1. ジン・フィズってどんな酒?

ジン・フィズは、世界4大スピリッツとして知られる「ジン」をベースにしたカクテルである。「スピリッツ」とは、醸造酒からアルコールを蒸留して作られる酒のことをいい、醸造酒よりもアルコール度数が高いのが特徴である。
ジンはすっきりとした味わいで飲みやすく、ジンを利用したカクテルの種類は多い。もともとジンは薬用酒として開発されたものであるが、すっきりとした飲み口が徐々に評判となり、「楽しんで飲む酒」としてイギリスを中心に広まっていった。
ジンはもともとオランダで「ジェニエーブル」として生まれた酒であるが、イギリスでは「ロンドン・ドライ・ジン」と名付けられて洗練され、さらにアメリカではカクテルベースとして注目を集めるようになったという歴史がある。
ジンを使ったカクテルには、代表的なものにジン・トニック、マティーニ、ギムレットなどがある。ジン・フィズは、ジンにレモンスカッシュを加えた酒だ。フィズという名前の由来は、炭酸ガスの弾ける「シュッ」という音から付けられたものである。
2. ジン・フィズの歴史と兄弟カクテル

ジン・フィズは、いまとなっては日本でもなじみ深いカクテルとなっている。はじまりは1888年のアメリカ南部ニューオリンズが舞台で、人気店の「インペリアル・キャビネット・サロン」のオーナーの「ヘンリー・ラモス」が、レモンスカッシュにジンを入れたことによる。はじめはオーナーの名前から一部を取り、「ラモス・ジン・フィズ」と呼ばれていたそうだ。
カクテルは通常、使用するグラスが決められている。ジン・フィズの場合はタンブラーという円筒タイプのグラスに入れるのが基本である。しかし、ジン・フィズと同じレシピで、背の高いコリンズグラスを使用する「トム・コリンズ」というカクテルも存在する。
この2つは、元々は使用するジンの種類が違い、トム・コリンズは甘い味のカクテルだったが、現在は同じ種類のジンを使用するようになったので、大きな違いは主にグラスのみになっている。
タンブラーの容量が240mlに対して、コリンズグラスの容量は300〜410mlとなっているので、トム・コリンズのほうが液量は多い。味に違いがなくても、グラスの違いでカクテルの種類が異なるというのも、興味深いトリビアではないだろうか。
3. ジン・フィズの作り方のポイントと合うつまみ

ジン・フィズは、バーテンダーの腕が試されるといわれるほど難しいカクテルともいわれている。しかし、自宅で楽しむ分にはおそれる必要は全くない。材料を合わせて混ぜるだけでよいので、気軽に作って楽しんでみよう。
ジン・フィズの作り方のポイント
ジン・フィズを作るときには、材料を入れてふるシェイカーを使うのが望ましい。シェイカーにジンとレモンジュース、シロップを入れてよくふる。このとき炭酸水を入れてしまうと泡立ってしまうので、炭酸水はあとからグラスに注ぐのがポイントだ。なお、シェイカーがなくてもマドラーでしっかりと混ぜれば問題はない。
シェイクしたものをグラスに注いだら、氷を入れて適量の炭酸水を加えて混ぜて完成。材料の基本的な量は決まってはいるが、アルコールや炭酸の強さに合わせて好みで量を調整するのが望ましい。
ジン・フィズにおすすめのつまみ
ジン・フィズは中甘辛口のカクテルなので、甘いカクテルが苦手な人でも美味しく飲みやすい。自宅でもバー気分を味わえる、ジン・フィズに合うつまみを見てみよう。
オイルサーディン
ジン・フィズを飲むときは味の濃いつまみがぴったり。缶詰や瓶詰めのオイルサーディンは調理も片付けも手軽なので、楽をしたいときに活用してほしい。日本の料理ではうなぎの蒲焼も合うが、手に入りにくいのでさんまの蒲焼などを活用してみよう。
ドライフルーツ
店でジン・フィズを頼むときにも出てくることがあるドライフルーツは、プロも認める組み合わせといえるだろう。生のさっぱりとしたフルーツよりも、甘みの凝縮したドライフルーツがおすすめだ。
結論
ジン・フィズは、ジンというスピリッツを使って作るさっぱりとした味わいの大人のカクテルだ。薬用酒だったところから始まるが、いまではさまざまな形に変えて親しまれており、歴史をたどるとより楽しんで飲むことができるだろう。シェイカーがなくてもジン・フィズを作れるので、お気に入りのつまみとともに贅沢な時間を過ごしてほしい。
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