このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
紹興酒の原料はいったい何?琥珀色の魅惑の中国酒を考える

紹興酒の原料はいったい何?琥珀色の魅惑の中国酒を考える

投稿者:ライター 岡本優美(おかもとゆみ)

監修者:管理栄養士 水島知美(みずしまともみ)

2020年7月24日

中国のお酒といえば紹興酒を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、実際には紹興酒以外にも中国のお酒はあり、紹興酒はその中の一つで原料もかなり限られるお酒なのである。そこで、今回は紹興酒の条件でもある原料にフォーカスして紹興酒の魅力に迫ろう。

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

1. 紹興酒の原料

紹興酒のイメージといえば強い薬草のような香りとほのかな甘み、そして強いアルコールの味であろう。ただしこれは熟成の浅い紹興酒に限る。熟成が増すと豊かでまろやかな香りに強い甘みが特徴のお酒になるのだ。中国酒の中でも最もポピュラーといえる紹興酒の、その味わいを原料の視点で解説する。

紹興酒とは

そもそも紹興酒は中国のお酒の中の一種である。中国のお酒のうち、米や麦などの穀物を主原料としたお酒は「黄酒(ホワンチュー)」と呼ばれる。その中でも作って数年熟成させるものは「老酒(ラオチュー)」と呼ばれる。そして老酒の中でも浙江省紹興市周辺で作られるものだけが紹興酒と呼ばれるのである。

紹興酒の原材料

穀物酒である紹興酒の、主な原材料は鑑湖という湖の水、精米歩合90%ほどのもち米、小麦、そして酵母の「酒薬」である。中国語で書けば「酒药」と書く。酒薬は主に粉末にしたうるち米と柳の粉を混ぜて作られ、発酵させたものである。鑑湖の水を原料に使わなければ紹興酒と認められないが、これは紹興酒が紹興の街で作られる地酒ブランドであるためだ。これらの材料を使い、紹興酒は作られる。熟成期間は最低でも3年とされており、熟成が進むほどに味わい深くなるのが特徴である。

紹興酒の作り方

多くの課程を経て紹興酒は作られているが、ざっくり説明すればまず淋飯酒(リンパンシュ)というお酒を作り、このお酒をさらに酵母にして発酵させるのが紹興酒である。最初に、淋飯酒はもち米を90%程度に精米して1日以上浸水して蒸す。その後水をかけて冷却し、水、酒薬、麦麹、小麦を入れ発酵させる。その淋飯酒を蒸したあと冷やしたもち米、酒薬、米を浸水した時につけておいた水、そして小麦や麦麹とともに甕にいれて発酵させる。その後絞って加熱し、ほかの甕に入れて熟成させる。これが紹興酒の中の「攤飯酒(タンファンシュ)」というお酒の作り方なのである。

2. 紹興酒の色の原料はカラメル

紹興酒を買った時に原料の欄を見ると「カラメル色素」が入っている。では紹興酒の元々の色は透明なのであろうか。実は、紹興酒にカラメルを入れるのは色付けだけが理由ではない。ここでは、カラメル色素を入れる理由について考える。

カラメル色素の効果

カラメル色素とはなんだろうか。農林水産省の説明では「糖を熱処理することで糖が分解され着色物質(カラメル)が得られる」と表記されている。つまり砂糖を加熱し、濃褐色になるまで煮詰めた着色料なのである。このカラメルの効果は着色だけでなく、コクやローストしたような香りも与えるといわれる。

カラメル色素を入れない紹興酒の色は

実は、カラメル色素を入れなくても紹興酒は褐色のお酒である。紹興酒の主原料であるもち米の精米歩合は90%程度。そのためうまみ成分であるアミノ酸が多く含まれているのだ。このアミノ酸と糖成分が化学反応を起こし、メライジンという褐色の物質を生み出す。しかも熟成すればするほどメラノイジンは増加するのだ。なおかつ、貯蔵する甕の鉄分が酒の中に溶け出しさらに色が濃くなる。そのため、実はカラメル色素を入れなくても紹興酒はあの独特な琥珀色のお酒なのである。

カラメル色素が紹興酒に入っている理由

紹興酒の褐色の主な原料であるメラノイジンは、熟成が浅いと少ない。そのため色をさらに濃くするためにもカラメル色素が入れられるのだ。しかしカラメル色素の効果は色だけではない。香りや味わいをさらに深くするものである。そのため紹興酒独特の香りや味わい、深みを引き出す効果があると考えられる。カラメル色素が添加されている意味は、色を濃くする役割以上に香りや味わいにも効果を与え、紹興酒をさらにおいしくするためであるといえる。

3. 紹興酒と中国酒の原料の違い

中国酒には3つの種類があり、1つ目が紹興酒も属する黄酒(ホワンチュー)、2つ目が蒸留した穀物酒である白酒(パイチュー)、そして3つ目が果実を原料とする果実酒である。これらのお酒は原料が違うため味わいも異なる。そこでここではパイチューや果実酒について解説する。

白酒(パイチュー)

パイチューは中国のお酒の中でも最も度数が高いお酒である。原材料は高梁(コウリャン)と呼ばれるとうもろこしやお米、小麦など多岐にわたる。「高粱酒」であれば主原料にコウリャンが入っている。ホワンチューを作るように醸したお酒をさらに蒸留して作られるのがパイチューだ。このパイチューは紹興酒をはじめとするホワンチューと違い、もち米や小麦だけでなくとうもろこしや豆類などが原料として使われているという特徴がある。さらに一度蒸留するため度数が高めで、30度程度のものがあるのだ。

果実酒

中国では果実酒も有名である。ブドウ酒、つまりワインは中国でも古くから生産されており、白ワインに金木犀の花びらを漬けた「桂花陳酒」は有名である。また凍ったブドウで作るアイスワイン、「張裕ワイン」も有名だ。ブドウ酒以外には「果酒(クアチュー)」というブドウ以外の果物を発酵させて作る酒がある。例えば杏を発酵させて作る「杏露酒(シンルチュー)」やライチで作る「茘枝酒(レイシチュー)」が日本でも販売されている。これらのお酒は果物を主原料としているので、ホワンチューとは全く違うお酒といえるだろう。

結論

紹興酒は主にもち米と小麦を主原料にするお酒である。しかしそこに鑑湖という湖の水を加えることで紹興酒のブランドが確立されている。紹興酒の味わいには熟成が欠かせないが、同時に酵母となるお酒の仕込みも重要である。2度発酵させて丁寧に作られる紹興酒はカラメルによってさらにコクが増している。ほかの中国酒と飲み比べ、違いを味わってみるのも楽しいだろう。

おすすめ記事おすすめ記事

    ページトップへ ページトップへ
    >