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なぜワインに酸化防止剤を使うの?体への影響や無添加のワインも紹介

なぜワインに酸化防止剤を使うの?体への影響や無添加のワインも紹介

投稿者:ワインエキスパート 白川茜(しらかわあかね)

監修者:管理栄養士 水島知美(みずしまともみ)

2020年7月14日

スーパーで売っているお手頃ワインによく書かれている”酸化防止剤無添加”。なんとなく化学的なものが入ってないワインと聞くと体によさそうな印象を受ける。一方でそんな表記のないほとんどのワインたちには酸化防止剤が使われている。ワインに酸化防止剤を入れる理由から健康上の影響、人気を伸ばしている酸化防止剤無添加ワインについて解説する。

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1. ワインに酸化防止剤が使われるワケ

ワインを飲むと頭が痛くなる...という人から悪者扱いされがちな酸化防止剤。世界中のほぼ全てのワインに入っているもので、ワインが劣化するのを防いでくれている。具体的には大きく分けて二つ、酸化防止剤を入れる目的がある。

ワインの酸化を防ぐ

その名前の通り酸化防止剤はワインが酸化して味が落ちてしまうのを防いでくれる。一言で酸化と言っても熟成によって好ましく味が変化するのも酸化、日の下に放置して酢のようになるのも酸化だ。一般的にワインに添加される酸化防止剤は通常の醸造過程や移動・保管中などにワインが傷みにくくなるようにするための少量のものだ。なので酸化熟成後に飲まれることを想定してつくられるワインであっても添加されている。

微生物からワインを守る

もうひとつの目的はワインづくりの過程において微生物からワインを守ることだ。酸化防止剤として使われる亜硫酸塩には殺菌効果もある。古代のワインづくりにおいても樽など醸造器具の殺菌を目的に、硫黄を燃やして亜硫酸を発生させていたそうだ。この方法が大昔2000年以上も前から行われていたというから驚きである。現代でも同じ目的で、また不快臭を発生させる細菌の増殖を防ぐためにも亜硫酸塩が添加されている。

2. ワインの酸化防止剤は体に害を与えるの?

頭痛になるからワインを避けている、という声は思いのほかよく耳にする。味は好きなんだけど...と付け加えられると、なおいっそう残念な話だ。実際のところ酸化防止剤として使われている亜硫酸塩がその原因なのだろうか。亜硫酸塩がどれくらい私たちにとって身近なものか、人体にどう悪影響を及ぼすのかは意外と知られていない。

亜硫酸塩は身近なところで頻繁に使われている

なぜワインの酸化防止剤ばかりが着目されるのか不思議になるほど、亜硫酸塩は身近な食品添加物だ。ドライフルーツ、かんぴょうやポテトチップスに使われる乾燥じゃがいもなど意外なところで多用されている。Kg当たりに使われる最大量で比較すると、ワインに含まれる亜硫酸塩はドライフルーツの7~8分の1程度だ。

ワインによって変わる亜硫酸塩の含有量

一般的に図表などでワインの亜硫酸塩含有量を見る場合、そこには含まれていてもよい最大値が使われている。腕のよい生産者たちはいかに少ない亜硫酸塩量でワインを作るかを考え、必要最低限の量を添加している。実際に表の最大値の量が含まれているワインばかりではない。また時間とともに亜硫酸塩はワイン中の物質と結合して無害な物質へ変わっていく。熟成の進んだワインであれば残留量はより少ないものであるといえる。傾向としては、赤より白ワイン、辛口より甘口のワインの方が亜硫酸塩の添加量が多い。

亜硫酸塩が理由で頭痛になる、は間違いではない

とはいっても亜硫酸塩が直接頭痛を引き起こしているというわけではない。亜硫酸塩は体内でアルコール分解に関わる物質の働きを阻害してしまう。つまりアルコールの分解が上手く進まなくなる→頭痛を引き起こす物質が体内に留まる時間が伸びる→頭痛が起こりやすくなるという仕組みだ。安いワインほど機械収穫などでブドウが傷つくリスクが大きいため亜硫酸塩の添加量は多くなる。頭痛になりやすい人にはとくに、極端に安い値段のワインを選ばない方がよい。

3. 酸化防止剤を添加していないワインとは

近所のスーパーにも国内大手メーカーの酸化防止剤無添加ワインをよく見かけるようになった。値段も手ごろでペットボトル入りの商品も多く、味もフルーティーで手が出しやすい商品たちだ。その中からいくつかを紹介する。

メルシャン「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」

国内ワインメーカー最大手のメルシャンがつくる幅広いラインナップを持つブランドだ。全体的に甘めの味わいで、味のチャートに"中口"や"やや辛口"とあっても普通のワインと比べれば甘く感じるだろう。通常の赤白ロゼに加えてよりコクのある濃い味のもの、アルコールとカロリーが控えめなものなどもある。

シャトー勝沼「無添加赤わいん 辛口」

どういうわけか酸化防止剤無添加ワインは軒並み甘口のものが多い。健康志向の辛口ワイン好きにおすすめするのがこちらだ。山梨のシャトー勝沼がつくるこのシリーズは、フルーティさを残しつつ残糖度は控えめの辛口となっている。赤・白がリリースされており、ハーフボトルもあるので試してみやすいワインだ。

ヨーロッパのオーガニックワイン

国産ワインは国内消費がメインであり輸送範囲が狭いため、酸化防止剤無添加ワインの選択肢が広い。船で数か月の旅をする輸入物のワインではかなり限られてしまうのが実情だ。酸化防止剤無添加の海外ワインを飲みたい人は、ぜひEUのオーガニック認証を受けているワインに目を向けてほしい。そもそもEUでワインに使ってよいとされる酸化防止剤の量は日本よりも厳しい。オーガニック認証を受けるにはさらに厳しい基準をクリアせねばならず、無添加ではないものの含有量は普通のワインより少なめになっている。

結論

ワインにとって酸化防止剤は欠かせないといってもよいくらいの存在だ。添加物と聞くとどうしても距離を置きたくなるが、生産者も最低限の量でワインをつくるために切磋琢磨している。個人的な意見だがよいワインを飲むと嫌な酔い方をしない。しかし酸化防止剤が体に合わない人もいるので、そういった人はぜひ酸化防止剤無添加ワインやオーガニックのワインにも目を向けてほしい。
  

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