1. 紹興酒おすすめの飲み方:基本編

紹興酒を飲む時、温度に気をつけたことはあるだろうか?冷やして飲んだことしかない人も多いかもしれない。しかし紹興酒には種類があり、その種類にあった飲み方があるのだ。ここでは、紹興酒を楽しむ3つの温度を紹介する。
常温
中国では紹興酒は常温で飲むのが一般的である。紹興酒の原料は穀物ともろみであり、日本酒に近い味わいである。日本酒もあまり冷やしすぎると風味が損なわれるので冷やしすぎずに飲むことが多いが、それと同じで紹興酒も冷やしすぎると旨みや風味が損なわれる。とくに「加飯酒」と呼ばれる、発酵の際もろみや原料米を増やして作る紹興酒や、「善醸酒」という水の代わりに仕込んで3年程度の紹興酒を使った紹興酒は常温で飲まれることが多い。これらの紹興酒は仕込みの際に発酵しやすくしているため豊かな香りと味わいがするといわれている。その香りや旨みを存分に楽しむには常温がよいのである。
燗
中国では燗酒もよく飲まれている。とくに「元紅酒」と呼ばれる、仕込んで3年程度の紹興酒はよく燗で飲まれる。「元紅酒」が燗で飲むことを好まれる理由は、まだ若く風味が少ないため温めることで風味が引き出されるからである。発酵が進んでいないので辛口であるが、温めることで飲みやすくなるのだ。
オン・ザ・ロック
紹興酒の中で最もアルコール度数が高く仕込む年月の長いものが「香雪酒」と呼ばれるものだ。「香雪酒」はアルコール度数が最大20度もあるうえに、味わいもリキュールのように甘い。そのため温めると風味がしつこくなるので、氷で冷やして飲むオン・ザ・ロックスタイルが向くといわれている。
2. 紹興酒おすすめの飲み方:アレンジ編

紹興酒の味わいは温度だけでなく、割り材などでも変わる。今回は、紹興酒を使ったアレンジを3種類紹介しよう。いずれもカクテルレシピなので、紹興酒のクセが苦手な人でも飲みやすいだろう。
香港フィズ
香港フィズは、紹興酒にジンジャーエールとスライスレモンを加えたカクテルである。生姜の風味とレモンの爽やかさが紹興酒の旨みを引き出し、なおかつクセを消してくれる。ジンジャーエールではなく炭酸水と生姜の薄切りでも代用が可能である。
ウーロン茶と紹興酒のカクテル
ウーロン茶も紹興酒も、どちらも中国原産のものである。そのためこれらの材料を組み合わせたカクテルはよくあり、ドラゴン・ウォーターと呼ばれることもある。作り方は温めたウーロン茶に紹興酒とザラメを加えるというもの。いわゆるホットカクテルであり、寒い冬にとくに飲まれるカクテルである。
ドラゴンハイボール
こちらもチャイニーズカクテルでは有名である。材料は紹興酒、レモンジュース、炭酸水、そして甘い梅干しである。作り方は簡単で、紹興酒と氷、梅干しを混ぜ合わせたあと、静かに炭酸水とレモンジュースを注いでゆっくりまぜるだけ。氷で冷やし、また梅干しやレモンジュースを入れることでまろやかな味わいになるのだ。
3. 紹興酒に氷砂糖は邪道な飲み方?

紹興酒の飲み方といえば、氷砂糖や角砂糖を入れて飲むという飲み方がポピュラーである。しかしこの飲み方はあまり中国ではされないことをご存知だろうか。そこで氷砂糖や角砂糖を入れて飲むのはよくないのか、またなぜその飲み方が広まったのかなど解説をする。
紹興酒に氷砂糖は間違い?
日本では中国料理店で紹興酒を注文すると氷砂糖が付けられることが多い。しかしこの飲み方は中国ではあまり見かけない。というのも、一説によれば中国の習慣では「大した酒は出せないが、もし口に合わなければ」という意味で角砂糖や氷砂糖を添えることがあるという。紹興酒に砂糖を入れてしまうのは、このお酒はまずいという意味になってしまうこともあるのだ。
紹興酒に砂糖を入れて飲む飲み方が広まった理由
日本に紹興酒が輸入され始めたのは、明治時代の頃である。その当時はまだ保存技術が万全ではなかった。そのため紹興酒を日本に輸入する時にどうしても味や風味が劣化したといわれている。旨みや香りが消えてしまい、酸味が強くなってしまった紹興酒の味をごまかすために砂糖を入れていたという説があるのだ。現在では保存技術が向上したため、砂糖を入れずとも美味しい紹興酒が飲めるようになっている。
4. 飲み方別:紹興酒におすすめなグラス

紹興酒を飲む時にはグラスにもこだわりたい。そこで今回は2種類のグラスを紹介する。どちらも紹興酒の香りを引き立たせてくれるので、ぜひともグラス選びの参考にしてほしい。
ワイングラス
ワイングラスを紹興酒のグラスにするのは、かなり合理的である。実は、紹興酒もワインと同じく熟成が進めば進むほどまろやかな風味が味わえる。そのため熟成期間が長ければ長いほど甘くて芳醇な味わいになるのだ。そしてこの効果はワイングラスに注ぎ、酸素と触れ合うことでも発生する。ワイングラスに注いで空気と触れ合うことで香りが引き立ち、味わいもまろやかになるので、ぜひ試してみてほしい。
錫のグラス
錫という金属はお酒のフーゼル油という成分を分解し、お酒の味わいをまろやかにするといわれている。また錫のグラスはデザイン性もよいので、紹興酒を飲むときは錫のグラスがおすすめである。
結論
紹興酒は冷やして飲んだり、砂糖を入れるだけが飲み方ではなく、さまざまなアレンジが楽しめるお酒である。種類によってもおすすめの温度が変化し、カクテルの材料として利用しても存分に味わうことができる。一見クセのあるお酒で飲みにくいと思われるかもしれないが、自分好みのアレンジをすることで飲みやすくなるので、ぜひ紹興酒を楽しんでみよう。