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黒ビールが黒いのはなぜ?苦手な人でもおいしく飲める方法を伝授

黒ビールが黒いのはなぜ?苦手な人でもおいしく飲める方法を伝授

投稿者:岡本優美

鉛筆アイコン 2020年8月 8日

黒ビールといえば味が濃く、香りが強く少しくせのあるビールというイメージがあるかもしれない。色も普通のビールのような黄金色ではなく、黒褐色から黒に近い色をしている。しかしこの黒ビールにもさまざまな種類があり、飲み方もアレンジすることができる。ここでは、黒ビールの種類や楽しみ方について解説する。

  

1. 黒ビールはなぜ黒い?特徴や普通のビールとの違いについて解説

黒ビールの大きな特徴として、濃い黒褐色が挙げられる。そこで、ここでは黒ビールの特徴を製法の視点から解説する。

黒ビールの色の原因

ビールを作るときに必要なものは麦芽である。麦芽は、まず麦の種子を発芽させた後加熱し乾燥させてつくられる。この時にどのように乾燥させるかで仕上がりが異なる。基本的には乾燥室と呼ばれる部屋で熱風を浴びせ短時間で焙煎する。この際に色が薄くつく程度の焙煎であれば淡色麦芽、あるいはピルスナー麦芽と呼ばれ一般的なビールに使われるものになる。一方で強めに焙煎し、色が黒褐色やチョコレート色になるほど焙煎されれば濃色麦芽と呼ばれ黒ビールに使われる麦芽になる。

濃色麦芽の種類

濃色麦芽はその色によっていくつか種類がある。カラメル麦芽やクリスタル麦芽、チョコレート麦芽や黒麦芽など色合いによって区別されている。これらの麦芽を使うことで、ビールに色合いと焙煎香が付くのである。

黒ビールの定義

黒ビールはいわゆる醸造の方式を意味する「ビアスタイル」を指す言葉ではない。黒ビールとは濃色麦芽を一部原材料に使用した色の濃いビールの総称である。濃色麦芽だけではなく、淡色麦芽も加えて醸造させるのが一般的だ。その比率によって色合いが変化するだけでなく風味も変化する。

2. 黒ビールにはどんな種類がある?味わいなどの違いをご紹介

黒ビールには主に4種類に分類される。ここでは、ビールの発酵の種類と黒ビールの4種類、味わいの特徴を大まかに解説する。

上面発酵と下面発酵

本題に入る前に、上面発酵と下面発酵について解説する。上面発酵とはエールとも呼ばれ、麦芽の発酵が進むにつれて液体の上部に酵母が浮いてくるスタイルの発酵だ。高温で短期間の発酵が特徴とされ、香りが芳醇である。一方下面発酵はラガーとも呼ばれ、発酵が進むほどに液体の下部に酵母が沈んでいく。低温でじっくり発酵させるスタイルで、爽快で飲みごしがいいことが特徴だ。

デュンケル

デュンケルとはドイツ語で暗いを意味する。ドイツ・ミュンヘンで開発されたデュンケルビールは強く焙煎され黒に近い色合いの麦芽を使用している。そのため、黒ビールの中でも特に色が濃い。上面発酵のデュンケルヴァイツェンと下面発酵のミュンヒナーデュンケルと、それぞれ小麦を主原料とした2つのビアスタイルがある。麦の風味が強いがホップの香りや苦味は控えめで、まろやか味わいだ。

シュヴァルツ

ドイツ語で「黒」を意味するシュヴァルツ。このシュヴァルツはドイツのバイエルン地方が起源だと言われている。チョコレートやコーヒーに似た香ばしさがあるといわれる。シュヴァルツは下面発酵で作られるビールであるので、黒ビールの中では味わいはすっきりしており、少し苦味がある。

ポーター

1722年、イギリスのロンドンで開発されたといわれている黒ビールが英語で「運び屋」を意味するポーターだ。上面発酵で作られるので、味わいはまろやかで香りも豊潤である。ポーターには大きく分類して2種類あり、濃い褐色のブラウン・ポーターと黒色のロブスト・ポーターがある。

スタウト

スタウトは、アイルランドで開発された上面発酵の黒ビールだ。ほぼ黒になるまで焙煎した麦芽を使用するため、苦味が強くコクがある味わいが特徴である。スタウトにもさまざまな種類があり、たとえば甘いクリームスタウトや牡蠣のエキスを入れたオイスタースタウトなどがある。

3. 黒ビールの美味しい飲み方とは?おすすめのおつまみや活用法をご紹介

黒ビールはさまざまな楽しみ方がある。そのまま飲む際も温度を変えて楽しむことができ、調理にも使うことができる。ここでは黒ビールの飲み方や黒ビールにあうつまみ、また黒ビールを使用したレシピも紹介する。

黒ビールは常温がおいしい?

ビールは常温で飲むもの、という話を聞いたことはないだろうか。実際、いつもキンキンに冷えたビールを飲んでいる人にとっては「ぬるい」と感じるほどの温度で飲んだ方がよいビールもある。特に上面発酵の黒ビールは、その独特な焙煎香を感じるために10度程度がちょうどよいとされている。またグラスも冷蔵庫で冷やしすぎない方が香りを感じるのだ。

黒ビールにあうおつまみは

黒ビールは味が濃いので、牛肉などの味が濃いものがあう。ここでは、キリンビバレッジ株式会社が紹介する、ウィンナーシュニッテンを引用する。ウィンナーシュニッテンの材料は以下の通り。

材料(2人分)
牛肉(牛ひれ肉)2枚
塩・黒こしょう適量
強力粉・卵・パン粉各適量
バター40g
レモン1/4個
飾り用レモンの輪切り2枚
パセリ適量

まず牛肉をラップでしっかりと包み肉叩きや瓶底などで薄く叩き伸ばしていく。次にラップをとり塩と黒胡椒を振って強力粉、溶き卵、パン粉の順にくぐらせる。フライパンに分量外のサラダ油をひいて揚げ焼きにする。この時、油は多めがよい。次にレモン汁を絞っておき、バターを別の鍋に入れて中火にかける。色がついてきたら火から下ろして濡れ布巾の上におき、レモン汁を一気に混ぜ合わせる。揚げ焼きにした牛肉にバターにレモン汁を加えたものをかけ、レモンやパセリを散らして完成だ。

黒ビールを使ったレシピいろいろ

黒ビールは煮込み料理に使うこともできる。簡単なものでいえば、豚の三枚肉を生姜や長ネギと共に炒めておいて、更にそれを醤油や八角、みりん、コンソメ、そして黒ビールで煮込めば豚肉の黒ビール煮込みの完成だ。

4. 黒ビールのおすすめをご紹介!お気に入りの銘柄を見つけよう

黒ビールにはさまざまな種類があり、銘柄も多くある。ここではキリンの黒ビール、ギネスビール、そして日本でも手に入るドイツの黒ビールについて解説する。

キリンの黒ビール

キリンの開発した黒ビール「キリン一番搾り〈黒生〉」は和食にあう黒ビールとして開発された。ダークラガーという製造法を採用した下面発酵(ラガー)ビールだが、キリンのスタウトの後継として開発されている。ただ、下面発酵でダークビールなのでミュンヒナーデュンケルに近しいと考えられる。

ギネス

ギネスビールはアイルランドで開発されたビールである。現在ではキリンが輸入しており、酒屋などで入手が可能だ。ギネスビールはスタウトビールで、クリーミーな泡が特徴である。このクリーミーな泡はギネススタウトの缶に入れられた窒素と泡を作り出す球によって作られている。

ドイツの黒ビール

酒屋チェーンの酒のやまやはさまざまなドイツビールを輸入しているが、その中でもカイザードームのダークラガーをおすすめする。カイザードームの製造元であるカイザードームブリュワリーは100年以上の歴史を持つ。清々しい飲み心地でありながらローストした大麦の豊かな香りが特徴だ。特にこのダークラガーは2016年ドイツ農業協会品質協議会で金賞を受賞した実力派。ドイツ黒ビールの中でも品質が良いといえる。

5. 黒ビールが苦手でも楽しめる?おすすめのアレンジカクテルをご紹介

黒ビールはローストした麦の香りが楽しめるが、少し苦手とする人もいる。そんな人におすすめなのはカクテルやフロートを作って飲むことだ。ここでは3種類のアレンジを紹介する。

黒ビールフロート

黒ビールは香ばしい麦の香りがするが、それはカラメルの香りと似ている。そんな黒ビールにはバニラアイスがよくあう。そこでバニラアイスを浮かべる大人のアイスクリームフロートはいかがだろうか。バニラアイスのミルキーな味わいと黒ビールのほろ苦さが相性抜群だ。

ブラック・ベルベット

黒ビールと同量のシャンパンを混ぜ合わせれば、ブラック・ベルベットというカクテルになる。泡の舌触りがまさに絹でできたベルベットのように滑らかだといわれている。簡単なレシピだが、とても美しいカクテルのひとつだ。

トロイの木馬

ギネス・スタウトビールを使ったカクテルがこの「トロイの木馬」だ。好みの量の黒ビールとコーラを混ぜ合わせただけだが、黒ビールの苦さをコーラの甘味と酸味がカバーする。黒ビールが苦手な人にはぴったりのレシピだ。

6. 黒ビールについて知ってより深く楽しもう

黒ビールはその種類だけでもかなり多いが、整理して覚えればそんなに難しいものではない。まず4種類の黒ビールがあり、デュンケル・ポーター・スタウト・シュヴァルツがある。その中で上面発酵(エールビール)のものはデュンケルヴァイツェン、ポーター、スタウトの3つ。そのうちポーターとスタウトはイギリスやアイルランド発祥だ。一方下面発酵(ラガービール)はシュヴァルツとミュンヒナーデュンケルだ。日本の黒ビールの定義は「濃色麦芽を使用したビール」なので、自分好みを見つけるにはまず種類を覚えよう。そうすれば種類で自分好みを言い表せられるようになるだろう。

結論

黒ビールにはさまざまな種類がある。それぞれの種類に特徴があり、たとえばスタウトが飲みにくいと思った人はシュヴァルツを飲んでみるといいかもしれない。さらにアレンジレシピや、黒ビールそのものを使ったレシピもある。自分にあった黒ビールの楽しみ方を見つけてみよう。
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  • 更新日:

    2020年8月 8日

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