目次
1. ムニエとは?味わいや香りなどの特徴や言葉の意味などについて紹介

ムニエはフランスで主に造られている黒ブドウで、身近にあるムニエのワインといえば何をおいてもまずシャンパーニュだ。ムニエを100%使ったワインは多くないが、その特徴や名前の意味をみてみよう。
ムニエの味わいや香り
ムニエは主にピノ・ノワールやシャルドネとともにシャンパーニュの材料として使われることが多いブドウだ。心地のいい酸味がありフレッシュでフルーティな味わいで、シャンパーニュのシャープさを和らげるなど味わいのバランスを取るために使われている。熟成が早いブドウで、若いときにはチェリーやベリー系の香りを持つが、時間とともにナッツやキノコの熟成した香りを感じさせる。
ムニエの意味や別名
ムニエとは粉屋という意味のフランス語で、葉の裏が白いことからそう呼ばれている。以前はピノ・ノワールと同系統と考えられピノ・ムニエと呼ばれていたが、近年DNA鑑定で違う系統であることが判明し「ムニエ」と呼ばれるようになった。そのほかの主要な産地であるドイツでは、「シュバルツリースリング」や「ミュラーレーベ」などの名で親しまれている。
2. ムニエはどこで栽培されている?主な産地と産地ごとの違いや特徴をご紹介

ムニエは主にフランスのスパークリングワイン・シャンパーニュとして楽しまれることが多いブドウ品種だが、そのほかにも栽培地域がある。フランスを含めてどのような産地があるかみてみよう。
フランス
フランス最北のワイン産地、シャンパーニュ地方がムニエの一大生産地だ。地名が示すとおり言うまでもなく、晴れの日の発泡ワインであるシャンパーニュの原材料として使われている。シャンパーニュに使える品種はいくつかあるが、ムニエは早飲みができるタイプのシャンパーニュに使われることが多い。
ドイツ
シャンパーニュ地方よりもさらに北のワイン産地であるドイツでもムニエの生産が盛んだ。フランスとは違い、スタンダードな赤ワインとして楽しまれることが多い。ムニエの産地はいくつかあるが、ドイツ最南のワイン産地・ヴュルテンベルク地方で多く造られている。
オーストラリア
赤ワイン品種として知名度の高いピノ・ノワールよりも前からムニエの栽培が始まっていたのがオーストラリアだ。フランス産シャンパーニュの有名銘柄といえばモエ・エ・シャンドンがあるが、同社がオーストラリアで造る「シャンドン」にもムニエが使われている。日本でもよく見かける発泡ワインだ。
3. ムニエとピノ・ノワール、シャルドネとの違いは?それぞれの特徴も合わせて確認

一般的なシャンパーニュには、ムニエ、ピノ・ノワール、シャルドネの3品種が主に使われる。それぞれのブドウと、シャンパーニュの味へ与える特徴の違いについて解説しよう。
シャルドネ
シャンパーニュ主要3品種の中で唯一の白ブドウであるシャルドネは、シャンパーニュに上品な香りとキレのある酸味、ミネラル感を与える。シャルドネのみで造られたシャンパーニュはブラン・ド・ブラン=白の白(白ブドウの白ワイン)と呼ばれ、ブレンドしたのものよりもスッキリした味わいのものが多い。
ピノ・ノワール
シャンパーニュに華やかさを与えるブドウとして認知されているのがピノ・ノワールだ。芳醇な香り、どっしりしたボディと味わい深さのあるシャンパーニュを選ぶならピノ・ノワールのものがよい。ピノ・ノワールなど黒ブドウだけで造られたシャンパーニュはブラン・ド・ノワール=黒の白(黒ブドウの白ワイン)と呼ばれ、前述のブラン・ド・ブランよりしっかりしたボディが特徴的だ。
ムニエ
3品種の中では熟成が早い特徴を持つムニエは、シャンパーニュの味わいを補助するような役割で使われる。シャルドネとのブレンドではシャルドネのシャープな酸味に丸みを与えて、ピノ・ノワールとのブレンドでは味わいに軽やかさや柔らかさをもたらす。
4. ムニエで造られたおすすめのワインは?

ムニエ100%で造られるワインはあまり多くないのが現状だ。しかしムニエのブレンド比率が高いシャンパーニュは多く存在し、価格も手ごろな場合が多い。そんなムニエのおすすめワインを紹介しよう。
ディディエ・ショパン『アドリアン・ショパン ブリュット NV』
販売元:ワインショップドラジェ
ムニエとピノ・ノワールのブレンドで造られたブラン・ド・ノワールのシャンパーニュだ。ムニエの使用率が約70%と高いのが特徴で、黒ブドウ100%ならではのコクのある味わいが楽しめる。シャンパーニュというと価格の高さがネックだが、こちらは2,000円代で手に入る。ハイコスパかつしっかり飲みごたえのある味わいのシャンパーニュだ。
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サルモン『サルモン 100% ムニエ ブリュット NV』
販売元:葡萄屋 他
100%ムニエを使っている珍しいシャンパーニュだ。ムニエ100%のシャンパーニュしか造らないという造り手サルモンは、ムニエを知り尽くした生産者だと言ってよいだろう。ややドライな味わいでムニエが持つブドウ本来の味わいを存分に楽しめる1本だ。
ポルヴェール・ジャック『ポルヴェール・ジャック ブリュット』
販売元:フェリシティー
こちらも2,000円台で手に入るハイコスパのシャンパーニュだ。ブレンド比率はムニエが約50%、ピノ・ノワール約30%にシャルドネ約20%となっている。フルーティさとシャンパーニュ独特の香ばしい香り、丸みのある優しい味わいを備えた1本でどんな食事にも合わせやすい。
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結論
シャンパーニュによく使われるブドウ品種、ムニエについて紹介した。単一品種として見かけることは少ないものの、その個性を覚えておくとシャンパーニュを選ぶ際に好みの1本を見つけやすいだろう。ムニエを多く使ったシャンパーニュは比較的安価かつ飲みやすいものが多いため、シャンパーニュを飲み慣れない人にもおすすめしたい。