1. ペールエールとは

でははじめに、ペールエールとは一体どんなビールなのかを解説しよう。また、一般的に流通量が多いラガービールとの違いも、本項でしっかりと押さえておいてほしい。
ペールエールとはどんなビール?
ペールエールとは、イギリスで生まれたビールである。ペールエールができる以前は色の濃いビールが一般的であったが、ペールエールはそれに比べ色が淡いビールだったため、「淡い」の意味を持つ"pale"の語を用いて、ペールエールとして世に広まった。イギリスはもちろん、その後アメリカでも人気が広まり、現在では国産のペールエールも広く流通しているほど、人気の種類のビールである。
ペールエールの味わいや度数
ペールエールの味わいは、普段ラガービールを好んで飲む人にとっては味が濃く感じるだろう。ペールエールの特徴はコク深いモルトの味わいやホップの豊かな香りである。ラガービールでは感じられないアロマをじっくりと味わいながら飲むのがペールエールの楽しみ方だ。アルコール度数は平均して5度と、一般的なビールと変わらないことも知っておこう。
一般的なラガービールとの違い
ペールエールについての基本的な解説をしたが、もうひとつ覚えておきたいのがラガービールとの違いだ。実は原材料はどちらもモルト、ホップ、酵母、水とまったく同じなのだが、なぜこれだけの味わいの違いが生まれるのだろうか。その答えは発酵方法にある。ラガービールは発酵温度が低く、熟成期間が長い「下面発酵」で作られるが、ペールエールは対照的で発酵温度が高く、熟成期間が短い「上面発酵」で作られる。上面発酵で作られるエール酵母は下面発酵で作られるラガー酵母に比べて香り成分を豊富に含んでいるので、味わい深い仕上がりになるのである。
2. ペールエールとIPAの違い

前項ではペールエールの基本的な部分を解説したが、ここではペールエールと混同しやすい種類、IPAとの違いについて解説していく。IPAもまた人気のクラフトビールなので、覚えておくことをおすすめしたい。
IPAとの違いとは
まず、IPAとは何の略称なのか知っておこう。IPAとは、「インディア・ペールエール」の略称である。インディアと表記があってもインド発祥ではなく、まだインドがイギリスの植民地時代のころ、インドに滞在するイギリス人のために送ったペールエールがIPAである。つまりIPAもペールエールと同じく、イギリスで生まれたビールなのだ。しかし味わいには大きな違いがある。IPAは輸送中に傷んでしまわないよう、ペールエールよりも多くのホップが使用されているのだ。このことから、IPAはペールエールに比べて苦みや香りが非常に強くなっていることが特徴だ。
3. おすすめペールエール3選

数多くの種類があるペールエールなので、はじめは何を選べばよいのか迷ってしまうだろう。ここでは国産のペールエールからおすすめ商品を3つにしぼって紹介しよう。
ヤッホーブルーイング「よなよなエール」
よなよなエールは国産のペールエールの定番である。味わいは本格派のアメリカン・ペールエールであり、柑橘系の香りが特徴のカスケードという種類のホップをふんだんに使用して作られているのがポイントだ。クラフトビールの入門ペールエールとしてもおすすめしたい。
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- 商品名:よなよなエール [ 350ml×24本 ] クラフトビール ペールエール エールビール
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伊勢角屋麦酒「ペールエール」
ファンからは「伊勢ペ」の愛称で知られる伊勢角屋麦酒のペールエールは、三重県伊勢市で作られているアメリカン・ペールエールだ。小さな醸造所で作られているペールエールながら、その味わいは世界でも認められており、世界的ビールコンペティション「インターナショナル・ブルーイングアワード」では2大会連続金賞受賞の実力を持つ。苦みと甘みの絶妙なバランスを楽しめる。
おすすめ商品
- 商品名:三重県伊勢角屋麦酒ペールエール330ml12本
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サントリー「TOKYO CRAFT」
TOKYO CRAFTは東京都府中市にあるサントリーの武蔵野ブルワリーで作られているアメリカン・ペールエールだ。国内大手のビールメーカーであるサントリーが作り出すペールエールは、さわやかなホップの香りと心地がよい苦みがあるバランスがとれた味わいが特徴である。
おすすめ商品
- 商品名:TOKYO CRAFT (東京クラフト) ペールエール [ 日本 350ml×24本 ]
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4. ペールエールの美味しい飲み方

最後に、ペールエールを美味しく楽しむためのポイントを紹介しよう。せっかくペールエールを飲むのであれば、美味しい温度やグラスなどにはしっかりこだわりたいものだ。
美味しい温度とは
ペールエールはのどごしを楽しむというよりは、ワインを楽しむように香りから味わい、後味の余韻までじっくりと楽しむものである。美味しい温度は約13℃あたりとされており、冷蔵庫で冷やしたものを少しだけ時間をおいてから飲むとちょうどよい。
グラスにもこだわってみよう
ペールエールと相性のよいグラスは、飲み口が広くなった薄手のものがおすすめだ。ペールエールの豊かな香りやコク深い味わいをダイレクトに楽しむことができる。ジョッキで飲む冷えたビールもまた格別だが、ペールエールにもトライして新たなビールの楽しみ方を知ってみてはいかがだろうか。
結論
ペールエールは、モルトとホップの旨味や香りをいっぱいに楽しめる人気のクラフトビールである。価格帯は市販のラガービールに比べて少し上がるものの、最近はどこでも簡単に手に入るようになった。まだペールエールを飲んだことがない人は、ぜひこの機会に手に取ってみてもらいたい。