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日本酒の【酒米】について解説。普通のお米と何が違う?どんな品種がある?

日本酒の【酒米】について解説。普通のお米と何が違う?どんな品種がある?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年8月17日

真の酒好きに愛される酒、日本酒。夏には冷やし、そして寒い冬には温めて飲むことのできる貴重な酒だ。今回は、分類や飲み方などが様々な日本酒について、特に「酒米」について解説していく。格好良く日本酒をオーダーできる大人の男を目指そう!

  

1. 日本酒ってどんな酒?

日本酒のイメージ

日本酒のイメージは変わりつつある。一昔前までは「おじさんの飲み物」というイメージが強かったものだが、近年の日本酒ブームのためか、日本酒を嗜む人に対するイメージは「お酒に詳しそう」「渋い」などずいぶんポジティブなものとなっている。

とはいえ、日本酒は種類が多く、あまり考えず適当に選んでいるという人も少なくないだろう。この機会に、日本酒の基本のキを学んでいこう。

米から作られる酒

日本酒は、米を原料とする酒である。まず玄米を精米して洗い、水に浸して水分を吸収させる"浸漬(しんせき)"と呼ばれる工程のあと、蒸気で蒸す。そして、酒造りの根本として捉えられる "製麹(せいぎく)"と言う工程で麹を造り、"酒母造り"と呼ばれる工程で酵母を増やす。この後"醪(もろみ)"を造り、アルコールを加え、醪から生酒を搾り、濁りを取り除き、加熱によって殺菌処理し、熟成させて瓶に詰める。これだけの工程を経て、やっと出荷に至るのだ。

特定名称酒

「特定名称酒」は日本酒を語る上で重要である。使用原料・精米歩合・香味等の条件によって分類され、要件を満たすものはラベルなどに特定名称の種類を表示することが許可されている。詳しい条件については割愛するが、本醸造酒・純米酒・吟醸酒の3種類に大分され、更に細かく本醸造酒・特別本醸造酒・純米酒・特別純米酒・吟醸酒・純米吟醸酒・大吟醸酒・純米大吟醸酒の8種に分類される。

2. "酒米"とは?

日本酒は米を原料とする酒であることは先に述べた。しかし、我々が日常的に目に(口に)する米と日本酒に適した米とは異なる。ここからは、"酒米"と呼ばれる日本酒造りに適した米について解説する。

普通の米よりも大きい

日本酒を作る際には、玄米の状態から米を精米する。精米して残る白米の割合を"精米歩合"と呼び、例えば本醸造酒なら70%以下、大吟醸なら50%以下である。日本酒を作る工程においてこのように米の表面を削るため、日本酒に適した米は通常の米よりも大きめなのだ。

心白が大きい

米の中心にある白い芯のような部分を"心白(しんぱく)"と呼ぶ。米の中心にはデンプン質が多く、周囲はタンパク質やビタミン、脂肪分などが多い。と言うことは、心白が大きい米とはデンプン質が多く、タンパク質などが少ないと言うことになる。

食べる米の場合、米らしい風味や旨みの元となるタンパク質や脂質も重要であり、必ずしも心白が大きいからと言って美味し米とは限らない。ただし日本酒造りの場合、このタンパク質や脂肪分などが多すぎると米の強い風味や雑味、クセが出すぎてしまい、香りが悪くなることがある。このため、日本酒造りに使用される酒米は心白が大きい方が適すのだ。

醸造適性

醸造適性とは、"酒への醸造のしやすさ"である。心白発現率の大きさ・精米特性の態様・製麹性・破精込みの良し悪し・蒸米吸水率・粗タンパク質含有率などによって酒へ醸造しやすいとされる種類の米が酒米である。

3. 主な酒米

普段口にする米は、"コシヒカリ"や"あきたこまち"などの食用米である。では、酒米にはどのような種類があるのだろうか?

酒米の王様"山田錦"

「山田錦なしでは日本酒を語ることはできない」と言われるほど、日本酒造りにとって重要な酒米"山田錦"。数ある酒米の中でもっとも生産量が多く、鑑評会へ出品する日本酒の多くが山田錦を使って作られている。米の粒や心白の大きさは申し分なく、更に醸造適正にも優れており、まさに日本酒の玉の米である。日本一の酒どころとして知られる兵庫県での生産が9割を占め、「酒米の王様」や「白いダイヤモンド」と呼ばれている。

山田錦以外の酒米

山田錦以外の酒米にはどんなものがあるのだろうか?代表的なものを見ていこう。
  • 五百万石
    新潟県で作られる酒米。山田錦に次いで評価の高い酒米である。五百万石で作る日本酒は、淡麗でスッキリとした味わいを特徴とする。
  • 美山錦
    昭和53年に突然変異によって誕生した酒米。長野県や秋田県など、東北地方で作られている。軽快でスッキリとした味わいの日本酒となる。
  • 八反錦
    広島県の農業試験場にて昭和48年に誕生した酒米。香りが高く、淡麗な味わいを持つ日本酒となる。

結論

酒米について解説した。オシャレなイメージとなりつつある日本酒だが、銘柄や飲み方を覚えて格好良くキメていても、その基本となる「酒米」について語れるという人は多くはないことだろう。ぜひ、日本酒造りの根幹をなす「米」の知識を知ったうえで、その味わいの妙を楽しんでみてはいかがだろうか。
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  • 公開日:

    2020年3月17日

  • 更新日:

    2021年8月17日

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