1. アペロールスプリッツはイタリア生まれのカクテル

本格的にイタリア料理を楽しむには、食前酒選びからが大切だ。例えば、アペロールという食前酒用のリキュールがあることをご存知だろうか。ここではアペロールとアペロールを使ったカクテル、アペロールスプリッツについて解説する。
アペロールとは
イタリア語で食前酒は「アペリティーヴォ」という。そんなアペリティーヴォのためのリキュールがアペロールである。イタリア北部のパドヴァの街で1919年に造られたリキュールで、オレンジの風味をベースに、薬草や根茎を独自配合したさわやかな味わいが特徴だ。リキュール類の中では、11度と飲みやすいアルコール濃度なのも人気の理由で、食前酒用に造られていることもあり、さっぱりとした飲み口なのである。
アペロールスプリッツとは
そのままでもかなり爽やかな味わいのアペロールだが、さらに爽やかに、なおかつ割り材で飲みやすくしたカクテルの1つが、アペロールスプリッツである。材料はフレッシュオレンジやスパークリングワイン、そして炭酸水と手に入りやすいのも嬉しいところだ。特に、ワインは辛口のものが適するといわれている。スプリッツはスプリッツァとも表記するが、これはドイツ語で「弾ける」を意味する「シュプリッツェン(Spritzen)」が語源のカクテルのこと。本来、スプリッツァは辛口の白ワインを適量の炭酸水で割ったカクテルであるが、このスプリッツァとアペロールを組み合わせたカクテルが、アペロールスプリッツだ。
2. アペロールスプリッツの作り方

アペロールがあれば、アペロールスプリッツは簡単に作ることができる。このリキュールを使えば、他の食前酒も作ることができるため家庭で本格イタリアンを楽しむ時に参考にしてほしい。
アペロールスプリッツの作り方
まず、基本的なアペロールスプリッツのレシピについて解説する。今回は、株式会社武蔵屋の公開するレシピを引用する。
アペロール 45ml
白ワイン 30ml
炭酸水 45ml
フレッシュオレンジ 適量
作り方は、アペロールと白ワイン、炭酸水の順にグラスに注ぎ、軽く混ぜた後、好みの量オレンジを飾るというもの。グラスや材料を全て冷やしておくのはもちろん、氷を加えて飲んでも爽やかである。
アペロール 45ml
白ワイン 30ml
炭酸水 45ml
フレッシュオレンジ 適量
作り方は、アペロールと白ワイン、炭酸水の順にグラスに注ぎ、軽く混ぜた後、好みの量オレンジを飾るというもの。グラスや材料を全て冷やしておくのはもちろん、氷を加えて飲んでも爽やかである。
アペロールスプリッツ・イタリアレシピ
基本的なアペロールスプリッツの作り方は前述したが、イタリア由来のスパークリングワインで作るレシピもある。使うワインはプロセッコ・スプマンテである。材料は以下の通り。
アペロール 40ml
プロセッコ・スプマンテ 60ml
炭酸水20ml
フレッシュオレンジ 適量
作り方は基本のアペロールスプリッツと同じく、オレンジ以外の材料をグラスに注ぎ軽く混ぜるだけ。オレンジを飾ってできあがりである。このレシピは白ワインの量が多いため、白ブドウの果実味がたっぷりと味わえるレシピである。
アペロール 40ml
プロセッコ・スプマンテ 60ml
炭酸水20ml
フレッシュオレンジ 適量
作り方は基本のアペロールスプリッツと同じく、オレンジ以外の材料をグラスに注ぎ軽く混ぜるだけ。オレンジを飾ってできあがりである。このレシピは白ワインの量が多いため、白ブドウの果実味がたっぷりと味わえるレシピである。
アペロールスプリッツの親戚・アペロールミスト
アペロールミストとはアペロール・レモンジュース・ビールの3種類の材料で作るカクテルである。白ワインよりもビールの方がアルコール度数が低いので、基本のレシピよりも飲みやすいカクテルといえそうだ。作り方は日本ビール株式会社のものを引用する。
アペロール 30ml
レモンジュース 30ml
ビール 適量
作り方はアペロールスプリッツと同じくグラスに入れて混ぜるだけ。ただし氷を入れてしまうと風味が薄まりやすくなるので、氷は入れない方が望ましい。また、ビールはフルーティなものがよいとされており、おすすめは白ビールである。
アペロール 30ml
レモンジュース 30ml
ビール 適量
作り方はアペロールスプリッツと同じくグラスに入れて混ぜるだけ。ただし氷を入れてしまうと風味が薄まりやすくなるので、氷は入れない方が望ましい。また、ビールはフルーティなものがよいとされており、おすすめは白ビールである。
アペロールモーニの作り方
オレンジやレモンがアペロールと相性がいいが、もちろん同じ柑橘系のグレープフルーツともかなり相性がいい。アペロールモーニはグレープフルーツとアペロールのカクテルで、前述で紹介したものより大人な味わいが特徴だ。作り方は主婦と生活社のLEONというページから引用する。
アペロール 40ml
グレープフルーツ 40ml
炭酸水 40ml
作り方は、全てをグラスに入れて混ぜるだけである。アペロールモーニの場合は氷を入れても風味はそこまで薄くならないため、ぜひ冷やしたものを真夏に飲んでもらいたい。グレープフルーツはレモンやオレンジに比べて苦味があり、甘いお酒が苦手な人でも飲みやすいのだ。
アペロール 40ml
グレープフルーツ 40ml
炭酸水 40ml
作り方は、全てをグラスに入れて混ぜるだけである。アペロールモーニの場合は氷を入れても風味はそこまで薄くならないため、ぜひ冷やしたものを真夏に飲んでもらいたい。グレープフルーツはレモンやオレンジに比べて苦味があり、甘いお酒が苦手な人でも飲みやすいのだ。
3. アペロールスプリッツの楽しみ方は自由自在!

アペロールスプリッツは手軽に作ることのできるカクテルだ。イタリアでは食前酒としてよく飲まれると紹介したが、どのタイミングが好ましいのだろうか。本場の楽しみ方をもとに解説しよう。
アペリティーヴォとは
アペリティーヴォの発祥地であるイタリアでは、基本的に夕食が20時から21時の間と遅めである。そのため、その1時間ほど前からバールと呼ばれるイタリア版の居酒屋で、簡単なつまみとお酒を楽しむ習慣があるのだ。アペロールスプリッツはその中でもよく飲まれる。これがアペリティーヴォといわれるもので、その後深夜ごろまでお酒を飲んだり夕食をのんびり食べたりするのが一般的である。
アペリティーヴォの楽しみ方
アペリティーヴォでは、オリーブの油漬けなどの簡単なおつまみとともに、アペロールスプリッツなどの軽いお酒を飲むのが一般的だ。アペリティーヴォという言葉には軽食をとる意味もあるので、おつまみも一緒に食べる方がよい。イタリアの軽食といえばオリーブだけでなくナッツ類、生ハムなども主流であり、日本でも輸入食品店で簡単に購入できるので、本場イタリア流で楽しむのもアリだろう。
結論
アペロールスプリッツはイタリア発祥の食前酒のカクテルである。爽快な飲み口はイタリアの陽気で楽しい夕食時間にぴったりだ。家で作ることもできるし、日本でイタリアンバルを訪れたときにも楽しむことができる。アペリティーヴォという、イタリアならではの習慣もふまえてアペロールスプリッツを飲んでみると、さらにイタリア料理やアペロールスプリッツがおいしく味わえるだろう。