目次
- 1. 加圧シャツとは?
- 2. 加圧シャツの効果
- 3. 加圧シャツの正しい着方と脱ぎ方、長持ちさせるコツ
- 4. 加圧シャツの注意点
- 5. 加圧シャツの効果に関する誤った情報とは?
- 6. 加圧シャツの選び方
- シャツの袖に両腕を通す
- シャツの首まわりを、頭が通るくらいの幅に広げる
- 広げた首まわりに頭を通す
- 脱ぐときは腕を交差させ、シャツの裾を掴む
- 腹部から頭にかけて、シャツを引きはがすようにして脱ぐ
- ※1:加圧による痩身効果及び筋肉増強効果を標ぼうするシャツ等の販売事業者9社に対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/representation_190322_01.pdf
1. 加圧シャツとは?

そもそも加圧シャツとは何かについて、簡単に説明しておこう。
基礎代謝の向上を目的としたシャツのこと
着圧で身体に負荷をかけ、基礎代謝を上げる目的で着用するのが加圧シャツだ。一般的な加圧シャツの素材は「スパンデックス」と呼ばれる大変軽い化学繊維で、伸縮性や耐久性にも優れている上、ゴムのような性質ももつ。
このため加圧シャツは密着性が高く、競泳用水着をはじめとするスポーツウェアに使用されることが多い。着用中は腕が上がりにくくなるなど、日常生活のなにげない動作でも負荷がかかるといった特徴がある。
【コンプレッションシャツとの違いは?】
加圧シャツを探していると「コンプレッションシャツ(コンプレッションウェア)」にたどり着くことがあるが、両者は別モノだ。「加圧される」という点では同じだが、圧力は加圧シャツに軍配が上がる。
コンプレッションシャツは、どちらかというと「筋肉の動きをサポートしたり、無駄な動きを抑制したりしてケガを防ぐ」といった目的で着用するアイテムと思っておこう。
2. 加圧シャツの効果

加圧シャツを着用することによって、どのような効果が期待できるのだろうか?
筋トレの質や効率がアップする
加圧シャツを着用すると、何もしていなくても筋肉に圧力がかかる。その状態で筋トレをおこなうことにより、通常よりも効率よく刺激や負荷をかけられる。筋繊維もその負荷に耐えられるように発達するため、効率よく鍛え上げることができるというわけだ。
姿勢が改善する
加圧シャツを着用すると背筋が伸びるような姿勢になる。胸が上がり、肩が後ろに下がるといった具合だ。これにより自然と姿勢がよくなるだけでなく、筋トレ中もフォームが崩れにくくなるため、効率よく鍛えることにつながる。
基礎代謝がアップする(ダイエット効果)
日常生活のちょっとした動作でも普段以上に筋肉が使われるため、消費カロリーのアップが期待できる。また正しい姿勢になることで深い呼吸が自然とできるようになれば、それだけでも消費カロリーを増やせる可能性がある。基礎代謝のアップによりダイエット効果や、脂肪が燃焼しやすくなるといった効果も見込める。
3. 加圧シャツの正しい着方と脱ぎ方、長持ちさせるコツ

加圧シャツは、非加圧シャツと比べてかなり着脱しにくい。正しく着用するための方法や、長持ちさせるコツなどについても知っておこう。
加圧シャツの正しい着方と脱ぎ方
【生地を引っ張ろうようにして着脱するのはNG】
スパンデックスを使った加圧シャツは身体に圧力をかけやすい一方、締めつけにより着脱しにくいという問題点がある。中には加圧シャツの生地を引っ張るようにして着脱する方もいるが、それは控えたほうがよいだろう。
加圧シャツに限ったことではないが、着脱の際に引っ張ると伸びやすくなる。加圧シャツが伸びれば身体にかかる圧力も減り、期待するほどの効果が得られなくなるおそれがある。加圧シャツの機能性を長く維持するためにも、着方や脱ぎ方に注意するとともに、複数枚をローテーションするなどの方法も検討しよう。
4. 加圧シャツの注意点

加圧シャツは腹部や胸部が引き締まりやすい構造のため、体幹が支えられて姿勢も改善する。細身のスーツをかっこよく着こなせるなど、スタイルアップ効果も得られやすい。ただし注意点もあるので知っておこう。
自分の身体に合ったサイズを選ぶこと
「より強い圧力がかかる=より高い効果が期待できる」からと、自分の身体に対して小さいサイズの加圧シャツを選ぶことは避けよう。血流が滞り身体に悪影響をおよぼすおそれがある。
就寝中の着用にも注意が必要
眠っている間に身体を締めつけすぎると、体内で老廃物を処理するリンパの流れに悪影響をおよぼすおそれがある。着圧で筋肉が刺激され、体液の流れがよくなることも考えられるが「締めつけすぎ」はNGだ。
肌に異変を感じたら着用を中止する
加圧シャツは化学繊維であるため、痒みやかぶれの原因となることがある。肌が敏感な方などはとくに、加圧シャツをインナーにしたときなどに少しでも異変を感じたら速やかに着用を中止しよう。
5. 加圧シャツの効果に関する誤った情報とは?

さまざまなメリットや効果が見込める加圧シャツだが、2019年(平成31年)、消費者庁から「景品表示法違反」により措置命令(※1)が下されたメーカーが出たこともある。
「着るだけ」でやせる、筋肉が増えるといった効果はない
このとき措置命令が下されたのは9つのメーカーで、主に「着るだけで」痩せる、筋肉がムキムキになる、ぽっこりお腹が引き締まるといった効果を謳い、消費者に誤解させたというものだ。これにより「加圧シャツは効果がない」という情報が一気に広まった経緯がある。
実際、ただ着ただけで劇的にやせたり筋肉が増えたりすることは考えにくいため、そうした効果を期待して加圧シャツを購入することは控えたほうがよいだろう。とはいえ効果がないわけではない。加圧シャツはあくまで「トレーニングの質を高めるために着用するもの」だと理解しておこう。
6. 加圧シャツの選び方

現在さまざまな加圧シャツが販売されている。どれを選ぶかは自由だが、やはり効果を最大限に引き出すことができる、自分に合った商品を選びたいところだろう。たとえば次のようなポイントは、加圧シャツ選びの際にぜひ押さえておきたい。
サイズを選ぶ際は「胸囲」に着目する
加圧シャツのサイズ表記で注目すべき点は胸囲である。厚みのある肩から胸を基準にサイズを決めると、自分の身体に対して適切な加圧シャツが見つかるだろう。スパンデックスの含有量が多いほど圧力も強くなる。初めての方は普段着やトレーニングウェアとしても使用しやすいよう、スパンデックスの割合が低めの加圧シャツを選ぶとよい。
抗菌・防臭といった機能性加圧シャツを選ぶ
肌に直接触れるため抗菌や防臭といった機能を備えたものがおすすめだ。形状もさまざまあるため、夏は半袖やタンクトップ、冬は長袖など選び分けることも忘れないようにしよう。
結論
加圧シャツにはトレーニングの質や成果をアップさせる効果が期待できる。普段から筋トレなどで身体を鍛えている方は、そのメリットから常時着用したいと考えるかもしれない。だが注意点もあるため、双方を正しく理解した上で加圧シャツの効果をしっかり引き出してほしい。
(参考文献)
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