目次
1. 紹興酒の種類とアルコール度数

紹興酒のアルコール度数について解説する前に、そもそも紹興酒とはどういったお酒なのかを簡単におさらいしておこう。
紹興酒とは
中国を代表する醸造酒のひとつが紹興酒だ。粳米や麦麹といった穀類を原料とし、独自の製法を経て数年熟成させたのちに完成する。中国酒・黄酒のうち浙江省紹興市で生産されたものが正統とされている。紹興酒はその製法によって4種類に分けられるのだが、ここではそれぞれの特徴やアルコール度数を紹介していこう。
元紅酒
元紅酒は糖度0.5%と低く紹興酒の中でも辛口である。もち米を主原料としているが、途中で糖質となる米を足すことなく作られるため糖度が低い。仕込みには水しか使わず熟成も3年程度である。
【元紅酒のアルコール度数】
元紅酒のアルコール度数は15〜16度程度だ。一般的に、紹興酒は熟成が進むほどアルコール度数が高くなるという特徴がある。
加飯酒
日本でもっとも人気の紹興酒といわれているのが加飯酒である。作り方は元紅酒とやや似ているが、途中で糖質となるお米を足すことで発酵を促すといった違いがある。「飯を加える酒」、すなわちその工程を表した名前というわけだ。熟成期間は最長20年程度と長く、まろやかな味と香りが特徴だ。
【加飯酒のアルコール度数】
上述のように、紹興酒は熟成が進むほどアルコール度数が高くなる傾向にある。したがって加飯酒のアルコール度数は元紅酒よりもやや高く、17〜18度程度とされている。
善醸酒
水ではなく元紅酒で仕込んだ紹興酒が善醸酒である。黒っぽく糖度が高いのが特徴だ。香りも非常に豊かで、熟成期間は5年程度ではあるがかなり芳香な風味を持つ。ただし、濃厚な味わいに反してクセが少ないため紹興酒が初めてという方にも飲みやすい。
【善醸酒のアルコール度数】
善醸酒のアルコール度数は13〜14度ほどである。熟成期間が短いことに加え、水の代わりにお酒を使っているため発酵が進みにくいことからアルコール度数も低めとなっている。
香雪酒
元紅酒の粕で作った「焼酎のような酒」を水代わりに使うという、贅沢な紹興酒が香雪酒である。紹興酒の中でもっとも糖度が高く甘いのが特徴だ。濃厚でまったりした味はリキュールやブランデーなどに似ている。
【香雪酒のアルコール度数】
紹興酒の中でもアルコール度数がもっとも高く、18〜20度ほどである。
2. 紹興酒のアルコール度数をほかのお酒と比較すると?

紹興酒のアルコール度数がどれくらいかは、ほかのお酒と比べるとより分かりやすい。日本酒やビール、ワインといった「醸造酒」および、焼酎やウィスキー、ブランデーやウォッカといった「蒸留酒」と比較してみよう。ちなみに紹興酒は醸造酒のひとつだ。
紹興酒のアルコール度数は日本酒と並び醸造酒の中でもトップクラス
紹興酒や日本酒、ビールやワインが醸造酒である。紹興酒の度数は日本酒と並び、醸造酒の中でも高い部類に入る。もっともアルコール度数が低いのはビールで5度程度、次にワインで12度程度だ。
上述したように紹興酒のアルコール度数は、もっとも高いもので20度程度である。対する日本酒は22度まであるため、最高値でいえば日本酒となる。とはいえ20度ともなれば醸造酒の中ではかなり高いため、両者ともにトップクラスのアルコール度数を持つお酒といえるだろう。
一方で紹興酒のアルコール度数は蒸留酒と比べると低い
焼酎やウイスキー、ブランデーやウォッカ、それにジンやグラッパ、テキーラといったお酒が蒸留酒だ。いずれもアルコール度数が高いお酒であることが分かる。たとえばウイスキーは平均するとアルコール度数40度程度、低いもので37度ほど、高いもので60度ほどになるため、アルコール度数だけを見ると紹興酒よりも遥かに高い。
ただし蒸留酒は水などで割って飲むことが多いため、1杯あたりのアルコール度数で見ると、割らずにそのまま飲む紹興酒の方が高くなることも多い。
3. 紹興酒のカロリー

紹興酒のアルコール度数に加えてカロリーが気になるという方もいるだろう。どれくらいなのか、目安を解説する。
紹興酒は種類によってカロリーが異なる
一般的に、紹興酒のカロリーは100mlあたり127kcal程度といわれている。ただし平均的な数値であり実際には種類で異なる。たとえばアルコール度数が高めの香雪酒は平均よりも高カロリー、逆にアルコール度数が低めの元紅酒は平均より低カロリーといった具合だ。
蒸留酒のカロリーは体内に蓄積されないことから「エンプティカロリー」と呼ばれているが、紹興酒は糖質を含むため飲み過ぎによるカロリーの摂取過多には気をつけよう。
4. 紹興酒の飲み方

紹興酒の飲み方についても触れておこう。
常温(ストレート)
紹興酒本来の豊かな香りとまろやかな味わいを楽しむのであれば、常温のストレートだ。中国でもごく一般的な飲み方である。
冷酒(ロック)
夏などは紹興酒自体を冷やして飲んだり、ロックアイスを入れたグラスに注いで飲んだりしても美味しい。
お燗(ホット)
日本独特の飲み方だが、日本酒と同じくらい(35〜34℃程度)にお燗するという方法もある。
ソーダ割り
アルコール度数が下がるため飲みやすくなる。炭酸がほどよく香りを引き立て、爽快なのどごしを楽しめる。
結論
紹興酒は種類によってアルコール度数が異なるが、醸造酒の中では日本酒と並び高い部類に入る。飲みやすいうえカロリーもやや高めであることから、くれぐれも飲み過ぎには気をつけよう。水を一緒に飲んだりおつまみに気をつけたりなど、飲み方を工夫することも大切だ。