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ショットグラスに注がれた紹興酒の写真

紹興酒の原料は?琥珀色をしている理由やほかの中国酒との違いも解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年3月30日

中国のポピュラーなお酒「紹興酒」について、その原料を解説するとともに琥珀色をしている理由、そのほかの中国酒との原料の違いなどについても紹介する。紹興酒は数ある中国酒のひとつで、実は原料や条件がかなり限られているお酒である。

  

1. 紹興酒の原料

紹興酒で乾杯しているところのイメージ写真
さっそく、紹興酒の原料について見ていこう。

紹興酒の原料

  • 鑑湖という湖の水
  • 精米歩合90%ほどのもち米
  • 小麦
  • 酒薬(酵母)
穀物酒のひとつである紹興酒の主な原材料は「鑑湖という湖の水」「精米歩合90%ほどのもち米」「小麦」そして酵母の「酒薬」である。酒薬は主に粉末にしたうるち米と柳の粉を混ぜて発酵させたものである。鑑湖の水を原料に使わなければ紹興酒と認められないのだが、これは紹興酒が「紹興の街」で作られる地酒ブランドであるためだ。これらの原料を使って紹興酒が作られる。熟成期間は最低3年とされており、熟成が進むほど味わい深くなるのが特徴だ。

2. 紹興酒の琥珀色の原料

ショットグラスに入った紹興酒と中華料理(おつまみ)の写真
紹興酒といえば特徴的な琥珀色をしているが、その色の原料となっているものは何なのだろうか?

紹興酒の色の原料はカラメルである

紹興酒のボトルに記載されている原料を見ると「カラメル色素」が入っていることがわかるはずだ。つまり紹興酒の色の原料はカラメルによるものというわけだ。となると、紹興酒本来の色は透明なのだろうか?カラメルを入れることの効果や理由とあわせて解説しよう。

紹興酒本来の色も「琥珀色」である

カラメル色素を入れる前の段階でも紹興酒は琥珀色をしている。主原料であるもち米の精米歩合は90%程度で、うまみ成分のひとつ「アミノ酸」が多く含まれている。このアミノ酸と糖成分が化学反応するとメライジンという褐色の物質が生まれる。加えて、貯蔵する甕の鉄分が酒の中に溶け出しさらに色濃くなる。こうしたことから、紹興酒はカラメル色素を入れなくてもあの独特な琥珀色をしているのである。

紹興酒にカラメル色素を入れる理由

紹興酒の琥珀色の原料となるメラノイジンは熟成が浅いと少ない。色を濃くするためカラメル色素が入れられるというわけだ。しかもカラメル色素の効果は色付けだけではない。

【カラメル色素の効果】

カラメル色素とは「糖を熱処理することで糖が分解された結果得られる着色物質(=カラメル)」である。砂糖を加熱し、濃褐色になるまで煮詰めた着色料ということだ。カラメルの効果は着色だけではなく、コクや、ローストしたような香りを与えるとされている。すなわち香りや味わいをさらに深くするものと捉えてよい。
紹興酒独特の香りや味わい、深みを引き出す効果がカラメル色素にはあるということだ。紹興酒にカラメル色素が入れられている理由は、色を濃くする役割以上に香りや味わいを深いものにする、紹興酒をさらに美味しくするためであるといえる。

3. 紹興酒と中国酒の原料の違い

甕に入ったいろいろな中国酒のイメージ写真
中国酒には3つの種類がある。紹興酒も属する「黄酒」、蒸留した穀物酒である「白酒」、そして果実を原料とする「果実酒」だ。これらのお酒は原料が違うため味わいも異なる。せっかくなので、白酒や果実酒についても軽く解説しておこう。

白酒(パイチュー)

中国のお酒の中でもっともアルコール度数が高い部類に入るお酒だ。原料は高梁(コウリャン)と呼ばれるとうもろこしやお米、小麦など多岐にわたる。「高粱酒」であれば主原料にコウリャンが入っている。黄酒を作るように醸したお酒をさらに蒸留して作られるのが白酒である。紹興酒をはじめとする_酒と違い、もち米や小麦だけでなくとうもろこしや豆類なども原料として使われるのが特徴だ。一度蒸留するためアルコール度数も30度程度と高めである。

果実酒

中国では果実酒も有名だ。とりわけブドウ酒(ワイン)は中国でも古くから生産されており、白ワインに金木犀の花びらを漬けた「桂花陳酒」などは有名である。そのほか凍ったブドウで作るアイスワイン「張裕ワイン」もご存知のかたが多いだろう。ブドウ酒以外に「果酒(クアチュー)」という、ブドウ以外の果物を発酵させて作るお酒もある。たとえばライチで作る「茘枝酒(レイシチュー)」などは日本でも販売されている。これらのお酒は果物を原料としているので、_酒とはまったく異なるお酒といえる。

4. 「紹興酒」とはどんなお酒なのか?

紹興酒の甕の写真
紹興酒のイメージといえば強い薬草のような香りとほのかな甘み、そして強いアルコールの味ではないだろうか?ただしこれは熟成の浅い紹興酒に限る。熟成が増すと豊かでまろやかな香りに強い甘みが特徴のお酒となる。

浙江省紹興市周辺で作られる老酒のひとつが「紹興酒」

中国のお酒のうち、米や麦などの穀物を主原料としたお酒を「黄酒(ホワンチュー)」といい、中でも数年熟成させるものを「老酒(ラオチュー)」と呼んでいる。さらにその老酒の中でも、浙江省紹興市周辺で作られるものだけが「紹興酒」を名乗ることができる。

紹興酒の製造方法

ざっくりと説明すればまず「淋飯酒(リンパンシュ)」というお酒を作り、そのお酒をさらに酵母発酵させたものが紹興酒である。淋飯酒は、もち米を90%程度に精米して1日以上浸水して蒸す。そののち水をかけて冷却し水・酒薬・麦麹・小麦を入れて発酵させる。その淋飯酒を蒸したあと冷やしたもち米や酒薬、米を浸水したときに浸けておいた水、そして小麦や麦麹とともに甕にいれて発酵させる。その後、絞って加熱してからほかの甕に入れて熟成させる。これが紹興酒の中の「攤飯酒(タンファンシュ)」というお酒の作り方だ。

5. 紹興酒の原料を知り、より深く味わいを楽しもう

グラスに入った紹興酒の写真
紹興酒を飲む機会があるという方も、原料について深く調べたことまではないのではないだろうか?もちろん、わざわざ原料を把握していなくても紹興酒は美味しいし楽しく飲めるお酒だ。風味が苦手な方もいるが、中華料理との相性はバツグンだ。酒席でのうんちくネタなどにもなるはずなので、ぜひ紹興酒の原料などを知識として蓄えておいてはいかがだろうか?

結論

紹興酒は主に、もち米と小麦を原料とするお酒である。そこに鑑湖という湖の水を加えることで紹興酒ブランドが確立されている。紹興酒は熟成が欠かせないが、同時に酵母となるお酒の仕込みも重要である。二度発酵させて丁寧に作られる紹興酒は、カラメルによってさらにコクが増している。ほかの中国酒と飲み比べ、違いを味わってみるのも楽しいだろう。
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  • 公開日:

    2020年7月24日

  • 更新日:

    2022年3月30日

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