トイレ用やお風呂場用など、用途に合った酸性洗剤かもチェックしておこう。
また、酸性洗剤と弱酸性洗剤の違いを確認しよう。軽い汚れなら弱酸性、頑固な汚れには酸性洗剤が有効だ。洗浄力は酸性洗剤の方が強いが、弱酸性洗剤は肌や素材を傷めるリスクが少なく使いやすい。
また、酸性洗剤と弱酸性洗剤の違いを確認しよう。軽い汚れなら弱酸性、頑固な汚れには酸性洗剤が有効だ。洗浄力は酸性洗剤の方が強いが、弱酸性洗剤は肌や素材を傷めるリスクが少なく使いやすい。
6. おすすめの酸性洗剤10選!キッチンやトイレなどで使い分けよう
お店に並ぶいろいろな酸性洗剤のなかで、どの商品が自分の目的にマッチするのか。あるいはいま使っている酸性洗剤よりも強力なものはあるのか。酸性洗剤選びに迷っている方におすすめをご紹介しよう。
KINCHO「サンポール」
酸性洗剤の定番。50年以上のロングセラー商品で実力は実証済みだ。市販の酸性洗剤のなかでも最強の酸性度で、ガンコな汚れもすっきり。なかなか落ちないトイレの尿石にも効果がある。
ライオン「トイレのルック 除菌消臭EX」
酸性度はややマイルドだが、酸性洗剤にありがちの「ツン」とくる刺激臭がなく使いやすい酸性洗剤だ。トイレのフチも粘度の高い洗浄液で密着するので、汚れを落としやすくしてくれる。
ミヨシ石鹸「暮らしのクエン酸」
「酸性洗剤は刺激が強いから敬遠する」という方向け。粉末状になっているので、水で溶いてからスプレーに入れて汚れに吹きかける。ガンコな汚れには即効性はないものの、軽い水垢程度なら簡単に落とせる。普段の掃除に幅広く活用できる。
ビーワンコーポレーション「水あかしらず 酸性水垢クリーナー」
水垢や尿石にピッタリと張り付くジェルスプレー。業務用のパワフルな酸の力でガンコな汚れを柔らかくして取り除いてくれる。スプレーして10分ほど置けば、スルッと面白いほど水垢がはがれる。研磨剤が使われていないので、プラスチックのような柔らかい素材でも傷つかないので安心だ。
KINCHO「水回り用ティンクル」
水回り専用の酸性洗剤だ。スプレータイプなので、シュッとひと吹きしてからこすればキレイになるからお手軽だ。原料は酢酸なので、安心して使える。特殊抗菌剤も配合されており、生ごみ臭も抑えてくれる。
きれい研究所「茂木和哉」
洗剤の専門家と注目されている茂木和哉氏がプロデュースした酸性洗剤だ。温泉施設のガンコな水垢を落とすために研究開発された。酸性洗剤が持つ特性と研磨作用を併せ持ち、しつこい汚れに効果を発揮する。
ラクナ油脂「酸性洗剤オールセーフティー」
酸性洗剤のなかでも強力な酸度で汚れを落とすタイプだ。気になる水垢やアルカリ性の汚れにピッタリだ。液を塗布してしばらく放置し、そのあと軽くこすって洗い流すだけでキレイに汚れが落ちる。
花王「バスマジックリン 泡立ちスプレー」
酸性洗剤の浴室用合成洗剤。泡のパワーで汚れを吸収してすっきりと洗い上げる。スプレーした後20~30秒くらい放置してからシャワーで洗い流せばOK。しつこい汚れはもう少し時間を置けば気持ちよく落ちる。毎日のお風呂洗いに最適だ。
シーバイエス「酸性トイレクリーナー」
ミクロ粒子の作用で、1回の掃除で黒ずみや黄ばみが気になる水垢がすっきり落とせる。原液は高濃度だが、水で薄めて使えば床や壁のタイルにも使える。
エコベール「トイレクリーナー」
あまり強力な酸性洗剤は使いたくないという方に。天然由来成分配合で、弱酸性のため刺激がほとんどなく使いやすいタイプだ。強くないぶん環境はもちろん、配管、タンク、浄化槽などにもやさしいエコ洗剤といえる。
7. 酸性洗剤を使う上での注意点!塩素系漂白剤との併用は絶対NG
酸性洗剤を使用する前に注意点をチェックしておきたい。酸性洗剤を安全に使用するための基礎知識を解説する。
塩素系漂白剤と混ざると有害なガスが発生する
酸性洗剤と塩素系漂白剤は一緒に使用に使わないように注意しよう。混ざると有毒ガスが発生してしまい、深刻な事故につながる可能性がある。たとえばカビキラーなどのカビ取り剤や、キッチンハイターなどの台所用の漂白剤が塩素系漂白剤にあたる。こういった洗剤には「まぜるな危険」という表示があるので確認しておこう。
8. 中性洗剤の特徴と落とせる汚れ
洗剤は掃除する場所や汚れの種類に合わせて使い分ける必要がある。酸性洗剤と一緒に、中性洗剤の特徴を確認しておこう。
中性洗剤の特徴
中性洗剤は、酸性洗剤とアルカリ性洗剤のちょうど中間の液性にある洗剤だ。pHがpH6〜8以下なら中性洗剤になる。中性洗剤は肌への刺激が少なく素材を傷めるリスクも低い。酸性洗剤やアルカリ性洗剤に比べて洗浄力は劣るが、日常的な汚れなら十分落とせる力は持っている。
中性洗剤で落とせる汚れ
食器用をはじめリビング用、トイレ用、お風呂用、衣類用など、中性洗剤は日常に幅広く用いられている。それだけ安心して使える洗剤ということだろう。もちろん、洗浄力があるため肌への影響はゼロではない。心配な方はゴム手袋の着用をおすすめする。洗浄力が穏やかな中性洗剤で落ちない汚れには、酸性洗剤やアルカリ性洗剤を使ってほしい。
9. アルカリ性洗剤の特徴と落とせる汚れ
酸性洗剤と反対の性質をもつ、アルカリ性洗剤について紹介しよう。特徴と落とせる汚れを解説する。
アルカリ性洗剤の特徴
アルカリ性洗剤とはアルカリ性の性質を持った洗剤を指す。汚れ落としの原則は中和することなので、逆の性質を持つ酸性の汚れに効果的だ。洗濯やキッチンなどいろいろな掃除に活用できる。数字が高いほど酸性の汚れへの洗浄力は上がり、pH8~11までが弱アルカリ性、pH11以上ならアルカリ性だ。酸性洗剤とは落ちせる汚れが違うので、上手に使い分けよう。
アルカリ性洗剤で落とせる汚れ
酸性の汚れである油汚れや油脂にアルカリ性洗剤を使おう。コンロ周りの油汚れや焦げ付きなど、キッチンで活躍する。さらにアルカリ性の洗剤には、タンパク質を分解する効果がある。血液や食べこぼし、皮脂などがタンパク質の汚れに含まれる。そのため洗濯で使用する洗剤はほとんどが弱アルカリ性だ。手垢や皮脂汚れの掃除にも有効なので、酸性洗剤と合わせて毎日の掃除にぜひ活用してほしい。
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10. 酸性洗剤を使いこなして水回りをキレイに保とう!
酸性洗剤は水垢や石鹸カス、尿石といったアルカリ性の汚れに有効だ。こういった汚れが発生するお風呂場や洗面所、トイレの掃除に役立ててほしい。トイレには回しかけ、頑固な水垢には放置がおすすめだ。
ただし、酸性洗剤では油脂やタンパク質といった酸性の汚れは落とせない。掃除したい汚れに合わせて、アルカリ性洗剤と使い分けることが重要だ。素材を傷めにくい中性洗剤もあるので、酸性洗剤との違いをチェックしておこう。
ただし、酸性洗剤では油脂やタンパク質といった酸性の汚れは落とせない。掃除したい汚れに合わせて、アルカリ性洗剤と使い分けることが重要だ。素材を傷めにくい中性洗剤もあるので、酸性洗剤との違いをチェックしておこう。
結論
水回りの掃除に酸性洗剤を使えば、効率よく汚れが落とせる。アルカリ性や中性の洗剤と上手に使い分ければ、家中を清潔に保てるだろう。酸性洗剤と弱酸性洗剤の違いにもチェックしてほしい。おすすめの酸性洗剤も合わせて紹介したので、選ぶときの参考にしよう。